SASAnote 「残り5試合、何を思い、何を目指し戦うのか」-ザスパ群馬

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10月とは思えない暑さの下、ザスパ群馬の選手たちは次節・千葉戦に向けたトレーニングに励んでいる。

前節・熊本戦の前日に行われた大分の勝利をもってザスパの年間順位18位以下、つまり、J3降格が決まった。厳しい現実を突きつけられた中で迎えた熊本戦も、相手の圧力に耐えつつ先制点を挙げ、その後、逆転を許しても諦めず同点まで食らいついたが、最後は、それまでの頑張りが何だったのかと思ってしまうほどあっけない幕切れで敗戦となってしまった。

大逆転でのJ2残留を信じて戦ってきたが、もはやその願いは叶う事はない。それでも、千葉戦含め、5試合が残っている。私たちは、どこに向かって、何を求めて、どんな思いで戦っていけばいいのだろうか。

キャプテンの櫛引政敏は、新たな一週間を迎え、「試合通して、常にいいプレー、悪いプレーがある。それを同じように改善していくために、いつも通りの一週間を過ごしたい。」と落ち着いた口調で答えてくれた。

悔しさはあるが、それとともに、すぐにやってくる次なる試合に向けてキャプテンとして、守護神として、チームを勝利へ導かなければならない。感情は内に秘め、勝利のために何をすべきか、そこにフォーカスし、試合に向け、準備をする。

それとともに、ゴール裏からのザスパサポーターの声援を誰よりも背中で受けながらプレーする者として、「チームとして、難しい結果でも、サポーターが応援してくれている。しっかりその声に応えていきたい。」と選手と同じく、勝利を渇望するサポータとともに、ひとつでも多くの勝利を届けたい思いだ。

夏の移籍に、育成型期限付き移籍で加入した樺山諒乃介は、前節・熊本戦で同点ゴールを決めた。まだまだ終わらない、終わらせない、勝ちたい気持ちを結果で表現してくれたゴールだった。熊本戦のゴールだけでなく、この所、周囲との連携も格段に上がり、攻撃陣を引っ張る存在だ。

攻撃面での手ごたえについて聞くと、「チームとして、求められている事を理解してきた。同サイドのエドや(仙波)大志を活かすプレーも意識してやれているのが、得点、チャンスにつながってきている理由だと思う。」と答えた。

残された試合は少ないが、攻撃面での向上は誰もが願う所だ。熊本戦や山形戦の様な得点に絡む活躍をどんどん見せてもらい、勝利につなげてもらおう。

また、樺山にすれば、チームを残留させるというタスクを求められて加入したが、それとともに、自身の価値を高めるという大切な時間でもある。本人も、「ここからは自分の評価を上げるしかない。」と話す。だが、自分の事だけを考えているわけではない、樺山は、「そして、降格が決まってしまった中でも、試合に来てくれているサポーターがいる。そういう方々に面白いゲーム、面白いプレーをもっと増やしていきたい。」と、自分の魅力を最大限に発揮しながら、チームメイトとともに、サポーターの思いに応えようとしている。

チームを預かる武藤覚監督は、応援してくれるみんなに戦う姿、そして、勝利を届けたい、その一心だ。

武藤監督は、「やはり応援してくれてる方、支えてくれている方に応えるような、必死に、がむしゃらに、ひたむきにやってる姿っていうのはお見せたい。勝つためには、そういうものを見せないといけない。」と話す。

そして、それは、預かる選手たちの事を思っての事でもある。

「選手もこれでサッカー人生が終わりではない。もちろんチームの今後のことも考えても、これからの5試合でどうやって過ごすかというのはすごく大事なことだと思う。ひと試合ずつというのはいつも通りだけど、勝つために戦うとこは変わらずやりたいと思っている。」と力を込める。

ザスパに来て、支えてきた大槻毅監督が退任し、このチームを何とか浮上させたい、選手たちの良さをもっと、もっと引き出してあげたい。その思いで監督を引き受けたが、思うような結果にはならなかった。だからこそ、残りの試合では、サポーターのために、選手たちのために、勝利に導きたいと思っている。

武藤監督は、「やっぱり、私も悔しいし、何より選手もそうだ。チームに関わっている人を応援してくれるという皆さんの思いは絶対にあったし、いろいろな所で感じる部分があった。難しい状況でも応援をしてくれてたり、拍手をしてくれる人がたくさんいる、お金を 払って来てくれる人がいるし、小さい子供たちも見てくれている。そんな中ではやっぱ僕らはそれに応えなきゃいけないなと改めて思ったし、余計に、次のゲームへの思いは増している。選手たちも、気持ちの部分など、難しい状況だけれど、きょうも一生懸命トレーニングをやってくれて助かっている。だからこそ、次の試合までに、まだまだできることはある。しっかり準備したい。」と思いを語ってくれた。

選手も、監督も、そして、サポーターも、それぞれに複雑な思いだし、傷んだ心のまま、戦うピッチへ向かうことは容易ではないが、やり続けるしかないし、気持ちをひとつに立ち向かい続けるしかない。

これからの5試合、すべて勝っても、いくらゴールを決めても、もうJ2に残留することはできない。ただ、この悔しさを晴らせる場所は、これからの5試合でしかないし、それぞれに、明日に向かって力強く歩みだすには、これからの5試合に、ひとつでも多くのゴールを決め、勝つことだけだ。

 

 

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