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SASAnote 沖縄キャンプで更なる一体感、そして、積み上げを-ザスパ群馬

4日から始まったザスパ群馬の沖縄キャンプは、初日の移動日を含め4日目を迎えている。2日目から本格的に始まった練習だが、ここまでは雨や風に見舞われる時間も多いという。それでも、群馬に比べれば、気温は温かく、寒さ、風の強さも気にならない。始動から取り組んできたことをさらに深めるには申し分ない環境だ。

写真提供:ザスパ群馬
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予算が限られるザスパのキャンプは、他クラブに比べ期間が短い。1週間の過ごし方は、基本的に、2日間の2部練習を行い、翌日にJリーグクラブとのトレーニングマッチを行うルーティーンで2サイクルという内容だ。

1サイクル目が終わり、キャンプ4日目の練習後、オンライン取材に答えた大槻毅監督は、ここまでの様子について、「計画している部分については進められていると思う。試合をするごとにいろんなことが見え、伸びしろみたいなものが見えてきている。周りとの距離感や距離感を取るためのプレー原則の理解が深まっている。そうすることで、応用にも近づいていくことができる。」と感じている。

そして、髙澤優也は「順調ではあるが、まだまだもっと上げていけると思う。自分は、新加入なのでチームの特徴、戦術理解を深めたい。そして、チームがもう一段階まとまって、やるべきサッカーを表現できるようにしたいと思う。まだ完全にはできていないが、練習試合を何試合かやる中で、実戦形式を通じて繋がっていきたい。」と個人、チームとして更なる向上を目指している。

また、城和隼颯は「沖縄は、気温も高くて暖かい。筋肉系のケガのリスクは減るし、風も強くないのでハイボールの処理など、群馬で出来なかったことに取り組んでいる。また、ロングフィードにも取り組み、積み上げもできている。チームとしても2部練習で、練習時間の確保もできているし、ミーティングもたくさんできる、頭も、体も、意思疎通ができていると思う。」と、個人としても、チームとしても意欲的に取り組んでいることを教えてくれた。

写真提供:ザスパ群馬

この日は、J3大宮とキャンプに入って初めてのトレーニングマッチを行った。チームとしても、初めてJクラブと行うトレーニングマッチだ。メンバー、得点者は非公表で、3本行い、トータルで結果は1-2だった。

大槻監督は、「選手はトライしてくれたことがたくさんあった。フィールドプレーヤーはケガ人を除いて全員出場することができた。練習試合を重ねることで、試合出場時間もちょっとずつ増えている。戦術の浸透、コンディションを上げるという部分でも、きょうのゲームは重要だったと思う。」と振り返った。

応援する側からすれば、結果、内容もさることながら、誰が開幕のピッチに立つのか。そこへの関心も高まってくる。キャンプに行く前の選手たちからも、開幕スタメン争い、レギュラー争いへの意欲も聞こえている。

組み合わせを見る部分、そして、率直にレギュラー争いへの絞り込み。その辺りはどうなのかという疑問に、大槻監督は、「両方の目を持っているかもしれない。勝利を目指さなければいけないので、パフォーマンスが高い所を望めるような組み合わせを徐々に見つけて行ければいい。一方で、練習試合の残り試合も決まっているので、そこでチェックをして、トレーニングをする。PDCA(*Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのプロセスを繰り返し、質を高めようという作業)を回すようなサイクルをしていきたい。」と話す。選手たちの組み合わせを見つつ、シーズンに向けた競争もしっかり行われている。

選手はどうか。髙澤は、「初めてJのチームと試合して、上手くいく、上手くいかないが明確になってきたので、日々の練習で改善したい。ひとりひとりが、すごく向上心を持ってやっていると思う。」と、一喜一憂することなく、仲間とともにさらに積み上げ、向上するきっかけにするだけだ。

城和は、「トレーニングマッチといえども、結果にこだわってやった。勝ち癖を付けるという部分では、至らなかった。」と悔しさを口にする。彼が述べるように、「良いサッカー」だけではゴール、勝利はつかめないし、これまでの自分たちを超えることはできない。それは選手たちも、我々サポーターも良く知っているはずだ。次回、トレーニングマッチも、結果にこだわり、勝利を掴んでもらおう。

その上で、いろいろな事も見えてきたようだ。特に、攻撃の部分では、去年に比べてバリエーションが増えているという。

「得点が入れば自信にもつながるがそこが足りない。ただ、昨年に比べ、攻撃のバリエーションは増えている。選手理解が進めば、パスの配給や質が上がることによって得点が増えてくると思う。チームとしても新しい事にもトライしているし、新しい選手が入ってきたことでバリエーションも増えている。もちろん、新加入選手ともまだ1ヶ月しかやっていないので、100%の形はできないが、シーズンを通して、右肩上がりでやっていくつもりだし、もっともっとできる。やっていかないといけない。」と話す。

昨シーズン、ザスパとしては得点力が向上したシーズンだったが、やはりプレーオフ、そして、その先に行くためには、もっともっとゴールが必要だ。そのために、今シーズンは、得点に関わる選手が多く加わった。チームとしての点の取り方もあるが、最後の部分や局面で、個々の良さも活かしてもらいたい。すべてが上手くいくかどうかはこれからだが、新シーズンへ向け、楽しみだ。

写真提供:ザスパ群馬

キャンプが終われば、シーズン開幕まで残された時間は2週間しかない。どこか実感がなかったシーズンの開幕は、確実に近づいている。限られた沖縄での時間、そして、開幕までの間を充実のものにしていかなければいけない。

大槻監督は、「試合をすると、いろいろなものに気付きを与えてくれる。そして、もっとやらなきゃいけないというのが出てくるし、ブレずにやらなければいけないという再確認にもなる。」と気を引き締める。

また、髙澤は「残りのキャンプでの練習試合もそうだが、全員が、やりたいサッカー、群馬のサッカーを理解して、頭にたたき込んで、誰が出ても同じサッカーを、共通意識を持ってやっていけるチームにしたい。」と、ザスパ群馬として一体感を持っていけるかどうかをテーマに掲げる。

城和は、「沖縄でどれだけ積み上げられるかが、今年1年につながる。キャンプの期間の短さは関係ない。ここで完成度を上げられる努力をしていきたい。」と言い訳を一切許さず、向上する事だけにフォーカスする。そして、「休養は十分、試合をしたいウズウズ感が強い。」と新シーズンに臨む準備もしっかりできている。

サポーターとしても、焦る必要はないが、やはり、はやる気持ちはある。いつでも、どんな時でも、開幕前のざわつく胸の内はこの時期ならではのものだ。

ただ、チームは、コミュニケーション、理解を深め、新シーズン開幕へ向け、しっかりと準備を進めているようだ。キャンプ後半も、良い時間を過ごし、我々の気持ちを、より大きな期待へと高めてもらおう。

写真提供:ザスパ群馬

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