SASAnote トンネルを抜け出すために、さらに自らに向き合い、奮起する時-ザスパクサツ群馬

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長いトンネルから抜け出せない。

皆が待ちわびる、勝利という光を見つけるための「やり方」は違っていない。多くの選手がそのように感じているが、どうしてもたどり着かない。なんとも言えないもどかしさに支配されている状況だ。

「結局、個々人の部分。個人のレベルで改善できることは何か?ベテランだけでなく、若手も感じなければいけない。」

プロ10年目の畑尾大翔は、各選手が、もっと個人に、自分自身に向き合い事が大切だと考えている。

畑尾は、11試合勝ちがない現状について、「大きなピンチを作られていない中、自分たちのミスで失点してしまっている。ここ最近、同じような形で失点してしまっているのがもったいない。チャンスも作れ、自分たちのサッカーもできていないわけではない。悲観しすぎる必要はないが、失点の仕方の軽さとか、同じミスが繰り返されているので、それはしっかり、チーム全員で受け止めなければいけない。」ととらえている。

データを見れば、得点力の改善が急務となるが、ゲーム内容で言えば、この所は、自分たちのミスで失点し、ゲームを難しくしてしまっている。そして、それが繰り返されている。得点云々の話ではなく、それ以前の問題だ。故に、強い危機感を持っている。

畑尾は、現状を改善するためにスタイルの変更は不要と考えている。

就任1年目の大槻毅監督が提示するスタイルについて、「監督は、誰が出ても、同じサッカーができる仕組みづくりをしてくれている。」と話し、選手、チームに十分なものを落とし込んでくれていると説明する。そして、「チーム全体として大きく変える必要はない。去年より、自分たちのサッカーができているし、自分たちで意図的にチャンスを作る事も出来ている。」ととらえている。

向き合うべきは、自分自身だ。

畑尾は、「最後に、どういう判断をするかは個人。その個人の部分で足りないと感じるところがある。起きそうな現象に対する伝達や対応が足りない。特に予測の所が弱いと感じる。」と厳しく自分たちを指摘する。

昨シーズンザスパに加入し、38試合3得点を記録した畑尾は、今シーズン、途中ケガなどもあったが、それでも24試合に出場、出場時間はチーム4番目だ。プレーはもちろん、精神的支柱としてザスパに欠かせない存在だ。そして、常日頃から、現状に甘んじることなく、後々、後悔しないために、今にもっと向き合う大切さを、若手をはじめ、後輩たちにも伝え続けてきた。それは、自らが若い頃、先輩に言われ、やりきれなかった後悔があるからだ。厳しさも口にするが、特に若い選手たちに、もっと活躍して欲しい、羽ばたいて欲しいと期待をし、エールを送り続けるひとりでもある。

これは私見だが、残念ながら今のザスパは、選手にとっての目標となるクラブではなく、チャンスをつかむためのクラブというのが立ち位置だと思っている。経験ある選手にとっては、今一度、自らの力を示すための場所であり、経験の少ない若い選手たちにとっては、より上のカテゴリーにステップアップするためのアピールする舞台として。もちろん、クラブとしても、そうした選手の力を借りながら、クラブの価値、魅力を上げていけばいいのだ。いずれにせよ、今シーズンが始まるにあたり、それぞれにザスパクサツ群馬というクラブを選び、未来の自分をイメージしスタートしたはずだ。

「原点に立ち返るわけではないが、どこを目指しているのか。逆算をして、今何が必要なのか、個人にベクトルを向けないといけない」

自分たちが目指す場所はどこなのか、そこにたどり着くために、現状のプレーで足りるのか、レギュラーで、試合に出ていればそれで満足なのか。畑尾は、そうしたことも含め、もっと自分たち、自らが奮起し、やらなければならない、この閉塞感を打破しなければいけないと思っているのだろう。

もちろん、自分たちに向き合うのは、若手だけではないが、それでも、大きなポテンシャルがある若い選手たちには、この状況を打破する大きな力になって欲しい。だからこそ、もっと自分に向き合って欲しいと思う。ここからのザスパと自分自身を変えるためにも。

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