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【THESPA】福島戦でつかんだ自信を複数得点と勝利へ、そして、自らのスタイルを証明するために

福島戦で、今季最多となる4得点を挙げ、鬼門となっていたアウェイで初勝利、そして、7試合ぶりの勝利を挙げたザスパ群馬の選手たちは、休む間もなく、次なる試合に向けた準備に入っている。

週末は、天皇杯・群馬県代表の座を懸けた、県会長杯の決勝戦が控え、その後、リーグ戦では、さらなる浮上のために連勝が求められるホームでの高知戦が待っている。

キム・ジェヒは、「チームの勝利がない中、なんとか勝とうという気持ちが全員の中にあったのが良かった。だから勝てたと思う。勝ったこの流れを続けることが出来れば自信になると思う。積み重ねながら、勝利し続けることが出来そうだ。ただ、もう少し細かい部分にも気を使っていかなければいけない。Jリーグで初めての勝利なので嬉しいけど、また次のゲームもあるので。」と気を引き締めている。

この日は、福島戦でスタメン出場した選手たちはコンディション調整、途中出場の選手たちは疲労度に併せトレーニングを行い、ゲームに出なかった選手たちを中心にゲーム形式のトレーニングで、週末のゲームに向けた準備を加速させた。

福島戦を振り返り、キャプテンの米原秀亮は、「ゲーム通して自分たちのやりたいことが出来ていた。これまで、自分たちのペースでやっている中でも負けているゲームも多かった。成功体験が自信につながると思う。自分たちが間違っていないという事を証明しないといけない。リーグ戦だけでなく、天皇杯の予選もある。普段出ていない選手が出るかもしれないが、それでも変わらず普段と同じようなサッカーをしないといけない。」と話す。

キャプテンも、キム・ジェヒ同様、福島戦の勝利に自信を深めるきっかけとしつつも、満足することなく、リーグ戦、天皇杯、そして、相手関係なく、次にやってくる試合に、積み上げてきた「超・攻撃的サッカー」を表現し、勝利を重ねていく事に集中している。

副キャプテンの高橋勇利也は、久々にサポーターへ勝利を届けられた安堵感とともに、これまで結果に繋げられなかった悔しさを口にする。

「やっと勝てて、ホッとしていることもあるし、何でこういうのがもっと早くできなんだというのもある。ここから勝ち試合を続けていきたい。」

これまでも、ザスパがボールを支配し、動かす試合はあったが、なかなか、ゴールと勝利につながらない試合は続いた。そんな、これまでと福島戦の違いは、「チャレンジできたこと」だという。

「ここ最近では久しぶりに自分たちのスタイルの良いサッカーができたと個人的には思う。岐阜戦は、みんなで、チャレンジする所やランニングの回数を増やそうと話したができなかった。100%(の完璧なプレー)を目指すのも大事だが、チャレンジしないと見えてこない景色もある。それでミスをしたら練習して合わせればいいし、上手くいくなら、もっと連携も出る、それが攻撃でも、守備でもできたのが福島戦だし、今までとの違いだ。」

チャレンジし、自身のゴールも生まれ、勝利にもつながった。それが、ザスパ同様、攻撃的なスタイルの福島相手にできたことも大きいという。

「J3で攻撃的なスタイル、ポゼッションをするチームは少なく、群馬と福島ぐらいだと思っている。そういう相手とのゲームを制することが出来たのは、他のゲームよりも自信になる。今まで勝てていなのもあるが、そういう試合をモノにできたことは大きい。自分たちのスタイルは取り戻せたと思う、そこを崩さず、ブレずにやっていきたい。」

高橋にとっても、自信を深めることが出来たゲームになった。リーダーのひとりとして、さらにチームを浮上させる活躍を見せてもらおう。

守備の中核を担う大畑隆也も、勝利への安堵とともに、複数得点を挙げてくれた攻撃陣を称える。

「ホーム、アウェイ関係なく、なかなか勝ててなかった。やっとアウェイで1勝できて、チームとしても久々に勝てて、一番は、ほっとしている。福島戦は、前線の選手が点を取ってくれたのが大きい。前線の選手もいろいろな事に取り組んでいる。それが結果に出たし、勝てて良かったと思う。」

そして、今シーズンのザスパスタイルの肝でもあるビルドアップを担う後ろの選手たちにとっても、先制点が取れた事が大きいし、さらに得点力アップのために、後ろの選手たちのさらなる成長も誓う。

「先制点を取れると相手も前がかりになり、より自分たちのサッカーもやり易くなる。先制点は大きい。積み上げてきたものが形となって、徐々に良くなって、時間が増えたのは良いが、もっとできるし、相手のミスにも助けられている。もっと成長して、前線にいい状況で繋いでいけば、もっと得点も増えてくと思う。」

一方で、超攻撃的スタイルとは言え、守備の選手として、その取られ方含め、失点が続く現状を改善しようと向き合う。

「まずは、攻撃的なチームなので、やり切る事が大事、相手のペナルティーエリアに入ってシュートで終われば、守備もセットできる。そうじゃない時も、リスク管理の部分で、少しずつ良くなっていると思うが、相手にチャンスを与えていない中で、ファーストチャンスで決められている。リスク管理していても、1本やられたらダメだし、いくつかの対応で、まだ課題がある。突き詰めていかないといけない。」

福島戦も、複数得点で、勝利は出来た。多くの時間でスタイルも出せたが、失点の仕方、そして、攻撃でも、もっと点が取れるチャンスがあったのにそれを逃しているという課題も残ったままだ。選手も、チームも、サポーターも、久々の勝利に、安堵こそあったかもしれないが、満足はしていない。まだまだ、このスタイルを貫くことに疑問、不安を感じているサポーターもいるかもしれないが、選手たちにとっては、福島戦の勝利がひとつのきっかけ、そして、自信になったのも確かだ。

「J3優勝、1年でのJ2復帰」というクラブ目標を達成するには、まだまだ足りない状況は変わらない。それでも、福島戦でつかんだものをさらに大きくすることが、この状況を大きく変え、明るいものに変えてくれるだろう。そのために、ひとつ、ひとつ、次にやってくる試合でザスパのサッカーを出し切るしかない。週末の会長杯・決勝戦、そして、次回リーグ戦の高知戦と、どんな試合でも、相手がどこでも、超攻撃的スタイルを貫き、複数得点と勝利を掴み取り続けるだけだ。

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