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SASAmemo ありがとう、長倉幹樹!J1新潟へ完全移籍が発表-そして、ザスパの次なる一手は!?

サッカーJ2のザスパクサツ群馬は、26日、FWの長倉幹樹選手がJ1のアルビレックス新潟に完全移籍したと発表した。

長倉選手は、昨シーズン途中に、関東1部リーグの東京ユナイテッドFCから加入し、ザスパのJ2残留に貢献、2年目の今シーズンは、リーグ20試合に出場し、5得点を挙げる活躍で、躍進を続けるチームの中心として活躍していた。

長倉選手はクラブを通じ、「昨年、プロではない自分をシーズン途中の夏に加入させてもらい育ててくれてありがとうございました。ザスパクサツ群馬でプロサッカー選手をスタートすることができて本当によかったです。1年間ありがとうございました!」などとコメントしている。

長倉幹樹 選手 アルビレックス新潟へ完全移籍のお知らせ(クラブ公式)

長倉選手は、加入直後から活躍し、周囲の評価もうなぎ上りだったが、今シーズンに入り、オールラウンドの活躍に磨きがかかると、多くの関係者が口をそろえて、「J1でやれる選手」と評価するなど、早晩、J1クラブをはじめとしたステップアップは確実とみられていた。

ザスパとしても、今シーズン終了までは残って欲しいと「慰留」したものの、「条件、タイミング、本人の意思が揃ったのでこのタイミングでの移籍となった。」(松本大樹強化本部長)と引き留めは難しかったようだ。

浦和ユース時代の恩師でもある大槻毅監督は、「個人の事で言えば『おめでとう、頑張れ!』それだけ。彼にとっては(J1移籍は)ゴールではない、スタートに立っただけ。もっとやらなきゃいけないし、いろんな成功をして欲しい。そして、次の所で出会う人たちとハッピーになって欲しい。」とエールを送った。

また、教え子である長倉選手との1年間について尋ねると、「彼が大卒でプロにならなかったことが驚き。彼の持っているものには、間違いないものがあったし、精神についても、バランスが悪いものはない。プロになれなかったことが不思議。それがザスパで叶えられた。そして、この1年間で、プレーが整理できたり、体が強くなったり、間違いなくレベルアップした。もう少しレベルの高い所でやっても、いろんなものが表現できるし、魅せられると思う。J1でもやれると予測している、どこまでやれるか見てみたい。」と、大いなる成長とこれからの活躍への期待を口にした。

松本強化本部長も、「とてもクォリティの高い選手だったし、試合やトレーニングを見て、自分の経験では、家長昭博、泉澤仁、大前元紀、マテウスと同じくらいに感じた。彼にとっては1年でJ1に上がることができて良かったと思う。」と図抜けた能力でチームに貢献してくれたことに高い評価を送った。

1年間はあっという間だったかもしれないが、長倉選手のゴール、プレーのすべてが、私たち、サポーターを魅了するものだったことは言わずもがなであり、すべてにおいてはっきりと記憶されるような濃密な時間だったのではないだろうか。ザスパのため、サポーターのために全力を尽くしてくれた長倉幹樹選手に最大限の感謝の気持ちを伝えるとともに、彼の新たなチャレンジ、そして、これからのサッカー人生をかわらずに応援していきたい。

一方で、今後のチームを考えるならば大きな戦力を失ったことにも目を向けなければならない。

この点について、松本強化本部長は、「誰かが『いない』からではなく、これまでのコンセプトを崩すことなく、ブレずにやっていきたい」と話し、大槻監督は、「きょうも、みんな気合が入っていた。誰かが出てくるという期待というより、普通にやってくれる選手たちだと思ってる。『次は誰がやってくれるのかなぁ』位に考えている。みんな、いい練習している、すごく集中している。」とこれまでの形を継続する中で、現有の選手たちが力を発揮し、変わらずにザスパのサッカーを表現してくれると信じている。

現実問題、長倉選手と同じレベルの選手を獲得することは難しい。ただ、チームの底上げを図る時期であるし、今回の長倉選手の移籍、そして、先日の岩上祐三選手、田部井悠選手の期限付き移籍で、3人減となっているのも事実だ。そこに、けが人やコンディションの関係、累積出場停止など、単純なマンパワー不足に陥る危険性も否めない。

その点について、松本強化本部長は、「今シーズンは、32人体制でスタートしたが、これはケガ人なども考慮しており、通常より多めの人数でスタートしている。」と、人数不足の問題はないという認識だ。

ただ、一方で、「補強についてはウィンドウもある。しっかり考えながらやっていきたい。」と話し、大槻監督も、「補強については、シーズン初めから動いているし、情報は、常に取っているけど、市場の状況と、クラブの財政状況がある。空きは出たが、相手もある。どうなるか見てみましょう。」とコメントしている。補強について、全否定ではなく、条件が整うという、至極、当たり前の前提はあるが、何かしらのアクションはあるかもしれないようだ。

また、クラブとして、長期的なスタンスで見た場合、ただ有望株を上位クラブに送り出すだけの状況からは脱却したいものだ。

この点について、松本強化本部長は、「クラブとして上に行くためには、いずれは『このクラブに残りたい、このクラブでやりたい。』と思ってもらえるクラブにしないといけない。」と思いを口にした。チーム強化という面でもそうだが、気が付けば、長い在籍年数で、クラブを支えるような、いわゆる「ミスター・ザスパ」の様な存在も、この所、いないというのも寂しいが、現実である。

そして、大槻監督は、「ザスパだから(成長)できるという所に価値が移っていけばすごくいいと思う。若い選手だけじゃなくて、年齢を重ねている選手たちも上手くなっている。ザスパってそういうクラブですよという捉え方になったら嬉しいですね。」と、単純な育成クラブではなく、誰もがザスパに来れば、よりサッカーが上手くなる、成長し続けられる、そういう所にクラブ価値を見出し、高めることがいいのではないかと考えてくれている。

言うは易し、行うは難しかもしれないが、そうした思いをもって少しずつでも歩み続ける事で、ザスパとしてのクラブ価値も高められるとともに、さらに上を目指し、上のステージで戦えるクラブになっていけるのではないだろうか。全国に数多くあるJリーグクラブの中で、「ザスパだから」、「ザスパじゃなきゃ」という特別なものを追求して、さらにクラブ価値を高めていきたい。

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