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SASAmemo キャプテン経験者が語るここからの戦い①-群馬銀行グリーウイングス 古市彩音選手

V2女王奪還、そして、悲願のV1昇格へ向け、リーグ後半戦の戦いが続く、群馬銀行グリーンウイングス。

今シーズンは、11チームによる2回戦総当たりのレギュラーラウンドを戦い、上位3チームがファイナルステージに進出。レギュラーラウンドの2位と3位が対戦し、勝ったチームがレギュラーラウンド1位のチームと対戦し、勝利チームがV2優勝となる。さらに、ファイナルステージの上位2チームが、4月上旬にV1下位チームとの入れ替え戦に臨むというレギュレーションだ。

シーズン終盤、ここからより厳しさが増す。そして、V1という分厚い壁に何度も跳ね返される悔しい思いをし続けてきた。

「今回こそ!」-グリーンウイングスに関わり、愛するものであれば誰もが強く思っている。V2の頂点に立ち、如何にV1という場所にたどり着くか。

今回は、これまでチームの中心として活躍するだけでなく、キャプテンも務め、V1の壁に挑み続けてきた、古市彩音選手、吉岡みなみ選手に、これまでの経験を踏まえ、チームの様子、自身の状況、そして、V1への思いを語ってもらった。

初回は、加入5年目の古市彩音選手へのインタビューをお届けします。

在籍5年目を迎える古市彩音は、今シーズンのチームにこれまでとの違いを感じている。

「雰囲気がすごくいい。5年目だが、これまでも『明るいチームだね。』と言われてきたが、中身の濃い明るさというか、ひとりひとりの個性が光っていて、でも、バラバラでなく、チームとして機能している感じ」と教えてくれた。

コート内外、SNS上も含め、とにかく明るく、周りを巻き込みながら、バレーボールはもちろん、どんなことにも向き合う今シーズンのグリーンウイングスは、古市にとってもこれまでとは違う様だ。そして、チームとしての一体感につながっている手ごたえも感じている。

バレーボールは、データが重んじられるスポーツだ。故に、リーグが進めば進むほど、対策が進み、ライバルに打ち勝つのは簡単ではない。

それでも、古市は、「今までなら、『後半戦に入り、対策されて、勝つのが難しい』と答えてきたが、今シーズンのチームは、1レグの時から全員バレーで、メンバーもバラバラ、相手からしたら対策も難しいと思う。上位にいるので、各チームから対策もされるし、気持ちの面でも、相手は、より強い気持ちで来るので、大変かもしれないが、そこに対して、いつもより深刻には感じていない。それよりも、自分たちの良さをもっと出していこうとポジティブに感じている。」とこれまでとの様子の違いを教えてくれた。

その上で、「勝ち続ける事の難しさはある。それは、疲労度やメンタル面、過剰な自信など。だから、自分たちで気を引き締めて、ひとつひとつ勝ち切る事、目標を共有する事、それをやっていければ今よりも、もっと、もっと良くなると思う。危機感は持ちつつだが、自分たちの良さを前面に出したい。」と話す。それくらい今シーズンのチームに手ごたえを感じている。

写真提供:群馬銀行グリーンウイングス

一方、そうしたチームにおいて、自分自身のパフォーマンスはどう感じているのだろうか。

古市は、「自分の中では貢献しきれていないというのがある。出場機会をもらっているが結果を出せていない。どうすればチームに貢献できるのか、自分の良さはどこなのか、日々考えながらやっている、もっともっと貢献したいという思いでやっている。」ともどかしさを口にする。

毎試合、毎セット、誰が出るかわからない。それはセッターとて例外ではない。経験豊かな古市、キャプテンの松尾奈津子、そして、伸び盛りの藤原愛の3人のセッターが、スタートから、途中から、様々に起用されている。

一般的に、コンビネーション、連携が重要なバレーボールにおいて、メンバーが固定され、正セッターがいることで、チームの強さを発揮できると考えられるが、今シーズンのグリーンウイングスはそうではない。それでも、古市は、そうした部分を難しい、やりずらいとネガティブにとらえることはない。

「メンバー14人の中に、セッターを3枚入れてくれていることがありがたい。各セッターのいい所も、苦手な所も違うし、調子の良し悪しも補える、3人の良さが出るような形で起用してもらえている。調子や、対戦相手、メンバーの組み合わせでスタッフ陣もすごく考えてくれている。だから、私たち、セッター陣も、誰とでも合わせられるよう、自主練習から、いろいろな人と合わせたりしている。」と話す。

古市の良さは、攻撃的なトス回しであり、自身も、ツーアタックを多用し、得点の取れるセッターという所だ。

今シーズンを振り返って、「スタメンで出ることもあまりなく、途中から2枚替えというよりも、セッターがフロントポジションにいた時に、S4~2ポジションで入れてもっている。そして、ラスト8点くらいの結構、いい局面で入れてもらっている。正直言うと、一番自分の良さが出せるところで入れてもらっているので、さらに勢いを出し、セットを取り切るという事をやりたい。」と自分の役割を教えてくれた。

セット終盤。いろんな展開があるが、チームもセットを取りきるために、強気、攻撃的という古市の特徴を生かそうとしている。

古市は、「もっと、コートに立つ時間を増やしたい気持ちも強いが、、、」としながらも、「試合、試合で、自分の役割があるので徹底したい。」と課せられた役割にしっかりと向き合っている。

ここからは1試合も落とせない、シビアな戦いが待っている。古市も、これまで4度、入れ替え戦を経験するなど、その厳しさは承知しているが、それ以上に、今シーズンのチームに可能性を感じている。

「今までも、真剣に、V1昇格を目指してやってきた。ただ、今までよりも、そこに向かって、全員がやるべきことをやらないといけないというのがしっかりある気がするので、みんなで同じ方向に向かってやり続けたい。」と話す。

そして、「今年こそは、、、上がります!V1に、『上がりたい!』ではなく、上がらなきゃいけないと思ってる。その中で、私にできること、貢献できることを探したい。」と必勝を誓う。

V1昇格は言わずもがな、V2優勝だって簡単なことではない。実力十分、可能性無限大の今シーズンの群馬銀行グリーンウイングスでも、困難にぶち当たることもあるだろう。それでも、グリーンウイングス史上最高の明るさと一体感、そして、古市彩音の経験、そして、強気で、攻撃的なバレーがそうした困難を打ち破り、目指すべき場所へ突き進んでくれる事だろう。

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