群馬グリーンウイングスは、11月8日、9日の2日間、ホームでSAGA久光スプリングスを迎えての2連戦となった。2試合とも敗れはしたが、日本代表クラスの選手や強力な外国人選手を擁する強豪・SAGA久光を相手に好ゲームを見せた。特に9日日曜のゲームは、フルセットデュースにもつれ込む大接戦となり、応援に駆け付けた県民、ファンを前に、今後への期待感を持たせる事ができたゲームだった。
チームの得点源であるオリビア・ロジャンスキは、勝てなかった悔しさとともに、手ごたえを口にする。
「ゲームを重ねるごとにチームは良くなっている。きょうは、大事な局面でミスをしたのが敗因、チャンスを活かす事もできなかった。こういう試合になると冷静にプレーをしてミスの少ないチームの方に勝機があると思うが、今日は足りなかった。」
「良かったところは、凄く精度の高いプレーができた事。チームとして誇れるし、より良い試合ができた。そして、最後まで戦う所は見せられた。」
また、坂本将康ヘッドコーチも、同様に、選手たちの頑張りを称えた。
「選手はベストを尽くし、全てを出し切った。それに尽きる。集中力も切らさなかったし、ずっと戦えていた。フルセット負けのデュースは、僕も悔しいが、選手はもっと悔しいと思う。指示、戦術含め、もう少し自分に何かやる事ができれば、勝つための最後の2点を取る事ができたかもしれないので、自分自身でもう一度ビデオを見直してやれることをやりたい。」
グリーンウイングスは、リーグ序盤の10試合を終えて、4勝6敗で、リーグ9位だ。開幕35連敗を喫した悔しい昨シーズンを考えれば、開幕戦から勝利を重ね、ホームでの連勝もあるなど、確かな変化を感じるシーズン序盤だ。
キャプテンの髙相みな実も、オフェンスという今シーズンの特徴を出しながら戦えている事に手ごたえを感じている。
「今年のメンバーはオフェンスで力を発揮し、個性を生かし切れているので4勝できていると思う。さらにディフェンスの部分、ブロックとレシーブの関係を極められれば自分たちの良さであるオフェンスを活かしきれると思う、皆で協力して頑張っていきたい。」
「悔しい気持ちは大きいが、良かったところもたくさんある。こうした試合を毎試合、毎試合続けられていて、チームとしての力は上がっていると思うので、相手がどこだというのは関係なく続けて、勝利に向かって頑張りたい。」
今シーズンの目標は、チャンピオンシップ進出となる「8位以内」だ。そして、その「8位」前後のチームは力が拮抗し、競り合っている。目標達成には、ライバルとの戦いに勝つこともそうだが、この日敗れたSAGA久光をはじめとする上位チームにも競り勝っていかなければ厳しくなる。
そのためには、さらなるプレーの精度、完成度がさらに必要だ。
髙相は、セット、ゲームを取るための最後の1点へのこだわり、そして、そこに行くまでの過程でもさらに求めている。
「昨日に比べて、いいゲームができたので前向きに捉えたいが、最後、点を取れなかった部分はチームとしてすごく悔しいなと思った。最後の1点を取っていかないと、目標それ以上には行けない。また、そこまでの過程、たとえば、ポイントを取り切れる場面で取り切れなかったり、イージーボールを返せなかった、というのもあったので、そういう所を全員で見直していきたい。」
坂本ヘッドコーチも、選手たちがより高いものへのこだわりを持ってくれている事を評価しつつも、そこへの完成度がもっともっと必要だと感じている。
「自分たちの勝ち方へのこだわりはより強くなっている。形に対する欲望は強くなっている、完成形が出せなかった悔しさが出ていた。ここからは、完成度を高めるしかない、前段の部分でのばらつきが多い。『なんとなく』というプレーがゼロにならないといけない。『たまたま』ではなく、狙ったプレーの回数を増やしたい。フィニッシュまでの理想の形を作るには全員の意思が統一されないといけない。」
ロジャンスキ、ナシア・ディミトロヴァ、ジャン・ティタン・トゥイーの3人の外国人選手は強力で、オフェンス面でしっかりと力を発揮してくれている。仁井田桃子、山下遥香、工藤真帆の新加入3人も、期待通りの活躍を続けてくれている。そうした選手たちの活躍含め、今シーズンのグリーンウイングスの戦い方のベースは出来ている。だが、ここからさらにパワーアップするには、選手個々の更なるレベルアップ、選手層の厚みが必要になる。
坂本ヘッドコーチも、今、試合に出ている選手たちに追いつき、追い越すような選手が現れることを期待している。
「今、最前線で戦っている選手たちをプッシュできる人、追いつく人がチームにいなければ上位チームに勝つことは難しい。そこを上げていかないといけない。『私が代わって出た時に点数を取らせる!勢いを与える!』というエネルギーが欲しい。そういった部分は、私の中ではまだ足りない、もっと欲しいなと言うのは正直にある。そこに期待したい。」
もちろん、外国人選手たちと同じようなプレーをしてくれと言うのではない。その選手の特徴、良さをチームのために還元する、役割を果たして、チーム力を上げる事に貢献できるかどうかが大事になる。
日曜の試合には、塩崎葵葉が、今シーズン初めてスタメンで出場した。
「すごくうれしい気持ちと、プレッシャーもあったが、やっと力を発揮する場ができた。」
はにかみながら喜びを表す塩崎は、自分のプレーとともに、チームのためにできることは何か、どうすれば貢献できるかという事を感じている。
「アスさん(髙相選手)から『自分らしくやればいい』と声を掛けてもらったり、周りに助けられた。助けてもらった分、外国人選手とコミュニケーションを取るのも自分の役割。助けられるだけじゃなく、コミュニケーションを取ったり、盛り上げたりしたい。」
「外国人選手にスパイクを託すことが多いけど、ミドルブロッカーとして、真ん中から攻めて、相手のマークを引き付け、外国人選手に1枚で打たせるくらいの力を付けないといけない。きょうは、ブロックも全然足りていないと感じていた、練習からやっていきたい。」
皆それぞれに良さがある。その良さをしっかり発揮できるか。選択肢が増えれば、坂本ヘッドコーチはじめ、首脳陣も様々な戦いができ、試合中、局面に合わせたカードを切る事ができる。選手たちには、それぞれが勝負所の選択肢となれるような成長を期待したい。
序盤戦と言いながら、シーズンで見れば1/4が経過する。「惜しい試合」を続けて足踏みをしていては望むものを手にすることはできない。自らの成長、そして、チームとしてバレーボールの質、精度をより高め、会場を緑色に染めてくれる県民、ファンとともに勝利を掴もう。
