SASAnote 複雑な思いで迎える「北関東ダービー」だが、シンプルに、皆で「勝ちたい、喜びたい」-ザスパ群馬 公開練習フォトレポ

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ザスパはオープンウィークを挟み、2週間ぶりにリーグ戦を戦う。リーグは残り4試合、そして、残り2試合となったホームゲーム2連戦の初戦となる北関東ダービー・栃木戦を20日日曜に控えている。

今シーズンのJ3降格圏内18位以内が確定しているザスパだが、今節は、19位鹿児島の試合結果を上回れないと、年間順位最下位が確定するゲームでもある。

一方、対戦相手の栃木は、リーグ18位でJ3降格圏内に苦しんでいる。残留圏17位大分とは、5pt差。残り試合を考えると栃木もここからは勝利を重ねていかなければ厳しい現実が待っている。

そんな北関東ダービーは、互いにとって、いつにも増して勝利しか許されない状況だ。

トレーニングは継続していたが、リーグ戦は2週間ぶりになる。久々の試合に向けて武藤覚監督は、「選手たちは、リフレッシュできたのもそうだし、いろいろと気持ちの整理が出来たところもあると思う。残り4試合、結果を出したいし、選手たちの今後も考えても大事なゲーム、いい準備をする時間ができたと思う。」と話す。

気持ちも新たに迎える北関東ダービーについて武藤監督は、「ダービーだし、何よりホームで勝てていない。こういう状況で、選手たちも気持ちの難しさはあると思うが、トレーニングはしっかりやってくれているので何とか結果に繋げたい。そして、千葉戦も、熊本戦も、サポーターのみんなが来てくれて、応援してくれている。それに応えないといけないし、サポーターも、ダービーだと更に気持ちも出ると思う。選手たちにも、『そこはしっかり戦おう。』というのは話した。また、選手、彼らの今後のサッカー人生にも繋げないといけないし、ザスパの今後にも繋がってくると思うのでしっかりやらなければいけない大事なゲーム。逆に、そういう大事なゲームが、このタイミングに入ってくれたから、さらにしっかり戦うという雰囲気も作れることになる。」と教えてくれた。

応援してくれるサポーターのためにもなんとか勝利で応えたい、そして、ともに戦う選手たちのこれからを願って。もっといい状況で北関東ダービーを迎えられるのが一番だが、それでも、しびれるゲームがこのタイミングに来てくれたのはありがたい。

この所のゲームを振り返り、武藤監督は、「失点の所は、寄せ切れない甘さがある。熊本戦も、千葉戦も、寄せの甘さから最後はやられている。」ゴール前での寄せの甘さを課題に挙げる。ゴール前に人がいないわけではない、むしろ人数は揃っているが、相手へプレッシャーがかからず、余裕すら与えている状況だ。良いサッカー、良い時間が続いても、「またか。」と声に出てしまう同じ失点の形が繰り返されている。その部分を意識したトレーニングも続いている、意識付けも行っている、それをゲームで出す、そして、相手を上回る形で出さなければいけない。

他方、対戦相手の栃木も、負けが許されない状況で、アウェイのゲームをどうゲームに入り、戦おうとしているか、読みづらさはある。

武藤監督は、「ゲームの入りは大事だし、「受けないよ!」というのはいつも言っている、やろうとすることは変わらない。栃木が何をするかも想定し、優位に行きたい。ザスパとしては、前半に点が取れていないので、点を取りたい。ゲームの入りが大事なのは変わらない。」と話す。

ここ数戦、ゲームに入りは悪いわけではないし、得点チャンスもある。決める所、守り切る所、そして、ザスパペースで試合を運ぶこと。これまで繰り返されてきた、「あとちょっと」、「もうちょっと」そこに終止符を打ちたい。

選手たちも様々な思いで、今季最後の北関東ダービーを迎える。

前節、8試合ぶりにスタメン出場を果たした中塩大貴は、「ホームは残り2戦で、次は、特に大事な北関東ダービー。まずは、サポーターの皆さんに、勝ちを届けることが大事。自分やチームの気持ちをプレーの中で激しく見せられればと思うし、サポーターとホームで勝ちを共有することを目指したい。」と意気込む。

また、千葉戦では、8試合ぶりの出場で意欲的なプレーを見せた和田昌士は、「いろいろな事が決まってしまって迎える残り4試合。だけど、選手たちが意地を見せることが来年につながる。そして、意地を見せれば、サポーターも『来年も応援しようかな』と思ってくれるはず。そういった意味では、より大事な4試合だ。難しい状況だがやれることをやるしかない。」と残り4試合の重要性を教えてくれた。

そして、若手も残り4試合での出場、そこでの活躍を目指し、準備をしている。リーグ戦初出場を目指す小野関虎之介は、「最後までチャンスがあれば、そこで結果を出して、来シーズンにつなげたい。今シーズンの結果は誰も満足していない。来年1年でこの舞台に戻るためにも、自分の様な若手がやらなければいけない。そのために、1日1日頑張っていきたい。」と話す。

難しいシーズンを過ごしてきた。早々とJ3降格が決まってしまった。試合も残っていながら、来シーズンの事も、頭の中でグルグル動いている。そんな中、消化試合などないと思いながらも、試合に向けてどう気持ちを高ぶらせるべきか、悩ましいサポーターもいるかと思う。

いろいろな状況に、思いは絡み合うが、シンプルに北関東ダービーだ。勝ちたい、喜びたい。まずはそこに向かいたい。そして、この試合の勝利が、来シーズン、そして、これからのザスパにとって、大きなきっかけとなるような試合になってくれたらとも思う。皆の思いをピッチに届け、北関東ダービー・栃木戦に勝利しよう。

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