サッカーW杯・カタール大会の兼ね合いもあり、例年よりも1カ月以上早くシーズンが終了したザスパクサツ群馬。来季の動向が気になる所だが、一方で、期限付き移籍として一時的にザスパを離れ、自らの価値を高めるべく頑張っている彼らに注目したい。
今シーズンは、ザスパから5名の選手が期限付き移籍で他クラブでプレーをしている。
・光永祐也(VONDS市原FC/関東サッカーリーグ1部)
・進昂平(愛媛FC/J3)
・阿部隼人(FCティアモ枚方/JFL)
・中田湧大(FCティアモ枚方/JFL)
・一木立一(沖縄SV/九州サッカーリーグ)
ひとりずつ見ていこう。
光永祐也(VONDS市原FC/関東サッカーリーグ1部)
今シーズンは、開幕スタメンを勝ち取り、そこから4試合スタメン出場を果たしたが、以降、出場機会を失い、7月に関東サッカーリーグ1部のVONDS市原FCに期限付き移籍した。チームは、18、19年の2シーズン、ザスパでも監督を務めた布啓一郎氏が監督を務めており、光永は19年に布監督とともに、J2復帰を果たした間柄でもある。また、チームには、元ザスパの金城ジャスティン俊樹も在籍しており、そうした関係性も期限付き移籍につながったと考える。
VONDS市原FCに行ってからはすぐにレギュラーとして出場し、リーグ戦10試合、全国社会人サッカー大会2試合、リーグカップ戦2試合に出場した。
残念ながらチームは目標としていたJFL昇格を果たせなかったが、光永にとっても、布監督やジャスティンといった気心知れた仲間とともにサッカーをし、次につながる時間になったのではないだろうか。
進昂平(愛媛FC/J3)
ザスパで2シーズンすごした進は、3シーズン目の今シーズン、J3愛媛へ期限付き移籍した。J3でのプレーはYS横浜時代の19年以来となる。個人的には、大槻毅監督が就任したことで、浦和ユース出身の進の特徴、良さをさらに引き出してくれるものと思っていたので、当初、この期限付き移籍には驚いていた。
愛媛では、7節・福島戦で途中出場し今季初出場すると、8節・沼津戦で初スタメン、翌9節・鳥取戦で移籍初ゴールを挙げた。8節から8試合連続スタメンを果たすなど、レギュラーを勝ち取ったかに見えたが、7月以降は、出場機会がガクッと減り、苦しい時間を過ごしている。
それでも、8/27 22節・岐阜戦では、久々のスタメンで、進らしい、切れ味の鋭いシュートで今季2得点目となる先制ゴールを挙げている。
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🆚 #FC岐阜先制点となった #進昂平 選手の美技を…Playback🎥✨@shinsannnnn #ehimefc #愛媛FC #Jリーグ pic.twitter.com/kUz7SYrpdF
— 愛媛FC (公式) (@ehime_fc) August 27, 2022
しかし、ゴールを挙げても、なかなか評価が上がらず、その後は途中出場2試合のみと苦しんでいる。ここまで、14試合(スタメン9試合)2得点だ。愛媛は、次節、11/20福島戦が今季の最終節になる。愛媛は、リーグ8位で、J2復帰の可能性がなくなっているが、今季最終戦での出場、そして、ゴールを挙げてくれることを期待したい。
阿部隼人(FCティアモ枚方/JFL)
中田湧大(FCティアモ枚方/JFL)
JFLのFCティアモ枚方に移籍した阿部と中田。ザスパ在籍中は、なかなか出場機会がつかめなかった二人だが、阿部はリーグ戦22試合に出場、中田はリーグ戦6試合に出場している。特に阿部は、シーズン序盤にチャンスを掴むと、以降、レギュラーとして出場するなど、試合経験を積むシーズンとなった。一方、中田は、地元大阪でのプレー、そして、チームは、中田の出身高校である香里ヌヴェール学院と提携関係にあり、やりやすい環境といえる。
チームは、大阪府の枚方・寝屋川・交野を中心とした北河内地域からJリーグ参入を目指していて、ガンバ大阪で活躍した二川孝広や、ヴィッセル神戸で活躍した田中英雄(今季限りでの現役引退を表明)を擁しシーズンを戦ってきた。若い彼らにとっても、出場経験だけでなく、経験豊かな選手たちからの学びもあったシーズンだったに違いない。
一木立一(沖縄SV/九州サッカーリーグ)
昨シーズンに続き、今季も期限付き移籍で武者修行が続く一木。今シーズンは、九州サッカーリーグの沖縄SVへ期限付き移籍した。元日本代表のFW高原直泰氏が代表、監督を務めるチームだ。リーグ戦では、開幕スタメンを勝ち取ったものの、初ゴールは6節まで時間を要した。だが、そこからはチームの得点源としてゴールを重ねた。8/28 19節 Brew KASHIMA戦では、1試合4得点の大活躍。終わってみれば、リーグ戦18試合22得点の大活躍で、九州リーグ得点王に輝いた。
リーグ戦は終了したが、チームは、JFL昇格を目指し、全国地域サッカーチャンピオンズリーグを戦う、大一番の真っただ中だ。一木は、ここでもエースとしての活躍を見せ、予選ラウンドでは3試合3ゴールの活躍で、チームを決勝ラウンドに導いている。
なお、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ・決勝ラウンドは、この後、11/23から27まで、群馬からも近い、埼玉県熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開催される。会場観戦はもちろん、試合のライブ配信も予定されている。ぜひ、一木の成長を見届けるとともに、応援しよう!
全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2022 試合日程(日本サッカー協会 HP)
全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2022 インターネットライブ配信(全国社会人サッカー連盟 HP)
地元・桐生市出身、ザスパの出世背番号である「26」は、沖縄の地で確かな成長を遂げている。今度は、ザスパのユニフォームでチームを勝利に導く活躍を期待しよう!
まだ来シーズンの陣容は明らかになっていないが、5選手が、ザスパのユニフォームを着て、大活躍してくれることを今から願いたい。