SASAnote 自らの「強さ」を出し切らなければ勝利などつかめない-ザスパ群馬

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いつも以上に冷たく、強い風が、厳しい現実から気持ちを逸らすことを許してくれない。

横浜FCに敗れたザスパは、これでリーグ戦開幕5試合勝ち無しとなった。そして、今シーズン、J2で唯一の勝ち無しのチームにもなってしまった。

ちなみに、ザスパが開幕から5試合勝ち無しというのは、2017年以来。この年は、リーグ最下位で、J3に降格したシーズンだった。不安になりすぎ、先の事を気にしすぎと言われればそうかもしれないが、シーズンの1勝目が来ないと開幕した気にもなれないし、不安が付きまとうのもまた正直な思いだ。

ゲームを見ていて感じるのは、球際での反応の悪さだ。リアクションの部分、必死さの部分で後手を踏むシーンが多いように感じる。

今季も、守護神として奮闘を続ける櫛引政敏は、「普段の練習から細かい所、こだわりをもってやらなければいけない。もっと自分たちの動きにメリハリをつけないといけない。ちょっとした部分が欠けていると感じる。そういうことを試合中も、試合後もチーム全体に伝えたので変えていきたい。」と話す。

昨シーズンは、堅守がチームのベースとなり、躍進につながったが、今シーズンは、毎試合失点が続き、状況は一変している。

櫛引は、「去年も、ピンチのシーンはあったが、こぼれ球をクリアできていて、失点も抑えられていた。そこをできるようになればいいサッカーになると思う。」と考えている。

チーム戦術云々の所もそうだが、サッカーのベースとなる部分で相手を上回る事が出来なければ、そもそも自分たちのゲームにすることなどできない。

櫛引も、「今年は、経験の少ない選手もいるが、練習ではいいチャレンジができているから試合で使われている。試合で出来ないのは、勇気の部分。サッカーの根本的な部分である、「楽しい」、「好き」という部分でトライしていけば、良いサッカーになるし、いい結果になると思う。」と感じている。

結果が出ない事で、萎縮してしまう方向に向かいがちだが、試合に出る喜び、チームを代表している誇りをゲームの中でも表現してもらいたい。

大槻毅監督も、もっと、もっとチャレンジして欲しいという思いだ。

「形とかはあるけれど、選手が自分の良い所を出して、価値を上げないといけない。自分の所にボールが来た時に、自分たちの価値を上げるプレーを一番に決断して欲しい。『チームのため』にという選手もいるけれど、それなら自分の武器を出して欲しいというのが一番にある。」と話す。

そして、「もちろん、これまでもやってくれているけれど、もっと驚かして欲しいし、越えていく様なことをもっともっとチャレンジして欲しいし、させたい。それは、チームとしてもチャレンジしたい事だ。」と続ける。

いつも言うが、スーパーな選手がいるチームではない。だが、それぞれに良さ、特徴を持った選手たちはいる。良さを出し切る事、そして、自らを超えていくチャレンジが出来なければ、ゴールも、勝利も、より上に行く事など到底できないのだから。

そうした意味で言えば、チームのベースをさらに押し上げるのは、リーグでの経験値は少ないかもしれないが、無限の可能性を秘めた若い選手たちになる。

直近のゲームで、Jリーグデビュー、初スタメンを勝ち取るなど存在感を見せてきた大卒ルーキーの玉城大志は、「サポーターの皆さんの前でプレーできることに喜びを感じ、自分の良さや特徴を出せることの喜びを感じているが、結果が届けられていないところが一番残念な所だ。」と思いを口にする。

「監督からも、『下向いていても何も始まらない、前を向いてやっていこう』と声をかけてもらっている。僕は、自分自身にも期待しているし、皆さんにも期待してもらいたい。次の岡山戦は、ホームで戦える。泥臭く全力で戦いたい。」と、自分のため、チームのため、そして、応援してくれるサポーターのために、なんとか勝利を届けようという思いで次節に向かおうとしている。

 

 

 

 

状況を好転させるためには、勝つしかない。簡単ではないが、それしかないのだ。次節の相手・岡山は、今季無敗で好スタートを切っているチームだ。そんなチームに勝つことで、勝利の意味合いは、より大きなものになるのは間違いない。

大槻監督は、「横浜FCに対しても、そういう思いで臨んだし、いつも勝ちたいし、毎試合、強い意志を持っているつもりだ。だが、今シーズンは、叶わなくてサポーターの皆さんには申し訳ない。だが、やる気と、そこに対してみんなで向かう思いは強く持っている。何とかしてやろうと思っている。」と強い眼差しで次なる戦いに向かっている。

技術も、気持ちも、思いも、出し切らなければ勝利はつかめない。それは、選手も、チームも、そして、我々、サポーターも同じことだ。自分たちの強さをしっかりと出し切り、次節こそリーグ戦、今季初勝利を、そして、勝利の草津節を高らかに唄おうではないか。

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