SVリーグは、シーズン終盤戦に入り、群馬グリーンウイングスは、プレーオフにあたるチャンピオンシップ進出を掛けた大事な戦いが続いている。
チャンピオンシップ進出には、レギュラーシーズンで8位以内に入る事が必要だ。また、4位以上になれば、チャンピオンシップ初戦となるクォーターファイナル(準々決勝)をホームゲームで迎えることができる。
各チーム、試合数に若干のばらつきはあるが、グリーンウイングスは、第16節までの32試合を終え、18勝14敗、勝率0.56でリーグ7位に付けている。チャンピオンシップ進出圏内ではあるが、5位PFUから11位Astemoまでは、まだまだ競った状況で、決して油断はできない。
レギュラーシーズンは、各チーム22節44試合で行われる。
リーグ前半戦こそ、7連勝を含め、14勝8敗と勝ち越したが、23節からの後半戦は4勝6敗と負け越している。後半戦の連勝は2連勝が1度あっただけ。特に、同一カードの土日で連勝することができていない。むしろ、5カードのうち、土曜のGAME1を勝ったのは1カードだけで、GAME1を落として、日曜のGAME2で取り返し、なんとか連敗しないで堪えているという印象の方が強い。
残りは、6節12試合で、対戦相手は、NEC川崎、東レ滋賀、岡山、SAGA久光、A山形、姫路だ。現在の順位で、4位以上のチームが3チーム、そして、12位以下の下位3チームとの対戦を残している。
どのチームとも、今シーズン2度目の対戦で、東レ滋賀、岡山、A山形には、いずれも2戦2勝と前回対戦で好成績を収めた。上位勢も、NEC川崎には圧倒されたが、SAGA久光とはフルセットの熱戦もあったし、姫路とは1勝1敗だ。チャンスは十分ある。ただ、グリーンウイングス含め、各チーム前回対戦とは状況は異なっており、楽観はできない。
そんな中、最も気になるのは、グリーンウイングスが、チャンピオンシップに進出するためには、どのくらいの成績が必要なのか?という所だろう。ひとつの目安になるのは、勝率「5割」のラインだ。
昨シーズンの成績で見ると、8位Astemoが23勝21敗、勝率0.52、一方、9位刈谷が20勝24敗、勝率0.45だった。SVリーグ以前のV1時代をみると、直近では、8位のチームで勝率が5割を超えることはなかった(23/24・0.36、22/23・0.42、21/22・0.36、20/21・0.29)。今シーズンは、例年よりも8位前後が争っているので、これまでより8位で通過するチームの勝率が上がりそうだが、勝率5割を越えられれば問題はないだろう。グリーンウイングスの立場で言えば、残り12試合を4勝8敗以上という事になる。
目安として挙げた勝率5割は、今シーズンのグリーンウイングスの力を考えれば越えられない数字ではないが、リーグ後半戦はタフな戦いが続いている。応援する側も含め、緩みは禁物だ。低い目標ではなく、しっかりと上を見た目標をもって進まなければならないし、選手、チームもそう思っているに違いない。
ただ、少し気になるのは、残り試合で、チャンピオンシップ入りを争うライバルとの直接対決が全くないことだ。直接対決に勝つことで、自らの力でライバルとの差を広げ、チャンピオンシップ入りをより確かなものにすることは、レギュラーシーズンの最終盤への勢いを増すだけでなく、チャンピオンシップに入ってからも大きなエネルギーになるだろう。もちろん、どのチームと対戦しても、グリーンウイングスのバレーで、一戦必勝を掴むことには変わらないのだが、この辺りのモチベーション作り、雰囲気作りをどうするかも注目したい。
ここまでは、オリビア・ロジャンスキ、ナシア・ディミトロヴァ、ジャン・ティ・タン・トゥイーの3選手の攻撃力を武器に、山下遥香、仁井田桃子、工藤真帆の新加入選手もしっかりと機能し、結果に繋げてきた。苦しい時には、キャプテンの髙相みな実が常に、勢い、流れを呼び込んできてくれたが、相手の対策、マークも厳しくなる中、更なる成長、変化が必要だ。
坂本将康ヘッドコーチは、シーズン当初から、日本人プレイヤーの成長をチーム強化のカギとしていた。スタートメンバーだけでなく、途中からコートに入り、流れを変えられる、個々の特徴を活かす事で、チームとしてのバレーの幅を広げられる、そうした事が、チームの強化につながると考え、取り組みを続けてきた。
そんな取り組みが実を結び、後半戦では、大卒ルーキーたちの活躍が目立っている。
佐藤莉子、中野康羽、門田湖都を中心に、コートに立つ時間も多く、スタメン機会も増えてきた。ここからより厳しさを増す試合が続くので、プレッシャーもますますかかるだろうが、これまで同様、臆せず挑んでいって欲しいし、自分のできる事、託された役割を遂行して欲しい。坂本ヘッドコーチも、仲間も、「できる」と信じた上でコートに送り出しているのだから。そして、この経験が、来シーズン以降でも、彼女たちの大きな成長につながるに違いない。
また、個人的には、困難な局面だからこそ、在籍経験が長い選手たちの活躍に期待したい。副キャプテンでもある道下ひなの、藤井寧々、さらに、菊地実結、松浦未波は、このチームをSVリーグに押し上げるために尽力してきた選手だ。V1昇格の壁に阻まれ続けたV2時代、そして、昨シーズンの開幕35連敗。良い事よりも、苦しんできた事の方が多いかもしれないが、彼女たちが諦めず、投げ出さず、ひた向きに歩み続けたことで、今のステージがある。初めてのチャンピオンシップ進出へ、プレーはもちろん、リーダーシップやメンタル面で、どう支えてくれるか注目だ。
グリーンウイングスの日々の活躍で、ホームゲームを中心に、多くのファン、県民が詰めかけ、選手とチームに大きなエールを送ってくれるようになった。期待とともに、ともに勝利を掴もうという心強い仲間が、どんどん増えている。前述に上げた目安はひとつの参考として、まずは次なるひと試合に向け、いい準備と一体となったグリーンウイングスらしいチームバレーで勝利を重ねていこう。そうすれば、必ずや、初めてのチャンピオンシップの舞台に辿り着けるのだから。






