SASAnote 悲しい思いはもうたくさん。ホームで歓喜の時を-ザスパ群馬 練習フォトレポ

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J2残留へ絶望的な戦いが続く中、今度は、守備の中心であり、キャプテンでもある城和隼颯がJ2山形に移籍した。大黒柱を失い、サポーターの多くが悲しみに暮れている。しかし、無情にも次なる試合はやってくる。我々はどこまで傷つけばいいのだろうか。傷ついた心を癒せるのは、ゴールであり、勝利でしかない。そして、それができるのはザスパ自身でしかない。悲しい思いはもうたくさんだ。

 

前節、清水戦は、0-4で敗戦。結果も、内容も、ショッキングなものになった。

武藤覚監督は、「清水には、個人能力の高さ、切り替えの意識の高さを感じた。また、勝負所を知っているチームだし、選手だなというのを見せつけられたゲームだし、こちらもそうしなければ勝負にならないという事を感じた。」と脱帽した。

武藤監督は、「失点するまでは良さが出せていたと思う。ただ、失点してから、前に行きたい選手、後ろで守りたい選手と意識が合わなかった。プレッシャーに行けなかった時にどうするか、スタートポジションをどうするのかというのは選手の中で共有できなければいけなかった。」と振り返る。

考えやイメージの共有について武藤監督は、「自分たちで修正できないといけない。清水にはそういう選手がいるし、共有できる部分が多い。自分たちのリズムができない時、耐えなければいけない時に選手の中でのコミュニケーションはすごく大事。試合後に言うのは簡単だが、ゲームの中でもっとやらなければいけない。うちは、そういう事ができないから、勝てていないのだと思う。」と話す。

がんばってはいる、懸命にやっている、だが、チームとしてまとまる事ができなければ、攻守において相手を上回ることはできない。そして、それはベンチからの指示待ちではなく、ピッチ内の選手たちで課題解決しなければいけない事だ。

この日の練習を終える際にも、武藤監督は、選手たちにコミュニケーションの重要性、要求し合いう事の大切さを強く伝えていた。

正直、このシーズン後半において、そうした部分が課題になっている事に物足りなさを感じるが、武藤監督も、日ごろから、「選手たちの良さを引き出すのが我々の役割だ。」と強調している。次節、そして、残り試合に向けて時間は限られているが、ピッチ内のコミュニケーション力の向上をさらに推し進め、ゴール、勝利という結果につなげていくしかない。

清水戦を終え、残留圏17位水戸とは勝ち点差13と大きな差をつけられている。残りは12試合となり、直接対決は残されているが、絶望的な状況は続いている。負けはもちろん、引き分けも許されない。この状況を超えるには、相手関係なく勝利が求められる。

清水戦に続き、次節・横浜FC戦も、タフな戦いが予想される。J1昇格争いをする相手は、圧倒的なチーム力で、ザスパから勝ち点3を奪いに来る。その相手から、逆に、勝ち点3を奪わなければならない。

チームとしての課題を解決していく一方で、考えなければいけないのが、城和が抜けたポジションに誰が入るかという事だ。

武藤覚監督は、「選手たちには、横浜FC戦に向けて準備して欲しいと言った。ポジションが空くとも、競争がどうこうとも話をしていない。」と話す。

不動のポジションが空いたとともに、後方からの組み立て、ビルドアップ、展開を含め、今のザスパにおいて重要ポジションのひとつだ。城和とコンビを組んでいた酒井崇一や後継者として期待される高卒ルーキーの中野力瑠、夏に長崎からやってきた瀬畠義成も候補のひとりだ。もちろん、簡単に代わりが務まるかと言えばそんなことはないだろう。ただ、ポジションに名前が挙がる選手たちにとっては、それぞれの良さ、特徴をだしながら、チームとしての役割を果たし、勝利につなげる事ができれば個人としても、チームとしても大きなものを得られる。

武藤監督は、「あくまでも横浜FC戦に向け準備しようと言った。城和が移籍したからという事は言っていない。それは選手たちがいろいろな捉え方をしてもらえればいい。チャンスだと思えば頑張ればいいし、清水戦を見て、もっとこうできたんじゃないかというのがあるならやってくれればいい。」と話す。ポジションは与えられない。様々なものを感じ、自ら掴み、チームを勝利に導く活躍を見せて欲しい。

極度の成績不振に追い打ちをかけるように、キャプテンの移籍が重なり、クラブ、チームに対し、不満を募らせているサポーターも少なくないだろう。それもまた、ザスパを愛し、大切に思っているからだと捉えたい。そして、そんな状況でも、ともに戦う思いをさらに強くしてくれているサポーターも多い。クラブ、チームには、ホームでの初勝利という結果で応えて欲しい。それが応援してくれる県民、ファン、サポーターの報いる唯一の方法だ。

武藤監督は、「サポーターの期待に応えないといけない。どんなチームにも勝ち点3を取らないといけない。中断明けの甲府戦では、もっと盛り上がるプレーをしなければいけなかったし、清水戦は、不甲斐なさを感じた人も多かったと思う。サポーターの思いに、ちゃんと答えないといけない。選手の諦めない、ゴールに向かう、ひた向きさやがむしゃらさを引き出せるようにしたい。そういう姿が応援したいなと思ってくれる事だと思う。サポーターの皆さんに、応援してもらい、選手はパワーが出る。スタジアムの雰囲気も良くなり、よりパワーが出ると思う。」と話す。

これ以上、応援してくれるみんなを悲しませることは許されない。そして、いつまでもサポーターのやさしさに甘えていてはいけない。選手、チーム、そして、クラブが総力を挙げて、今度こそ、サポーターに歓喜の瞬間を届けて欲しい。

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