リーグは残り6試合となり、今節にも、J3降格となる、年間順位での18位以内が決定してしまう状況だ。
リーグの手続き的な事を言えば、シーズン終了後に行われるJリーグの理事会をもって、昇格・降格は決定するが、ザスパの年間順位18位以内が確定した場合、現状、J3降格を回避できる可能性はゼロに近い。遠回しな言い方は、虚しさが増すだけなので、今回は、そうした手続き的な事は省略して、直接的な表現でお伝えしたいと思う。
J3降格回避のためには、対象となるのが17位大分だ。
その大分は、土曜にホームで藤枝と対戦、ザスパは、日曜にホームで熊本と対戦する。
ザスパの結果いかんにかかわらず、大分が藤枝に勝てば、その時点で、ザスパのJ3降格が決定する。また、大分が引き分けた場合、ザスパは、熊本戦で勝利すれば、今節のJ3降格を免れるが、大分が敗れた場合でも、ザスパは熊本戦で、引き分け以上の結果が必要になる。
J2残留は、まさに風前の灯火だが、自分たちにできることは、日曜の熊本戦に勝利する事だけ。その事は、何ひとつ変わらない。
武藤覚監督は、「大分の結果にもよるので、試合前にいろいろあるかもしれないが、しっかり準備して、勝つしかない。ホームだからこそ、勝ってサポーターのために応えたい。」と、ホームでの勝利、そして、困難な中でも、チームにエールを送り続けてくれるサポーターに勝利を届けたいという強い思いは変わらない。
だが、前節、長崎戦を見ても、今シーズンのザスパの課題となっている部分が、改善できず、敗戦に繋がってしまった。チームのサポーターに対する想いは、言葉から伝わるが、なかなかプレーからは伝わってこないと言わざるを得ない状況が続いている。
前節を振り返り、武藤監督は、「前半は、主導権が、行ったり、来たりする中で、相手の強さを消し、準備した事もできたが、、、勝たないと一緒。やれた事は継続して、良くしようとは言っている。」
「CKは、人もそうだが、相手の精度、高さ、強さに警戒してきたが、何回か続くとやられてしまう。前半は対応できていたが、後半、相手がこちらを上回り、狙われ、失点してしまった。CKの回数を与えてはいけない、減らさなければいけないし、こちらも、選手だけでなく、スタッフ含めて修正しきれていない。チームとしてやらなければいけない。」と悔しさを口にする。
「あとちょっと」、「もう少し」と言い続けてきたが、結局、ここまで、内容、結果ともに向上どころか、改善することができないまま来てしまった。本当に、熊本戦で勝利を届けてくれるのだろうか。サポーターにとっては、疑心暗鬼が生じても致し方ない。
武藤監督は、「選手の良さをなかなか出せてあげられず申し訳ない。選手たちは、良さを出してくれているが結果につなげられていない。」と指揮官としての責任を感じている。
対戦相手の熊本は、ここにきて3連勝、直近5試合でも4勝1敗と好調だ。特に攻撃陣が好調で、5試合で14得点。失点もするが、それを上回る勢いて、相手ゴールに襲い掛かる、熊本らしさが存分に出ている状況だ。
熊本戦のポイントについて武藤監督は、「熊本は勢いが付いてきている。ゲームの入りは大事、前節の対戦相手、甲府も悪くなかったがひとつのミスで一気に行った。勢いに乗せず、こちらが勢いに乗っていきたい。」と話す。
立ち上がりから相手を上回れるか。今シーズンのザスパの課題でもある部分をしっかりと乗り越え、良いゲームの入り方をしなければ、ホームで無残な姿を晒し、J3降格が決まってしまうという最悪のパターンもあり得る。とにかく、ゲームに入りであり、先制点だ。主導権を握らなければ、勝利は厳しいだろう。ここまで、チームが、言葉にしているサポーターへの思いを、そういったプレーで見せて欲しい。
以前も話したが、状況的には、残り6試合のどこかで厳しい結果を受け止めなければいけない状況だ。もしかしたら、土曜の大分の結果で示されるかもしれない。それでも、可能性がある限り、その光を信じて、愚直に戦い続けたい。そして、それとは別に、残り6試合の中で、困難な時間を支え続けてくれたサポーターに、成長した姿を、ゴールと勝利という結果を届けてもらいたい。
熊本戦は、ザスパに関わる皆が、また一丸となってここからの困難を乗り越えようと思える、未来につながる内容と、何よりも結果を示さなければいけない試合だ。
様々な感情が溢れる土日になるかもしれない。だが、できることは目の前の事であり、これから先も続く、ザスパの時間をどういうものにしていけるかという事だけだ。
戦おう、ともに。選手も、チームも、クラブも、そして、サポーターも。皆で、勝利を掴もう。