12/7土曜に行われた大阪マーヴェラス戦で、MB塩崎葵葉が、グリーンウイングスデビュー、そして、SVリーグのコートに初めて立った。
試合後、塩崎は、「今まで、(メンバーに入れず)コートの外で応援する形だったが、やっぱりコートの外ではなく、ユニフォームを着て、しっかり、コートの中で、チームの仲間に気持ちを伝えたかったがそれができた。ただ、自分も試合に入って緊張して、弱い部分がでた。そこを修正して、チームにどう貢献できるかが課題になると思う。チームの課題もたくさんあるが、ひとりひとりが課題を潰すことで勝ちにつながると思う。」と振り返った。
昨シーズンまでは、V2のライバルチーム・JAぎふでプレーしていたが、対戦を通じて、グリーンウイングスのバレー、雰囲気に惹かれ、縁あって、チームの一員となった。
移籍してきたばかりだが、グリーンウイングスに対する想いは強い。ただ、『想い』だけでは試合に出ることはできない。開幕して、この試合の前まで12試合、塩崎は、チームで唯一、メンバー入り、試合出場を果たせないなど悔しい思いをしてきた。
それでも、この間、塩崎は、コートの外から誰よりも大きな声を出し続け、チームメイトを鼓舞し続けてきた。
「日頃の練習から、1点を取るためにみんなが葛藤している。そのことを知っているから、コートの外から応援していても嬉しくなるし、私も一緒にやってきたという思いがある。」
チームへの思い、そして、ともに勝利のために日々の練習から力を尽くし合う仲間のために、どんな立場でも試合になれば、できることに全力で取り組んできた。
そうした中、この日は、初めてのメンバー入り、そして、第2セット途中で、リリーフサーバーとして試合出場を果たした。
「私は、サーブとブロックがいいと評価してもらい、自分でも自信があった。ただ、きょうは、人生で初めてサーブで緊張した。手が震えているじゃないかと感じた。やりたいことがいっぱい浮かんで、狙うコースが決まっていたはずなのに、全然、違ったところに打ってしまった。自信があったからこそ、緊張で上手くいかなかったので、試合に出る事ができ、嬉しい部分もあったけれど、悔しい気持ちが大きかった。もっとサーブで貢献したいし、前衛でも活躍できるくらいになりたいのに、リリーフサーバーで緊張しているようではだめだと思う。もっと、自分の中で精神力を高めていきたいと思う。」
限られた時間のデビュー戦は、ほろ苦いものになってしまった。
斎藤真由美監督は、「彼女には、サーブの強さ、ブロック力がある。きょうはサーブで貢献して欲しかったので起用した。いいディグもあった。」と起用理由とこの日のプレーについて教えてくれた。
一方、「出たことに満足せず、チームにもっと貢献したいという気持ちが高まるかどうかで次のチャンスが来ると思う。そして、今回、メンバーに外れた選手が、仲間の成功を喜ぶか、悔しいと思うか、それも戦いだ。全員バレーだが、枠は決まっている。誰かが出れば、誰かが外れる。みんなは、1本、1本、サボらずに頑張ってくれている。如何にチャンスを与えて、少ないチャンスで結果に繋げ、評価に繋げられるかがプロだ。」と続けた。
コートに立つことがゴールではない。コートに立ち、活躍し、チームの勝利に貢献する。勝ちを積み重ねるために、チームを牽引し、目標達成、そして、リーグ優勝へ。それこそがグリーンウイングスの選手たちに求められるものだ。これは塩崎だけでなく、グリーンウイングスのすべての選手に投げかけられている事だ。
もちろん、塩崎も、コートに立ったことだけに満足をしていない。もっと、もっと、自分の良さを出して、勝利に貢献したい思いを強く持ってくれている。
「リーグは、長い様で、そうではない。1試合、1試合、一丸となって、勝たないといけない。そのためには、相手の良い所も研究して、自分の中にも取り入れ、試合の中でも発揮したい。緊張している場合ではない。ファンの皆さんにも期待してもらえるようなプレーをしたい。」
リーグ開幕から、グリーンウイングスは、まだ勝利がない。勝つためには、チームの一体感はもちろんだが、心技体、個々のレベルアップがなければ成し得ない。
塩崎だけでなく、グリーンウイングスの選手それぞれが、この舞台で戦え、今できていることの喜びと、まだ、届いていない事、上手くいかない事への悔しさを力に変え、確かな成長を手にし、皆が願う勝利を掴みたい。