大同生命・SVリーグの群馬グリーンウイングスは、1日、前橋市のALSOKぐんまアリーナで、KUROBEアクアフェアリーズと対戦し、セットカウント1-3で敗れ、開幕12連敗となった。
第1セットは、林田愛佳、タナパン・ウィモンラットを中心に得点を重ね、16-10とリードを広げたものの、その後、連続失点を繰り返し、22-25で落した。第2セットも、序盤は、タナパンのサービスエースなどで流れを掴み、10-4としたものの、中盤以降、相手のブレイクを止めきれず、18-25と、このセットも落とした。
第3セット、後がないグリーンウイングスだが、林田、タナパン、菊地らの活躍でリードを奪うと、セット終盤も落ち着いて得点を重ね、25-17と、このセットを取り返した。
第4セットは、互いにサイドアウトを取り合う好ゲームを見せたが、終盤、KUROBEの外国人選手を中心とした、高さと強さに抑え込まれ、22-25とこのセットを落とし、セットカウント1-3で敗れた。
斎藤真由美監督
「きのうの不甲斐ない試合から、選手たちがいい切り替え力をもって、それぞれの役割に徹しようとしたことで、良いつなぎと、良いブロックも出たんじゃないかと思う。きのうよりアグレッシブなサーブもあり、戦略的に出て、攻める事ができたが、後半が甘かった。外国人選手の高さある所で、セッターの上から打たれて、ブロックを利用されてしまったところも痛かったと思う。選手たちには、きのうとは全く違う展開で、負けはしたけれども、内容にこだわった試合ができたという意味では満足している、堂々と胸を張って帰りましょうという話をした。まだまだ、長い戦いになる。私たちは、常に成長をテーマにしている、そして、成長には痛みを伴う、今は、結構な痛みだが、これにめげず、みんなで心ひとつに全員バレーで戦い通したいと思う。
松尾奈津子選手
「自分たちがやることを徹底するという意味では、土曜にできず、修正して日曜にできるという事が多い。来週は、試合までの期間に、相手を意識した練習を質高くやっていきたい。個人的には、勝てる試合の中で、スパイカーが決めきれるように託すことが徹底できなかった。競った中でもスパイカーが選択肢をもってできるようにやっていきたい。きのう負けて、見ている方々にプレーで気持ちを届けることが足りなかったと感じた。それを初日からやらないといけないし、良い所は続けてやらなければいけない。気持ちを切らさずやりたい。」
髙相みな実選手
「土曜にできなかったことが、日曜にできるという事は、自分たちがコートの中で全力で表現できる力を持っているという事でもある。土曜のうちに頭で整理したことをコートで表現できることが大事だ。個人的には、きのうよりポイントは取れたが、勝ちに繋がらないミスを出したことがチームのとってマイナスになった。自分は、どの場面でも、決めれば、勝ちにつながる、大事な所でトスが上がるので、そこでしっかり決められる選手になりたいと改めて思った。」
「自分たちがリードする展開は、どの試合もあるが、守り切れないのが自分たちの弱い所。自分自身も過去に全敗というシーズンを経験したが、その時は勝っていても、どこか不安な気持ちがコート内にあるからリードを守り切れなかった。だから、勝っている時に、どういった戦術が必要かというのもそうだし、勝っていても、負けていても、頭の切り替えや、指示やデータで示された事をどれだけやり続けられるかがポイントだ。できていること、できていないことを、みんなで話し合って整理したい。まだまだ長いシーズンなので、全員で協力してやっていきたい。」
正木七海選手
「コミュニケーションの量だったり、確認することがきょうはできた。そこを土曜からやらないといけない。自分自身は勝負所で決めきれなかったり、ミスにあることがあり、そこが最後、勝てないところに繋がっている。勝負際での自分のプレーを見つめなおさないといけない。」
林田愛佳選手
「個人的には大事な所で決めきれなかった。そこで決めきれないから、レフトの人の負担が大きくなってしまうし、自分が決めることで勝利につながったかもしれない。そう言う部分で自分が情けないなと感じた。自分で決める、チームの勝利をつかむ選手にならないと苦しくなる。きのうよりは、ブロックディフェンスが良く機能したが、一方、なんで、きのうは機能しなかったのかと考えるとブロックの飛ぶ位置、タイミングなど上手くいかなかったので、後ろの人は対応できなかったと思う。練習の中でもっと緻密にできれば、勝利につながると思うし、セットも取る事ができると思うので、日々の練習につなげていきたい。きょうの様なバレーが常にできて、どう突き詰めていくかが大事。きょうの試合が良かっただけではなく、最低ラインとして、ひとり、ひとりが高めていけたらと思う。」
監督、選手が話す様に、土曜のゲームと比べて、日曜のゲームは、プレーのひとつひとつに、この試合に懸ける思い、絶対に勝つんだという思いが伝わってきたのが印象的だった。ゲームスタートから気持ちは出ていたし、強気なプレーが多く、逆転され、劣勢になっても、必要な確認含め、コート内外で、選手の声が途切れることはなかった。
だが、それでも、初勝利には届かなかった。
ゲームを振り返れば、第1、第2セットともに、セット序盤から20点手前くらいまでは、グリーンウイングスペースで、リードもしていたが、良い流れから1点を失うと、一気に綻びだし、連続失点を止める事ができなくなってしまったのが痛かった。髙相が振り返るように、勝てていない、結果が出ない事から気持ちの部分でゲームを難しくしてしまうのかもしれない。また、リエフスカ・ナターリアやマルティニューク・アリョーナといった、ある意味、力で押し切ってもらいたいふたりがこの日はベンチ外となり、不在だったのも痛かった。とは言え、ふたりが不在だとしても、今いる選手たちの特徴を出しながら、皆で粘り強く拾い続け、ゲームマネジメントをし、サイドアウトをとる、なるべく早く相手の攻撃を切らなければならない。そう考えても、勝てたゲームを落としてしまったともいえるだけに、もったいなかったし、相手にブレイクをさせない、1本で相手の攻撃を切るためにやるべきことは何か、今後の試合に向けた大きな課題、テーマとなるだろう。
初勝利がなかなか来ないのは苦しい。この後、年内は、現在首位の大阪マーヴェラス、そして、3位のデンソーエアリービーズと強力な相手を迎えて、ホーム連戦となる。地の利はあるが、それだけでは到底勝てないタフな戦いが予想される。
リーグ1/4となる12試合を戦ってきた。斎藤監督は、「ここまで、10数試合をして、高さやパワー、スピードなど、そろそろ慣れていかなければいけない。また、スタッフの声掛けや、戦略戦術を徹底して、選手たちが迷いやっていける環境を作りたい。」と話すなど、トップリーグへの対応、適応、そして、プレーの精度や戦術によりこだわって、徹底していかなければいけない。
もちろん結果にもこだわりたい。だが、自分たちのやるべきことをやらずして結果につながることはないだろう。プレーで、気持ちで、この日のゲームでは、今のグリーンウイングスの持てる力の多くを出し、会場内のファン、応援してくれる皆さんの心も掴みながら戦えたと思う。繰り返す事、積み重ねることで、よりたくましく成長し、初勝利へとつながるだろう。だからこそ、どんな時でも挑み続けるグリーンウイングスでいて欲しい。そんな姿を次戦も見せてもらいたい。そして、より大きな声援で、初勝利に挑むチームを力強く後押ししたい。
<今後の試合予定>
12/7(土) 14:05 大阪マーヴェラス戦(前橋市・ヤマト市民体育館前橋)
12/8(日) 14:05 大阪マーヴェラス戦(前橋市・ヤマト市民体育館前橋)
12/28(土) 14:05 デンソーエアリービーズ戦(高崎市・高崎アリーナ)
12/29(日) 14:05 デンソーエアリービーズ戦(高崎市・高崎アリーナ)