SASAnote およそ1年ぶりのホーム戦勝利を掴むために-ザスパ群馬 公開練習フォトレポ

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猛威を振るう台風10号の影響もあり、この日の練習は強い雨の中でのトレーニングとなった。リーグ再開後、4連敗。前節は、北関東ダービーの水戸戦で、結果、内容ともに厳しい現実を突きつけられた。勝利から遠ざかっている今のザスパには、打ち付ける雨が、より心身へのダメージを大きくするようにも感じる。ただ、選手、チームはそんな状況を打破しようと、これまで以上に緊張感を持って秋田戦に向けたトレーニングを行っていた。

天候が悪く、長い時間ではなかったが、その分、ひとつひとつのメニューをより集中して、いつにも増して意欲的に取り組んでいる姿が印象的だ。

武藤覚監督も、それぞれのトレーニングメニューに対し、ねらいや動きの指示を細かく出すのはいつも通りだが、トレーニング中は、いつも以上に、細かく、何度も、休むことなく選手たちに声をかけ続けていた。出せる限りの大きな声で、声が枯れてしまうのではないかと心配してしまうほど声を張り上げている。選手たちのひとつひとつのプレー、動きを厳しく要求し、見逃すことなく、秋田戦に向け、必要な事を徹底的に落とし込んでいるのが印象的だった。

選手たちも、それに呼応するかのように、ピッチ上で、いつも以上に、タフに、激しくぶつかり合い、要求し合いながらトレーニングを重ねている。前節ゴールを決めた、川上エドオジョン智慧も、動き出しを繰り返し、逆サイドの選手に、繰り返し、ボールを要求する。欲しいタイミング、適切なタイミングで配給されないと、悔しさを隠すことなく、感情を出していた。

6シーズンぶり、2度目の古巣復帰となった小柳達司は、チームの印象について、「上手い選手は多いし、技術は高いレベルにあるが、結果を出すには気持ちの部分や走り負けないというサッカーの土台の部分が足りないと感じる。何より、ピッチに気持ちを持って来る部分が足りない。練習にどれだけ準備をしているか、試合にどれだけフォーカスしているか。残り試合は限られているが、まだまだ良くなると思うので、そういう部分を伝えていきたい。」と話す。

小柳が指摘するように、ここまでのザスパは個人の良さを出す以前の部分で苦しんでいる様に感じる。単純に結果が出ていない事もそうだし、チームとして上手く戦えていないこともあるだろう。

また、かつての渡辺広大、畑尾大翔の様な、経験があり、言える存在が少なくなっているのも流れを変えられなかった要因なのかとも感じる。次節・秋田戦は契約の関係で出場はできないが、ザスパ愛も強い小柳にそうした役割を試合だけでなく、日々の練習から期待し、選手たちの良さを出すところまで引き上げたい。

ただ、ザスパに与えられた時間は限りなく少ない。選手たちもよくわかっている。

瀬畠義成は、「今の雰囲気を払しょくするには大きなきっかけが欲しいとみんな思っている。結果が全てで、90分間通して相手より一つでも多くゴールネット揺らすことが大事。」と話す。

また、この所、スタメン出場が続く、高橋勇利也は、「水戸戦の得点の後は、戦術やボールの動かし方ではなく、前に矢印を向けることで迫力が出せた。それをスタートから出したい。勝ち方はどうでもいい。最初からパワープレーでもいいと思うくらいだ。守備は全員で走って、守り切りたいし、攻撃はどんな手を使ってでも勝つぐらいの気持ちだ。」と言葉に力を込める。

困難で、難しく、耐えがたい状況が続いている。そこを乗り越えるために、サポーターも含め、意見は様々だが、答えはあくまでもシンプルで、一致している。ゴールを奪い、そして、勝利を掴むという事だ。当たり前すぎるがそれ以外、何ものでもない。そのためにいい準備をして、試合で皆がひとつになって、良い戦いをして、勝つのみだ。

前節、試合後、ゴール裏のサポーターに思いを伝えた櫛引政敏は、「応援してくれる人に対して、結果で返したい、結果で応えたい。」と秋田戦に向け、より一層、結果にこだわる思いだ。

ホーム戦では、去年9月17日、第35節いわき戦(○1-0)以来、勝利がない。およそ1年ぶりのホーム戦勝利を掴まなければ、その先を語ることはできない。ゴールと勝利。そのために、ひとつになって、今度こそ、この壁を打ち破ろう。

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