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SASAmemo 大槻ザスパの目指す形へ-沖縄キャンプリモート取材レポート

1月30日から沖縄キャンプをスタートさせたザスパクサツ群馬は、3日目を終えたところで、リモート形式の取材を行った。

写真提供:ザスパクサツ群馬

今シーズン、キャプテンを務める細貝萌は、沖縄キャンプのねらいについて、「練習試合が入ってくるので、より実践に近い所でサッカーができる。いままで大槻監督が指導してくれたことをどれだけ実践で使っていけるかがテーマになる。実際にゲームになると、そこで出る課題もあるが、チームがレベルアップするためにやれればいいと思う。」と話した。

1週間という限られた時間ではあるが、チーム始動から3週間、大槻毅監督が落とし込んできたものが、練習試合でどこまで出せるのか。このキャンプでは、その確認、そして、開幕や、その先のシーズンに向け、さらに成長するために充実した時間を過ごさなければならない。

副キャプテンの渡辺広大によれば、宿舎は沖縄のオーシャンビューが臨める素敵なホテルだという。新型コロナウイルス感染症対策のため、部屋はひとり部屋。練習場はそこからバスで20分ほどの場所にある。そうした中で、「環境もよく、濃い練習ができている。」と、渡辺はキャンプ序盤の様子をそう語っている。

写真提供:ザスパクサツ群馬

取材日は、キャンプに来て初めての練習試合が行われたという。

渡辺は、チームの様子について、「去年のキャンプの試合よりもみんな動けている。」と話すなど状態は良さそうだ。その上で、チーム作りについては、「去年のベースもありながら、大槻さんには、『俺の色に染まってくれ!』とも言われている。だいぶ変わったところもあるので、そういったところのすり合わせも必要なのでこの期間で合わせたい。」と話す。

細貝も、「練習試合は、すごくポジティブな面も多かった。もちろん、ひとつひとつクリアにしないといけないところもある。良いものに関しては、よりいい形を作れるよう、選手間はもちろん、チームとしていい方向に向かえたらと思う。」と話し、チームスタイルについても、「いい所は継続するが、より自分たちの色が出せる配置にしてもらっているという感じ。」と語るなど、大槻ザスパの目指す形に向け着実に進んでいることをうかがわせる。

写真提供:ザスパクサツ群馬

就任前から、大槻監督の分析力の高さ、そして、選手、チームへの落とし込みの上手さには定評があり、期待が大きかったが、風間宏希が、「大槻さんは、ミーティングとか、しゃべり方が上手で、聞き入ってしまう。やりたいこと、練習の狙いがはっきりと伝わりやすく、疑問がなく練習に集中できる。」と話すように、ザスパでも、その指導は選手たちに好評だ。大槻ザスパの理解は着実に進んでいる。

しかし、だからと言って、それが則、実践で結果につながるのかと言えば、それは別の話だという。

風間は、「やりたいことは理解しているがそれをやるのが一番難しい。それをすり合わせるところをやっていかないといけない。」と話す。頭で理解していても、相手がいて、様々な状況があって、プレッシャーがかかる場面で、思い通りにやるのは簡単ではない。風間は、それを実践するために、「個人の判断、技術の部分は重要だと思う。」と話す。皆が思い描き始めた大槻ザスパの形を、ピッチの上で共有し、試合の中で実践する、そして、ゴールと勝利を掴むための作業をここから深め続けていくことになる。

写真提供:ザスパクサツ群馬

チームとしての形を作るとともに、それぞれの役割においてもその重責を果たすために動き出している。それが、キャプテン・細貝萌だ。

自身のキャリアでも、キャプテンは初めてという細貝だが、「大槻さんが、『キャプテンは、お前で行きたい』と言ってくれた。キャプテンであろうと、なかろうと僕自身がやることは変わらないつもりだが、そう言ってもらい、『もちろんやらせてもらう』と言った。そして、キャプテンをやるとなって責任感は強くなったし、よりチームがいい方向に行く手助けをしたい。」と頼もしい口調で、このチームの先頭に立ち、チームを引っ張る覚悟を教えてくれた。

周りも、細貝のキャプテン就任がチームに好影響を与えると考えている。副キャプテンを任された渡辺は、「(細貝)萌がしゃべることで皆が引き付けられる。みんなが彼の経験を聞きたいし、知りたい選手もかなりいる。まとめ役としては最適だと思う。」と歓迎する。

シーズンの戦いは、良い時だけでなく、必ずうまくいかない時もやってくる。そうした時に、皆がよりどころとなれる、カリスマ性を持ち合わせたキャプテンの存在は絶大だ。

細貝自身は、「選手間のコミュニケーションももちろんだし、チームの規則も今後大事になる。シーズンを戦う中には、思うようにいかない時もあるが、どれだけ自分が平常心でいられるかも大事になる。何かあれば僕に話して欲しいと伝えているし、選手とスタッフのコミュニケーションの所で、若い選手の間に入り、よりチームがいい方向に行くための役割を果たしたい。」と、ピッチ内外で、チームの支えになるべく、キャプテンとしての今シーズンをスタートさせている。

写真提供:ザスパクサツ群馬

チームとして、個人それぞれとして、様々な思いを持ってスタートを切り、キャンプ序盤を過ごしているザスパクサツ群馬。様々な思いが入り混じるのはこの時期の常だが、ただ、いい方向に進んでいるのは間違いなく、期待をもって開幕を待っていていいのではないかと感じている。

沖縄キャンプは、ここからJクラブとのトレーニングマッチも増えてくる。より良い時間を過ごしてもらい、より大きな楽しみ、期待を抱かせるチームとなって群馬に戻って来てくれることを期待しよう。

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