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SASAmemo 「点を取り、チームを勝たせ、たくさんの人に愛される選手に」-ザスパ新加入・高崎健康福祉大学高崎高校 小野関虎之介選手

サッカーJ2・ザスパクサツ群馬へ加入が内定した高崎健康福祉大学高崎高校のFW小野関虎之介選手の記者会見が、16日、学校で行われ、小野関選手が、改めてプロ入りの喜びとともに、意気込みを語った。

やや緊張した面持ちの小野関選手は、「プロのスタートをザスパクサツ群馬で出来ることが大変うれしい。今、自分がここに立てているのは、家族、指導者の方々、たくさんの仲間、たくさんの方々に支えられて今の自分があると思う。自分の持ち味である得点を取ることや、献身的な守備で、チームを勝利に導き、たくさんの方々と勝利の喜びを分かち合えるように全力で戦って行きたい。」と、感謝の思い、そして、意気込みを語った。

小野関選手は、高崎市出身で、5歳の頃からサッカーをはじめ、以降、群馬でサッカーを続け、健大高崎に進学。今シーズンは、高校年代のサッカーリーグのひとつ、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ・関東2部で15試合に出場し、10得点をマーク、見事、得点王に輝き、チームを1部昇格へと導く活躍を見せた。

そんな小野関選手の特徴について、健大高崎の篠原利彦監督は、「特徴は、とにかくフィニッシュワーク。どういう形からでもゴールを奪える選手。ひざ下の振りが速く、いろんな角度から、いろんな形で練習してきたことを、試合で活かし、試合でも点を取れるのが持ち味。また、今年のチームは、ハイプレスでやってきて、彼には1トップをやってもらったが、彼だからできた。しっかり足を延ばして、最後まで守備ができるアグレッシブなプレーが持ち味。」と、得点能力の高さ、そして、守備面でも献身的な部分を高く評価している。

また、ザスパの佐藤正美強化担当は、「得点能力を評価した。どんな形でも取れるところを一番に評価した。そして、攻守にわたってハードワークできる選手で、グラウンドに出た時のアグレッシブな姿勢をみんなにも見て欲しいし、数多くのゴールを期待して獲得した。」と獲得の理由を説明した。

ザスパが常に課題とする得点力の部分、そして、ザスパの選手に求められる攻守における献身さを兼ね備えており、確かな成長、そして、活躍が期待される。

昨今、力があり、将来性がある選手でも、高卒でプロ入りするよりも、大学進学を選ぶケースが多い。そんな中、小野関選手は、高卒で、プロ入りを選択した。自身は、「小学生の頃からずっとザスパの試合を見て憧れだった。」とも話すが、もちろん、それだけが理由ではない。

小野関選手は、サッカーを続ける中で、日本サッカー協会の育成システムであるトレセン(ナショナルトレーニングセンター制度)の選考で落選し、挫折を経験。そして、そこから努力を重ねる中で、プロへの憧れを持つようになった。そして、高校生活の中で、その思いをさらに強くし、今回の決断に至ったという。小野関選手は、「(プロ入りを選んだ)一番は、同世代の選手が、世界だったり、様々な所で活躍している姿を見て、自分もプロで活躍したいというのが一番だった。決断に迷いはなかった。」とキッパリだ。

そうした姿を間近で見ていた篠原監督も、「大学などからもお話があり、勧めたこともあったが、本人には、『そういうことを考えているとプロにはなれないと思う』と言われた。結構、頑固なところもあるが、それも良さ。」と話す。プレー同様、気持ちも常に真っすぐで、熱い。そんな所もプロ向きなのだろう。

小野関選手は、高校生活を振り返り、「ホントに楽しい3年間だったし、篠原先生や指導者の方々と熱い試合をたくさんでき、1試合1試合がたくさんの思い出。プロに入ってからもそうした熱い気持ちを常に持って、全力で戦っていきたい。」と話す。

そんな小野関選手の指導にあたった篠原監督にとっても、プロサッカー選手の誕生は悲願でもあったという。

今回、小野関選手は、健大高崎サッカー部にとっても、初のJリーガーであり、初のプロ選手誕生でもある。

篠原監督は、「チームを立ち上げて19年間、指導してきたが、群馬でチャンピオンになり全国大会に出ること、プロサッカー選手を誕生させること、年代別の代表選手を輩出することを目標に、悩み、考えながらやってきて、今回、小野関が、プロになってくれた。チームとしても、後輩たちも、自信をもって、夢を持ってやっていける、いろんな意味で嬉しく感じている。」と話し、喜ぶとともに、「とにかく虎のゴールを見たい。」と、教え子の活躍に大きな期待を寄せている。

そんな篠原監督同様、ザスパの佐藤強化担当にとっても、小野関選手は特別な選手だという。

佐藤強化担当は、小野関選手と、小学生の頃から縁があったそうで、ストライカークリニックなどで指導にもあたっていて、その頃から見ていた思いのある選手なのだ。さらに、健大高崎の篠原監督は、前橋育英時代の一学年上の先輩にあたるという。そうした、特別な関係にある選手だが、『情』ではなく、しっかりと、能力、素質、将来性を見極めた上でのスカウトなのは言うまでもない。

佐藤強化担当は、「視察に行くときは、いつも連絡は入れていた。プレッシャーはあったかもしれないが、そういう時に点を取る勝負強さがある。それが、彼のひとつのストロングだし、ザスパにとって必要な所。そういう選手が、地元にいるならという期待もあり、獲得した。」と力を込める。それとともに、「彼が話した、『指導者に恵まれて』という事にも感動した。篠原先輩の19年間の頑張り、熱い気持ちを持った監督のもとで育った、熱い選手なので期待している。」と、声を詰まらせながら思いを口にした。佐藤強化担当も、また、ザスパの創成期を支えたストライカーである、プロ入り後も、ザスパ魂を伝え、小野関選手の成長をしっかりと支えてくれる事だろう。

小野関選手のプロ入りは、自身の頑張りはもちろん、支えてくれた周りの皆さんの思い、そうした中で切り開かれたものなのだ。

今シーズンを振り返れば、前橋育英から高卒ルーキーで加入した、岡本一真選手が、シーズン終盤にレギュラーを奪取し、チームのJ2残留に貢献した。小野関選手にも、岡本選手同様、早い段階での活躍が期待される。とは言え、高卒ルーキーが、簡単に活躍できるほど、プロは甘くない。

佐藤強化担当は、「高校生からすぐにプロで活躍するのは難しい事。ただ、チャンスは大いにあると思うし、掴む、掴まないは、本人次第。だが、彼には、そうしたチャンスを掴む気持ちの強さはある。挫折も経験したが、乗り越えてきたし、プレッシャーの中でも越えてくる力はある選手、そして、ゴールで人の気持ち、周りを動かす能力のある選手だ。1点でも多く、早くゴールを決めてもらってステップアップして欲しい。」と速い段階での活躍に期待を寄せている。

小野関選手は、「ずっと目標にしていた夢が叶ったのは嬉しい気持ちだが、ここからがスタートだ。ここからが勝負なので、もっと努力して、もっといいプレーヤーになりたい。小学生の頃からずっとザスパの試合を見て憧れだった。そうしたクラブでプレーできることは嬉しい事。たくさんの人たちに恩返しの気持ちを持ってプレーしたい。とにかく全力でプレーし、点を取り、チームを勝たせて、たくさんの人に愛される選手になりたい。そして、海外に行き、海外でも点を取って、W杯でも点を取りたい。とにかくチームを勝たせられる選手になりたい。」と、まだまだ成し得るべきことは山ほどある。

小野関虎之介というストライカーのプロサッカー選手としてのスタートと成長を応援できる喜び、そして、その言葉通り、たくさんのゴールで、チームを勝たせる選手のストーリーを間近で支え、ともに歩んでいこうではないか。

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