ザスパ群馬は、前節ホーム最終戦となる松本戦で、クラブ最多となるひと試合6得点を挙げ大勝、そして、連勝を「5」に伸ばした。ザスパに関わる誰もが喜びいっぱいの中、その喜びをさらに増大させたのが、我らがキャプテン・米原秀亮選手の復帰だ。
後半40分、およそ5カ月ぶりにピッチに立った米原は、すぐにキャプテンシーを発揮し、ゲーム終盤のチームをまとめると、プレーでは、囲い込んだ相手選手からボールを奪い、ゴール前へラストパスを配給、チーム6点目となるモハマド ファルザン佐名のゴールをアシストした。復帰戦で、しかも、わずかな時間で、十分すぎるほどの存在感を見せてくれた。
6月中旬にケガで離脱、8月に手術を行い、今シーズン中の復帰は難しいと見る向きもあったが、これも巡り合わせか、古巣・松本戦で復帰し、シーズン中にピッチに戻ってきてくれた。
久々にゲームに戻り、ピッチに立てた事に米原も特別な感情が沸き上がる。
「グラウンドでサッカーができている時点で、僕は幸せを感じた。シーズン中に戻れるかどうかという所で、戻ってこれたのはもっと幸せだし、当たり前じゃないなというのを改めて感じた。」
キャプテンの長期離脱は、チームにとって大きな痛手だった。頼りたくても、頼れない。それは米原も同じことで、助けたい、力になりたい、でも、ピッチの外から見つめるだけしかできないもどかしさがあった。それでも、キャプテンとしてチームを見つめ続け、練習場では、タイミングをみて、仲間に声を掛ける姿も多かった。
「1年を通して、ここにいる選手は沖さん(沖田監督)が求めるサッカーを体現しようとやってくれた。ひとりひとりが、上手くなろうという思いもあったし、練習での取り組みは、みんなよくやっていた。ただ、その中でなかなか結果が出なかった。」
では、米原が感じる、結果を出すために必要だったものはどんなものだったのだろうか?
「もっと練習から、すり合わせの所はやらないといけないと思うし、どういうプレーをするのか、どんなボールが欲しいのか、どういう動きをするのか、もっと会話を増やさないといけなかったし、お互いの声掛けが、練習からないといけなかった。選手それぞれが、上手くなりたいというのと一緒ぐらい、自分の表現をするために、周りに伝えるすることをもっとやらないといけなかった。」
「自分がピッチ立てない時、勝てない時は、ゲームでエラーが起きることが多かった。理想は練習でエラーが起きて、話し合いをして、ゲームではそうならない事が良い進め方だと思う。練習から会話しないといけないし、ゲームでエラーを少なくすることが勝利に近いと思っている。それができていたら、もっと違いシーズンになっていたと思う。」
今年のチームは、上手い選手が多いけど、大人しく、ピッチ内の活気があまりないという印象が強かったが、苦しい時間を乗り越えようとする中で、そうした部分が変化し、活性化していったように感じたし、すぐにはゴール、勝利につながらなかったが、少しずつ、その方向に進み、今の5連勝へと繋がっていったように感じる。
求め続けた沖田監督の超攻撃的サッカーの姿勢とマインド、そして、選手同士の理解の深まり。米原も、そうした継続と深化、そして、成長が、今の連勝に繋がっていると考えている。
「良くなってきたのは、ピッチの中の選手たちのすり合わせが上手くいき始めたからだと思うし、より沖さんが求めるサッカーの理解度が高まったからこその5連勝だと思う。1年通して見ると、みんなが成長したからだと思う。」
ザスパサポータの多くが思うのは、「これがもう少し早くできていれば」、「あと10試合あったら」という事だ。「タラレバ」と言われても、そう思いたくなるくらい今のザスパは魅力的なのだから仕方がない。やれるんだ、できるんだという手応え、自信はつかめた、そして、「J3優勝、J2復帰」という成し遂げなければいけなかった目標を来シーズンこそ果たす。悔しさと強い信念をもって、最終戦・高知戦に、そして、その先へ進んでいきたい。
まずは高知戦。キャプテンも、応援してくれたサポーターのために必勝を誓う。
「6連勝は目指さないといけない。今シーズン、良い結果で終われなかったけど、応援し続けてくれたサポーターへの恩返しの思いがある。」
最終戦の勝利、6連勝で終わりたい思いはサポーターも同じだし、そのピッチにキャプテンが立っていて欲しいとサポーターの誰もが願っているはずだ。
「個人としては、まだあんまりよくないので、チームが勝った所に、僕も、一緒に立っていられればそれだけでいいかな。」
少し自嘲気味に答えるキャプテンだが、試合に向けた強い思いもしっかり持っている。
「90分できる体ではないが、出るチャンスがあるならそこ関係なくやるだけかな。」
無理はして欲しくないけれど、我々は、キャプテン・米原秀亮を欲している。そして、彼もまた、最終戦の勝利へ、6連勝フィニッシュへ、さらに、その先へ向けて。キャプテンとしての責任、勝利への強い気持ちをしっかりと整えて向かってくれようとしている。
ならばこれまで同様、選手、チーム、さらには、我らがキャプテンを熱く支えるのみだ。皆でゴールと勝利を、そして、最高の締めくくりと、始まる新たなシーズンへの力強い一歩を踏み出すために、キャプテン・米原秀亮とともに戦おう。
