群馬グリーンウイングスは、25日、26日の2日間、太田市のオープンハウスアリーナ太田で、PFUブルーキャッツ石川かほくと対戦し、2連勝した。今季初の連勝を飾ったグリーンウイングスは、第3節までの6試合を終え、3勝3敗で7位に浮上した。
「あぁ、泣いちゃいそう。」
第2節GAME2のNECレッドロケッツ川崎戦に続き、今季2度目のスタメンで出場し、PFUとのフルセットマッチの激闘で、最後までコートに立ち続けた大卒ルーキー・佐藤莉子の目には涙があふれてくる。
「きょうはスタートメンバーで使ってもらった。チームは、きのう勝って、きょうも勝ち切らなきゃいけない試合だった。プロだと、試合で上手くいかなければメンバーチャンジもある。その中で、きょうは、最後まで使ってもらえた。涙が溢れるのは、勝てて、プレッシャーから解放されて、ちょっと安心してほっとしているからだと思う。」
今季初スタメンのNEC川崎戦では、チームはストレート負け、佐藤も、出場は2セット目までで、3セット目にコートに立つことは無かった。勝利に貢献できず、自分自身も思うようなプレーができなかったが、この日は違った。
今季のグリーンウイングスにおいてコートに立つのは簡単な事ではない。特に、今季は、開幕から外国人選手の3人がしっかりと仕事をしてくれている。チームとしては嬉しい事だが、裏を返せば、日本人選手が試合に出る機会は限られてしまう事にもなる。それだけに試合に出た際には、役割を果たし、チームの勝利に貢献しなければ、さらに出場機会を減らすことになる。
「試合の途中で入っても、スタートからでも、自分のやるべき事はシーズン前から明確になっている。外国人選手がいる分、自分は得点を決めることもそうだが、ブロックフォローだったり、もっと細かい所、丁寧なプレーこそ自分がやるべき所だと思っている。きょうは、攻撃面では良くなかったが、そういう部分でチームに貢献できてよかった。」
この日の佐藤は、アタックでの得点こそ1得点のみだったが、サービスエースを含め、サーブ効果率17.0と活躍、また、献身的なプレーでボールを拾い、繋ぎ続けた。そんな姿を坂本将康ヘッドコーチも、しっかりと見ている。
「勝負が決まる5セット目に、レシーブ上げ、サーブでも貢献してくれた。途中、連続ミスもあったが、それにめげたり、引きずらずに、次のプレーをきちんとできたのが良かった。あとはオフェンスでもう少し貢献して欲しい。うちには強力なアタッカーがいる。ミドルブロッカーで言えば、佐藤に限らず、道下も、塩崎も、1セット1点から2点ぐらい取れるようになって欲しい。そこに期待する。まぁ、でも、勝ってよかった、佐藤もホッとしているんじゃないですか。」
昨シーズンから大きく変わったグリーンウイングスは、開幕から頼もしい戦いを続けてくれている。チャンピオンシップ進出となるレギュラーシーズン8位以内という目標達成にも期待が高まる。だが、長いシーズンは、誰かだけの力に頼るだけで勝てるほど簡単ではない。それぞれが役割を果たすこと、そして、切磋琢磨して成長する事が必要だ。もちろん、佐藤もその事はわかっている。
「まだまだ、長いリーグは続く。自分がスタートで入るという思いで練習するのはもちろんだが、自分がどんな立場、役割でも、しっかりチームが勝つためのワンピースになれるよう、これからもっと努力したい。」
佐藤をはじめ、他の日本人選手たちもシーズン序盤のグリーンウイングスの好調さを支えてくれている。まだ、コートに立っていない選手たちも、その時のためにしっかりと準備をしてくれているはずだ。次の試合は、誰が活躍してくれるか、勝利に貢献してくれるか、楽しみだ。


