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SASAmemo 最高のチームだからこそ勝利という結果をー群馬銀行グリーンウイングス ファイナルステージ展望

V2リーグはレギュラーラウンドが終了し、上位3チームによるファイナルステージが、25日、26日の2日間、静岡県袋井市の袋井市総合体育館・さわやかアリーナで開催される。

ファイナルラウンドはトーナメント形式で行われ、まず、レギュラーラウンド3位の群馬銀行グリーンウイングスと2位のルートインホテルズ・ブリリアントアリーズが対戦し、勝ったチームが、翌日、1位のプレステージ・インターナショナル・アランマーレと対戦する。

ファイナルラウンド優勝チームが、今シーズンのV2リーグ優勝チームとなり、日曜日の試合に進んだ優勝チームと準優勝チームの2チームが4月に行われるV1チームとの入替戦に臨むことになる。

「V2優勝、V1昇格」を目標に掲げるグリーンウイングスにとっては、リーグ優勝のためには土日の連勝、そして、V1昇格への道を残すためにも、最低限、土曜のゲームには勝たなければシーズンが終わってしまう状況だ。つまり、目標達成には「勝つしかない」のだ。

ただ、これまでの結果を考えると、ファイナルステージの戦いはとてもタフな戦いが予想される。

アランマーレ、ルートインとの今季の対戦を振り返れば、アランマーレには2試合ともにストレート負け、ルートインには、フルセットの末、1勝を挙げたのの、レギュラーラウンド最終盤で迎えた2度目の対戦は1-3で敗れている。

また、両チームとの直接対決も含まれた、レギュラーラウンド最終3連戦は、3連敗という形で終わった。自力で、首位通過の可能性も残していただけに、それができず、3位通過になってしまったこと、そして、最終戦をホーム体育館で行いながら、フォレストリーヴズ熊本にフルセット負けした事で、雰囲気良く、ファイナルステージに臨みたかったがそれもかなわない展開となってしまった。

チームを率いる斎藤真由美監督は、チームとして用意した戦術プラス、状況に応じた柔軟性や対応力を選手たちに求めるとともに、自分たちのミスからゲームを不意にしてしまう部分に問題を感じている。

アタック決定率 バックアタック
決定率
サーブ効果率 ブロック決定本数
(1セット平均)
サーブレシーブ
成功率
19-20シーズン 33.2% 17.1% 8.1% 2.48本 60.0%
20-21シーズン 33.1% 17.3% 9.6% 1.84本 63.4%
21-22シーズン 34.3% 18.6% 9.6% 1.82本 59.9%
22-23シーズン 36.6% 24.3% 7.7% 2.11本 54.8%

また、データで見れば、V1チームとの入替戦に臨んだ過去3シーズンと比べると、チームとして、アタック決定率は向上しているものの、サーブ効果率、サーブレシーブ成功率の低下が気になる所だ。

特に、大切なのは相手のサーブに対し、1本目をどう処理するか、そして、力のあるアタッカー陣に仕事をさせられるかという所だ。

しっかりとレセプションが決まれば、エースの田中瑠奈やパワーのあるハンタヴァ・エバンゲリア、決定力のある道下ひなの、スピードのある白岩蘭奈、大卒ルーキーの藤井寧々、菊地実結、若手の小林知加や清水愛など、上げればきりがないほど、特徴ある選手たちを活かすことができるのだ。

ただ、逆に、サーブで攻められ、浮足立つようなことがあれば、力のあるアランマーレ、ルートインに一気に押し切られてしまう事は容易に想像がつく。対策の時間を考えれば、個人の成長よりも、チームとしてどんな対策、準備ができたのかに期待したい。

サーブについても、田中瑠奈や菊地実結といったランキング上位者、そして、力のある道下ひなのや、リリーフサーバーとしても力を発揮できる小林知加、藤原愛なども控えている。攻める気持ちとミスの怖さが表裏一体だが、サーブ力のある選手たちを中心に、臆せず、大胆に攻め、流れを呼び込んで欲しい所だ。

リーグ終盤の流れやスタッツを見ると、勝ち上がっていくことは簡単な事ではない。ただ、このチームの強さは、そうした部分だけでは推し量れない、結束力の強さにあると感じている。

振り返れば、今シーズンは、新監督がなかなか決まらず、松尾奈津子キャプテンを中心にスタートしていったチームだ。そうした中で、選手間でいつも以上に考え、対話し、トレーニングを重ねてきたことで、いつも以上にチーム内のコミュニケーションが活発になり、結束力が増していった。

さらに、斎藤監督就任後、監督が標榜する、全選手を戦力として、全員の力を活かした全員バレーでチームを作るとともに、監督自身のキャラクターや統率力で、チームの結束、雰囲気は、さらに上がり、選手たちは、コートでも、ベンチでも、ベンチ外でも、常に自分の役割を意識し、チームのためにやるべきことをやる、徹してきた。その結果、これまで以上に一体感を持ったチームとしてシーズンを戦い抜いてここまでやってきた。

もちろん、メンバーが固定されない事による連携面の不安や、チーム内競争も含めた、勝負に徹することができるのか?という疑問の声も聞こえないわけではない。そうした部分についても、選手、チームは、払拭しようと、一致団結した取り組みでここまで進んできている。言うは易しだが、なかなかこうしたチームを作り上げることは難しい。

とは言え、勝負ごとの評価は、結果になってしまう。今シーズンの素晴らしいチームを「いいチームだったね」で終わらせることなく、「最高で、最強のチームだった」とするためにも、全ての力を出し切り、ファイナルステージを勝ち抜いて、V2優勝、そして、V1昇格入れ替え戦に進んで行かなければならない。今こそ、22-23シーズンの群馬銀行グリーンウイングスの力を示す時なのだ。応援する我々も含め、皆で、勝利を掴み取ろう!

<V・ファイナルステージ:2023年3月25日(土)~26日(日)>

会場:袋井市総合体育館・さわやかアリーナ(静岡県袋井市)

25日(土)13:00 群馬銀行グリーンウイングス vs ルートインホテルズ・ブリリアントアリーズ

26日(日)13:00 プレステージ・インターナショナル・アランマーレ vs 3/25の勝利チーム

*この2試合は、チームによる配信はなく、V.TVのみの配信となります。

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