SASAnote vol.37 ザスパが輝くために-最大値を出し続け、自らを超えるシーズンの始まり

『「Beyond THESPA」~ザスパを超えろ!!~』

ザスパは、クラブ創立20周年となる今シーズンに、自らを超えることをスローガンとして掲げた。

2002年に草津・湯畑で産声を上げたクラブは、華々しくJへの階段を駆け上がっていったが、そこからは成長曲線を描けず、停滞するシーズンが続いている。クラブ規模は、J2下位どころか、J3上位チームに劣る状況だ。ライバルたちはJ1を経験し、後発クラブにも追い越され、差を付けられた。ザスパだけが、時が進まず、取り残されている様にも感じる。いつまでも足踏みしてはいられない。生き残るために、飛躍するために、言い訳なしに、過去の自分とザスパを超えていかなければならない。

下位4チームが自動降格となる2021年の厳しいJ2残留争いを勝ち抜いたザスパは、新シーズンのチームをJ1浦和元監督の大槻毅氏に託すことになった。

松本大樹強化本部長は、「(チームを残留に導いた)久藤清一監督の続投で話を進めていたが、他のクラブでお世話になるという話になった。」と話した。意中の久藤監督には断られたが、すぐさま後任の人選に着手し、自身が選手時代にJ2大宮でコーチとして世話になっていた大槻毅氏に白羽の矢を立てた。話はトントン拍子に進み、「男気ある大槻さんは、話をして10分後に『引き受けます』と電話をくれました。」と振り返った。

大槻新監督は、監督としてはJ1浦和で3シーズン、フルシーズンは1シーズンのみだが、2019年にはACLアジアチャンピオンズリーグで準優勝まで上り詰めるなど、数々の厳しい戦いを勝ち抜いてきた監督だ。そんな大槻監督が、ザスパを選び、監督に就任してくれた。ザスパを選んだ理由について大槻監督は、「去年、J1からJ3まで、サッカーを見る機会があった。ザスパは、残留争いの中で、しっかりとした守備をしながら、一体感を持ったチームという印象があった。苦しい状態の中でまとまれるのはクラブの力だと感じた。そこにチャレンジして、それにもうひとつ上積みができたり、選手とともに喜びが感じられるんじゃないかというのが大きかった。一体感をさらに強くしてシーズンに向かっていきたい。」と説明した。

クラブの戦いに共感してくれたことは喜ばしいが、それでも浦和とザスパでは、あまりにもクラブ力の差が大きい。そのギャップをどう消化して、指揮を取ってくれるのか気になっていた。大槻監督は、その点について、自身のキャリアを振り返り、「職業としての指導者のはじまりは水戸だった。(2000年から2シーズン、コーチとして活躍)当時は、J2が10チームで、チームも初めてJ2に上がった年で、何もない状態だった。ただ、そこから、いろいろ経験したことが力、経験になっている。それがこのクラブでも生かすことができると思う。」と力を込めた。

大槻監督は、これまで指導者として、監督、コーチだけでなく、分析担当、ユース監督、強化部など、チーム強化に関わる様々な部門に携わってきた。松本強化本部長も、現役時代の印象も含め、「当時は、筑波大卒で、情熱があり、戦術が整理されているという印象だった。今も、打ち合わせをする中で、コンピューターを駆使し、資料作りも特徴的。ザスパでも、(チーム、選手に)落とし込みができれば十分戦えると思っている。」と期待を込めた。また、始動日の練習を見学していて、言葉に力とメッセージ、そして、的確で、わかりやすさがある監督と感じた。ライバルチームとザスパに差がある部分があるかもしれないが、大槻監督が話す、力と経験をチームに浸透させることができれば、十分に面白い戦いができるのではないだろうか。

ザスパは、8人の新加入選手を迎え、24名の選手と契約を更新し、32人体制でスタートを切った。

チーム編成について松本強化本部長は、「大槻監督と選手編成も含めやってきた。」と説明。その上で、「ハードワークできる選手、そして、結果を求めて編成してきた。一枚岩になって今シーズンを乗り越えられたらと思う。」と話した。また、クラブのスタイルとして、「後ろは4枚(4バック)でやって欲しい。」と明言した。無論、状況に応じての変化は容認しながらも、大槻ザスパでも、4バックをベースにチームが作られていくことになる。

一方、大槻監督は選手編成について、「前線は、運べる、スピード、強度が出るところはお願いした。ボックスにおいても、守備のハードワークもそう。そして、中盤から前線の球の配給ができる選手。そういった選手が来てくれたと思っている。」と話した。その上で、目指す戦いについては、「自分たちから守備を始める。いい守備から攻撃へ。そして、攻撃を継続する。ラインを押し上げコンパクトにし、選手が連動するところからスイッチが入るサッカーをしたい。」と明らかにした。初日の練習を見ていてもそうだが、単純にボールを追いかけるという運動量、ハードワークだけでなく、状況を理解し、判断ができ、周りと連動する協調性も求められる頭の中でもハードワークを求められるそんなサッカーになりそうだ。

このサッカーができれば、どのチームとも十分、渡り合える。ただ、成しえるのは簡単ではない。今季は、選手の入れ替えがそこまで多くなかったが、それでも、継続がメリットになると思われた2020年と21年も、現実はそう上手くいかなかった。大槻監督は、「開幕まで時間は決まっている。それは、どのチームも一緒。その中で最大の効果を出す努力をしていきたい。」と前向きに話す。期待しよう。

大槻監督が、新体制発表会で多用したのが、「最大値」という言葉だ。

「チームの最大値を出し続けるようなところを目指して、少しずつ成長する過程を見られることを期待している。そのために最大限の努力をしていきたい。」、「最大値を目指して、選手も今年1年が最大値であり、指導者としても最大値であるというところを目指していきたい」

これまでの自分を、そして、ザスパを超えるためには、試合だけでなく、日々のトレーニングから、「最大値」を出し、きのうまでの自分を超えていかなければならない。その先に、ゴールがあり、勝利があり、まだ超えることのできていない、「勝ち点50、16位以内」というクラブ最高位がある。

そして、最大値を出し続けるのはチームだけでなく、クラブにも言えることであり、我々、サポーターも意識しなければならない。

チーム頼みで乗り切ってきたクラブにも、変化がみられてきた。席上、赤堀洋社長は、今後、クラブハウス建設計画について報告がある旨を口にした。また、前任の森統則社長が掲げた、「2030年J1昇格、26年J2上位争い」の目標は継続、チーム強化と事業規模の拡大を進めていくことを約束した。また、松本経本部長も、「選手の意識改革も含め、一段アップデートしていきたい」と、クラブ最高位はもちろん、さらなる高みを目指す意欲を示した。

全てが順調に行くわけではないし、一足飛びになしえることはないだろうが、大槻監督が話すように、最大値を出し続ける取り組みをしなければ、目指すべき場所に近づき、到達することはできない。我々も、サポーターとしての最大値を出し続け、ザスパとともに戦っていきたい。

ザスパ創立20周年の今シーズン。大槻監督とともに、今までの自分を、ザスパを超えていこう。そして、未来に待つ、大きな喜びを皆でつかみに行こう。

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