SASAmemo 見えないものとの戦いに総力戦で打ち勝ちたい-ザスパクサツ群馬

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栃木との北関東ダービー。思うようにいかなくても、最後まであきらめず、同点ゴールを目指したザスパクサツ群馬は、土壇場で得たPKのチャンスをキャプテン・細貝萌が決め、同点に持ち込み、貴重な勝ち点を上積むとともに、得失点差で大宮を上回り、順位を19位へと浮上させることに成功した。もちろん、内容、結果ともに満足とは言えないが、それでも、これまでの様に、0‐1で終わらず、勝ち点を掴むことができたのは、リーグ最終盤の残留争いを勝ち抜く強い思いを感じることができた。

次節の東京V戦からは、水曜ゲームを挟んだ、今季最後の3連戦、そして、ライバルとの直接対決も控える重要局面に向かっていく。大槻ザスパが信じて貫いてきたサッカー、そして、栃木戦の様な思いを形にするサッカーで、残留につながる結果を掴みたい。

だが、そうしたチームの結束を難しくさせるのが、「新型コロナウイルス」である。

ザスパは、栃木戦前日の9/3に2選手の陽性判定が出たことを発表し、試合翌日の9/5にも新たに2選手が陽性判定になったと発表した。けが人やコンディションの関係で離れていた選手たちがおよそ戻り、大事なリーグ最終盤を総力戦で戦おうという矢先に、またチームメイトを欠くことになるのは本当に痛い。

Jリーグは、コロナのガイドラインを定めており、それによれば陽性判定になった場合、最低でも1週間はチームから離れることになる。仮に最短で戻れたとしても、練習量が落ち、コンディションを戻すために、最低でも1週間は必要になる。多くの時間を奪われてしまうのは言わずもがなだ。

また、陽性者が多数出ると、練習場の確保も困難になる。現在、ザスパは、主に、前橋市の施設であるコーエィ前橋フットボールセンターを利用しているが、これも利用ができなくなってしまう恐れがある。ただでさえプロチームが利用できるレベルの天然芝がある練習場は、前橋どころか、県内でも数が限られている。コロナの影響で、そうした施設が利用できなくなれば、占有施設を持たないザスパは、練習すらできなくなってしまうのである。

もちろん、コロナによって苦慮しているのはザスパだけでなく、各クラブ同じだ。チームによっては、クラスター状態になり、Jリーグの試合ができるGK1人を含む、13人の選手が整わず、試合が中止、延期になることも多くなってきた。また、GKをフィールドプレイヤーとして登録し、13人ギリギリで試合をしなければならない事態にも発展している。

もちろん、ザスパもチーム、クラブが感染防止対策に全力で取り組んできた。Jリーグが定める感染症対策はもちろん、クラブ独自にも基準を設け、対策を講じてきた。我々、取材側からしても、他では解禁になっている取材対応が、ザスパでは制限されていたりするなど、この問題について慎重に取り組んできたと感じる部分は多い。

1カ月ほど前にも数名の陽性者が出て、少し落ち着いたかと思ったが、それでも今回の様に複数名の陽性者が出てしまう。どんなに対策をしても、完璧な感染防止ができないのが現実だ。

シーズン最終盤、ザスパの残留争いは、ライバルチームとの戦いであるとともに、コロナとの戦いでもある。

大槻監督は、少し前、残り試合の戦について、「(コロナで)何が起こるかわからない、他のチームも大変。ケガならトレーナーの努力で短くできるが、コロナはそうはいかない。できることを最大限の努力でやりましょうというのは変わらない。」と話していた。

重要局面ゆえに、万全の態勢で臨みたい。ただ、それができないのはザスパだけではなく、他のチームも同じだ。

前置きがだいぶ長くなったが、改めて、総力戦なのだ。

チームの中心として今シーズン戦い続けた選手がいる、なかなか出番が回ってこなかった選手もいる、悔しい思いをし、シーズン途中にザスパへやってきた選手もいる、選手ひとりひとり、いろいろな思いを過ごしここまでやってきている。そして、言えるのは、皆が、今季の大事な戦力であり、この終盤局面で、力を発揮してもらわなければいけない存在だという事だ。

もちろん、ザスパを応援してくれる、県民、ファン、サポーターも同じだ。

チームのために、試合会場での応援も、ルールを守り、我慢してきたし、選手とのふれあいや練習見学など、他クラブでは一部、再開されてきたものも、引き続き、制限され、協力を続けてくれている。そんな中、栃木戦で、およそ2年半ぶりに声を出しての応援が解禁され、今後のホームゲームでも、声援による応援が再開されることになった。

シーズン序盤は大きな希望を感じたが、以降は、試練の連続だ。それでも、諦めず戦い続ける選手、チームが、まずは残留へ向け、光を掴もうと必死に戦ってくれている。栃木戦では、苦しいチームを支え、一体となり、最後の最後でゴール、勝ち点を掴むことができた。チームの状況が、この先、どうなるかわからないが、そんなサポートをこの後の8試合でも続けていきたい。

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