オールスター明けのリーグ後半戦、年が明けて最初のホームゲーム、そして、対戦相手はV2時代からのライバルで、順位がひとつ上のアランマーレ山形。誰もがこの連戦の重要性はわかっていたし、持てる力を出し切る思いで戦ったが、勝利を手にすることは叶わなかった。対戦相手に対し、大きな差は感じなかったが、このステージで勝利を手にし、勝ち進むためには、細かな部分を突き詰めなければいけないし、一瞬たりとも隙を見せることは許されないのだと再認識した。勝ちたかった、勝たなければいけなかった。でも、勝てなかった。心を支配するのは、悲しみよりも、悔しさだ。その悔しさを晴らすためにも、このチームで、仲間と共に、応援するみんなで一体となって、次こそ勝つんだという思いだ。
土曜に続き、アランマーレ山形を迎えて行われた日曜のゲームも、各セット1点を争い、互いの気持ちが激しくぶつかり合う熱戦となった。第1セットを21-25で落したグリーンウイングスだったが、第2セットはサイドアウトを取り合い、デュースとなると、26-27の劣勢からタナパン・ウィモンラットのアタックで同点とすると、その後、タナパンの連続ブロックで29-27とこのセットを取った。
勢いに乗るグリーンウイングスは、第2セット序盤から、藤井寧々の得点をきっかけに5連続得点でペースをつかむと、エースの髙相みな実やオポジットの白岩蘭奈、さらには、タナパンや道下ひなのなど、各選手も持ち味を発揮し得点を重ね、25-15と相手を圧倒した。
第4セットも、序盤は主導権を握り、リードしたが、中盤以降、アランマーレの反撃にを受け、同点に追いつかれると、20-20となった終盤の勝負所で、ブレイクを許し、22-25でこのセットを失った。
最終第5セットは、序盤から追いかける展開となり、懸命に追いつこうとしたが、全体的にペースダウンしたグリーンウイングスは、自分たちの形を作り切れず、11-15でこのセットを取られ、セットカウント2-3で敗れ、勝利を上げる事はできなかった。
土曜ゲームも、日曜のゲームも、両者にそれほど大きな実力差は感じなかった。もちろん選手の特徴は異なるが、互いに特定の選手に頼り、1本で押し切ろうというよりは、全員でボールを拾い、繋ぎながらアタッカーに託し、アタッカー陣も、何度も、何度も、懸命に打ち続け、粘り強く、全員で1点を取りに行くというスタイルだった。
そうした展開にグリーンウイングスにも十二分に勝つチャンスはあったが、両チームにあるわずかな差の部分で、勝利を手にすることができなかったように感じた。
ひとつは、細かいミスだ。繋ぎの部分でのズレ、ボールを扱う中での判断ミス、さらには、ポジショナル・フォルト(ローテーションのミス)など、もったいないミスも含め、アランマーレとの差を感じた。また、粘り強く拾う中で、ディグやフォローの準備や反応の部分でも、相手が上回っていた。また、アランマーレは劣勢の展開でも、連続失点を許さず、サイドアウトを取り続け、反撃の時を伺う辛抱強さもあった。そして、20点以降の終盤力でも、その差を感じた。ほとんどのセットで終盤まで競り合ったが、プレッシャーのかかる20点を過ぎてからの勝負所で、アランマーレの各選手は、強い気持ちと高い集中力でセットを奪っていった。
もちろん、グリーンウイングスの選手たちも、そうした部分への意識は持っているし、個人でも、全体でも、対応しようと取り組んでいるが、やはり1シーズン、トップカテゴリーでやってきたアランマーレの方が基準が高いと感じた。
アランマーレも、昨シーズンは、当時のV1で1勝もできず、苦しく、悔しい思いをしてきた。だが、そうした経験をしっかりと成長の糧とし、今シーズン、トップカテゴリー初勝利につなげ、グリーンウイングスとの試合でも、プレッシャーがかかる中、激戦をモノにする力となったと感じている。
グリーンウイングスの選手たちも、今回の対戦を通じ、それぞれに悔しさを感じ、相手との差、勝利に届かなかった点について感じているはずだ。ライバルとの最初の連戦は、勝利する事ができなかったが、アランマーレとは、アウェイでの連戦も残っている。次回対戦では、相手を上回り、今回のリベンジを果たしてもらおう。
アランマーレとの対戦前、個人的には、この重要な一戦に勝てば、この先、なにか開けるものもあるのではないかというぼんやりした思いがあった。さらに本音を言えば、「勝った」という結果を手にし、応援する側としても、どこか安堵したいと甘えていた気持ちがあったんじゃないかと、今となっては反省する思いだ。
もちろん勝つことが一番だし、それに勝るものはない。今回の敗戦は、いつにも増して悔しい。ただ、誰よりも悔しい思いをしているのは、グリーンウイングスの選手、チームだ。開幕前から厳し戦いになるのは誰もがわかっていたことだし、覚悟をもってこの舞台に挑んでくれた。それでも、開幕から勝利がなく、連敗が続き、誰もが大一番と感じたアランマーレ戦に勝てなかった事は、大きなショックだろうし、苦しい思いが続くことになるだろう。
それでも次なる試合はやってくる。そして、相手はアランマーレだけではない。
今、グリーンウイングスに必要なのは、「結果」と「成長」だ。勝利という結果については言うまでもない。その結果を掴むために、SVリーグ基準の力をつけるため、皆が経験を積み、皆がスピードを上げながら成長する事が必要だ。ライバルに負けた悔しさを、今度は我々が成長の糧とし、次戦のリベンジも含め、残されたゲームの中で、対戦相手関係なく、皆で、まずは1勝をつかもう。
アランマーレ戦は、グリーンウイングスにとっても収穫があったゲームだった。
シーズンスタートからのメンバーに、元気な内定選手たちも加わり、重要な一戦に、新井三寿希、大友萌加、中野康羽、門田湖都の4人がコートに立った。いつものリーグ戦とも違う、ライバルとの重要な一戦に、その試合の重み、緊張感も感じてくれたことだろう。そして、リベロとして、菊地実結が登場したのも印象的だった。ミドル、アウトサイドヒット、セッターとなんでもできる器用さも特徴の選手だが、レセプションリベロとして2日間頑張ってくれた。今後、どのような起用があるかも楽しみだ。また、アランマーレ戦では、久々にコートに立った目黒愛梨の元気で、エネルギッシュな姿も嬉しかったし、このチームに必要な存在だと改めて感じた。チームの底上げのためには、選手個々の更なる成長、レベルアップが必要不可欠だ。どの選手にももっともっと成長してもらいたいし、もっともっと活躍してもらいたい。
プロだから結果が問われ、求められるのは当然だ。対戦相手に対し、そして、試合に出るためにチーム内での争いもある。それでも、SVリーグ元年、グリーンウイングス初のトップカテゴリーのシーズンに集ったメンバーは、グリーンウイングスを愛するみんなにとって、何よりも大切な存在であり、仲間だ。誰ひとり欠けることがあってはならない。このメンバーで切磋琢磨し、このメンバーを応援し、このメンバーで勝利をつかむ、それを実現したいし、そんなグリーンウイングスが見たい。
ライバルに負け、悔しい思いでいっぱいだ。だから、この日の悔しさを力に変え、またみんなで、次なる試合へ、そして、勝利に向かって歩みだそう。そして、次こそ、勝とう!
<今後の試合予定>
2月8日(土) 13:05 KUROBEアクアフェアリーズ戦(魚津テクノスポーツドーム・富山県魚津市)
2月9日(日) 13:05 KUROBEアクアフェアリーズ戦(魚津テクノスポーツドーム・富山県魚津市)
2月15日(土) 14:05 PFUブルーキャッツ石川かほく戦(OPEN HOUSE ARENA OTA・太田市)
2月16日(日) 14:05 PFUブルーキャッツ石川かほく戦(OPEN HOUSE ARENA OTA・太田市)
2月22日(土) 13:05 埼玉上尾メディックス戦(上尾市民体育館・埼玉県上尾市)
2月23日(日) 13:05 埼玉上尾メディックス戦(上尾市民体育館・埼玉県上尾市)