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SASAmemo ワクワクさせるバレーでさらに大きな一体感を-群馬銀行グリーンウイングス

ワクワクが止まらない。

開幕4連勝という結果もさることながら、とにかく選手が楽しそうにバレーをしている。選手だけではない、斎藤真由美監督はじめ、スタッフも含め、皆が、プレーのひとつひとつに喜び、悔しがり、励まし、勝利に向かって一体となっている姿に見ているこちらも引き込まれ、のめり込んでいく。いい時ばかりでなく、苦しい時でも、常にみんなが前を向いている。どんなプレーを見せてくれるのか、どう乗り越えてくれるのか、そして、どんなバレーで勝利を届けてくれるのか。今シーズンのグリーンウイングスのバレーボールはワクワクの連続なのだ。

とは言え、傍から見れば、リーグ開幕へ少なからず不安もあったのではないかと推察する。

チームは、国体・関東ブロック大会で大学生チームに初戦敗退、内容面でも課題を残した。リーグ開幕直前には、チーム内で新型コロナウイルス陽性判定者が出て、活動ができない時期もあった。長いリーグだが、V2優勝、V1昇格という明確な目標を持つチームであることを考えればシーズンの入りは重要だ、躓くわけにはいかない。そうしたものが精神的な負担となり、ゲームを難しくしかねない。

ただ、開幕から4試合、そうした不安を微塵も感じさせることはなかった。

田中瑠奈は、「リーグ開幕までに苦しい時があり、正直、ひとりひとり、たくさん不安があったと思う。だから、開幕戦のリガーレ仙台戦に向け、選手、スタッフみんながどうやってやるかミーティングをしたり、コミュニケーションを取り、できるだけ不安要素をなくし、自信につなげるために練習に取り組んでいった。」と振り返る。

また、菊地実結も、「リーグの前、チームにコロナがあって、練習再開してからも、今まで味わったことのない感じがあり、『どうしよう、、、』と落ち込んでいた。」と不安に駆られていたという。ただ、「そんな時、皆で、『コロナはしょうがない、一歩ずつ、一日ずつでいいんだよ』とみんなで励まし合った。それがあって、辛くても、一歩ずつ前進するしかないし、今できるベストを尽くすしかないと再認識できた。」と難しい時間をいかにして乗り越えたかを教えてくれた。そして、そうした仲間との間に生まれた「信頼感がコートに出ている」と開幕4連勝の理由を説明してくれた。

一方、チーム事情とは別に、新天地としてグリーンウイングスを選び、大きな期待を持って迎えられた選手にとっては、また別のプレッシャーものしかかる。

昨シーズン、V2得点王に輝き、グリーンウイングスに移籍してきた白岩蘭奈は、「グリーンウイングスに来て、初めての公式試合がリーグの開幕戦で、正直緊張していた。リーグ前までに、公式戦で力を試せる場所がなかったのは、すっと不安要素であったが、開幕戦に、チームとしていい状態で迎えられた。そして、これまで対戦相手として戦っていたグリーンウイングスとは180度変わって、いい意味で違うチームだなというのがこのチームの一員になって感じるところだった。」と果たすべき役割を果たし、勝利という結果とともにグリーンウイングスデビューを果たせたことに安堵したようだし、チームにも手ごたえを感じられたのも大きい事だ。

チーム、個人ともに様々な思いを持って迎えた新シーズンだが、選手たちの話を聞いていると、そうした様々な「不安」をチーム、スタッフ、皆が受け入れ、分かち合うことでスタートダッシュに成功したのだと感じる。

V1チームから移籍し、V2初チャレンジの道下ひなのも、「全く不安がなくて、楽しみでしかなかった。ここまで、このチームにたくさんの期待をかけてもらってきたけど、それを感じながら数カ月やってきて、その期待に応えるしかないと思っていた。」と前向きな気持ちでリーグ開幕を迎えたことを教えてくれた。そして、試合中も、「チームには年下の選手が多く、緊張や不安があれば声をかけたり、プレーで見せていこうと思っていたので、自分が不安かどうかは忘れていた(笑)」と開幕戦の時の心境を教えてくれた。

もちろん、そうした前向きな気持ちは、チームとしても手ごたえを感じているからこそ生まれている。道下は、「自分でやっていてもすごい良いチームだし、チーム全員がこのチームを良いチームだという自覚を持っている。全員の方向性が一緒で、選手、スタッフ全員がV1に上がりたいと思っている。苦しい展開や、取られたセットもあるが、自分たちの可能性を感じてやれているのが私たちの良い所。」と教えてくれた。

また、大卒ルーキーの藤井寧々も、「リーグの前は不安要素があったと思うけど、チームの雰囲気は、コロナの影響があっても落ちていなかったし、寧ろ、リーグが始まることをみんながワクワク、楽しみにしていた。それがこの4戦すべてに出ていると思う。試合するのが『楽しみ!』という4試合だった。」とチーム内のポジティブな空気を伝えてくれた。藤井はまた、「自分としては、グリーンウイングスのむちゃくちゃ良いチームを皆さんに見てもらいたいというのが大きかったし、サマーリーグの時よりも成長したチームで、このチームが伸びしろにあふれているというのを見てもらいたい楽しみが大きかった。」と振り返る。開幕ダッシュには成功したが、今の力がすべてではない。V2優勝、V1昇格へ、ここからどう成長していくのか、藤井が期待する以上に、応援する我々も期待しかない。

誰かだけでない、選手だけでもない。群馬銀行グリーンウイングスに関わる皆が、ひとつになって、前向きな空気を作り、そして、目の前にプレーに向き合い、勝利に向かって進んでいる。11月26日、27日の土日は、伊勢崎市で今シーズン最初のホームゲームを控えている。

田中は、「県民やファンに皆さんに、私たちの雰囲気、良さをもっともっとアピールしていきたい。声を出して、盛り上げているところを見せつけたいと思う。」と意気込んでいる。

強さだけではない、見ている人を魅了し、引き付け、ワクワクさせるグリーンウイングスのバレーボールで、V2優勝、V1昇格に向けた一体感をより大きなものにしていこう。

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