【THESPA 】チーム始動からまもなく1週間、初の紅白戦から芽生えた期待

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1月5日のチーム始動からまもなく1週間。チームは、初めての紅白戦を実施した。

通常よりもコートを狭くし、プレータイムも短いものだったが、各選手は、必死さ、ひた向きさ、アピールするというもの以上に、サッカーを楽しんでいるというのが伝わる内容だった。

小柳達司は、「監督が明確にやりたいサッカーを明示してくれている。みんな、やっぱりボールを触るのが好き。そういうサッカーをやってくれている。キツイ部分ももちろんあるが、練習は楽しく、選手たちは、意欲的に自ら動いて、ボールに触って、走ってと言うのを意欲的にやっている。」と話した。

戦術的な部分もあるが、ポジション関係なく、ボールに関わり、自ら運び、操り、仲間と関わりながら押しあがっていく。前線の選手も中盤まで降りてきて、その後、再び、前線に戻り、ゴールに関わろうとする。守備の選手も、縦横無尽に動き、選手を追い越し、前へ、前へと矢印を向けている。いろいろなものを差し引かなければいけないのは重々、承知しているつもりだが選手たちは楽しそうにサッカーをしていて、見ているこちらも楽しくなる。ここから、よりゲーム要素が増していく中で、どんなサッカーになっていくのか、楽しみが増えた印象だ。

監督が代われば、やり方も変わる。そして、選手それぞれに求められるものも変わるのは常だ。

この日の紅白戦では、新たなポジションや複数ポジションをこなす選手たちも少なくなかった。

高卒3年目を迎えた小野関虎之介は、「もう4ポジションぐらいやっています」と話す。昨シーズンは、カップ戦での出場こそあったが、リーグ戦の出場は叶わなかった。

小野関は、「3年目になる。今年は、より試合にかかわる事が大事になる。チームの結果もそうだが、個人の結果にもこだわりたい」と意欲的だ。

昨シーズンも、前線以外のポジションにチャレンジしていたが、この日も、新たなポジションで、ゴールに関わるプレーを見せてくれた。

小野関は、「監督も、いろいろできる所を見てくれていると思うし、複数ポジションできることを自分もポジティブに捉えているし、楽しくやっている。どこでもできれば試合に出るチャンスも多い。どのポジションでも自分の良さを出したい。今年こそはリーグ戦に出て、結果を出すしかない。」と闘志を燃やしている。

正直、新監督・沖田優監督はまだまだベールに包まれている。

6日に行われた新加入会見の席上では、監督の思いや今年のサッカーの一端は語られたが、まだ多くは語られていない。新体制がスタートして、メディアの前で監督が話をしたのはこの日のみで、我々も、まだ深堀出来ていないというのが実情だ。

誤解無きようにお伝えしなければならないのは、監督や強化が変わったり、シーズンが新しくなると、取材のやり方も変わってくる。ここは、監督の意向もあるし、クラブの考えもある、もちろん、メディア側の要望もあるので、今はこの辺りをすり合わせながらタイミングを探っているだけなので、たまたま監督にお話を聞ける機会がないというだけなので心配しないでもらいたい。

沖田監督も、練習前後には、我々に、丁寧にあいさつもしてくれる。もちろん、今後の取材についても、クラブを通じて調整をしてくれているのをお伝えしておかなければならない。

今は、練習場での様子を見たり、選手たちの声から推察するしかないが、選手たちの反応はすこぶるいい。

高橋勇利也は、「沖田監督は、サッカーに熱心な方だと思う。チームの規則、練習に取り組む姿勢や、攻撃的姿勢を貫く思い、細かい所にも声を掛けてくれて熱心さを感じる。」と教えてくれた。また、小柳も、「選手たちがやったことを監督がしっかりと見てくれている。若い選手たちは、そういう声がかかるとどんどんやるし、嬉しいんじゃないかと思う。いいプレーとそうじゃないプレーもはっきりしていて取り組みやすいと思う」と選手たちのやる気をさらに押し上げてくれている。

この日の紅白戦や日々の練習を見ていても、常に喋り倒しているかと言えばそいうわけではない。むしろ、常に喋っているのはコーチ陣で、沖田監督は泰然自若としている。それでも、大事な所はしっかりと自らが伝えている。

紅白戦でも、選手たちのいいプレー、それはゴールをはじめ、良いパスや好守備だけでなく、気の利いた動き出し、上手くいかなくても意図や意味のあるプレーに対しても、しっかりと見ていて、そのことを伝えている。狙いと違うプレーに対しても、「違う」という成否だけでなく、何が足りないのか、必要だったのか、瞬時に、的確な言葉で伝えてくれている。とにかく、しっかりと、見逃さず、見ている。そして、そのことを選手たちにしっかりと伝える。そんな所が印象的だった。

まだ指導して1週間だ。多くを期待しすぎるのは時期尚早なのはわかっているつもりだ。ただ、沖田新監督のもと、選手たちは、楽しく、意欲的にサッカーに取り組んでいる。ただガムシャラにやっているだけでも、言われたことをやっているだけではない、とにかく楽しんでいる。そこに違いを感じた。簡単に口にすることは良くないかもしれないが、この監督なら1年でJ2に押し上げてくれるんじゃないか。そんな思いが芽生えたのもまた正直な思いだ。

始動から1週間、そして、早くも開幕まで1カ月ほど。長く、タフなシーズンが始まるのはこれからだ。だが、この日に感じた期待が、1年後、間違っていなかったと証明してくれることを信じたい。

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