【THESPA】宮崎キャンプレポート・取材日最終日 J2大分TMレポート

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取材最終日となった19日、ザスパはJ2大分とトレーニングマッチを行い、45分×3本の試合形式で3-3の引き分けだった。

このキャンプでは、2日目に、J1柏とトレーニングマッチを行い、0-5で敗戦していた。先にキャンプインしていた柏と、キャンプ2日目のザスパでは、仕上がり具合に大きな差もあったが、J1とJ3のカテゴリー差も感じる結果、内容だったようだ。

非公開で行われた柏戦の内容は不明だったが、大分戦に向けたトレーニングの中では、ボール奪取後、攻撃に移る際、すぐにボールを失ってしまう点などを改善する取り組みが行われた。

また、前日の選手コメントでも、内容面の改善だけでなく、ゴールや勝利と言った結果にもこだわっていきたい思いが述べられていた。

そうした事を踏まえ、大分戦を振り返ると、ポジティブな点が多かったと感じた。

鋭いカウンターを持つ相手とは言え、カテゴリー上の相手に、3本ともボールを握る時間は多く、前進することを意識したボール回しからチャンスも多く作れていた。3得点と複数得点も挙げ、流れの中からFWの選手がしっかりゴールを奪ったのも良かった。

基本的なスタイルは、昨シーズンの「超・攻撃スタイル」で変わらず、最終ラインからGKも含め、ビルドアップしていくスタイルだ。そういった意味では、戦術的な部分で目新しさは感じなかったが、去年から継続する選手たちの組み合わせでは、より連動し、ボールもスムーズに動き、積み上げてきた成果を実感した。

高い位置からボールを奪いに来る選手に対しても、プレッシャーに負けず、しっかり引き付け、味方がいい位置取りでボールを受け、相手を置き去りにする、背後を取っていくシーンも多かった。

新加入選手をはじめ、新しい組み合わせでは、パスがズレたり、欲しい所にボールが入らないなど、ぎこちなさを感じるところも無い訳ではないが、沖田優監督やコーチ陣からも、プレーに対して意図があったことを評価されたり、選手間でも、ピッチ内外で、積極的なコミュニケーションが図られ、前向きに改善していこうという姿があった。やればやるほど、関係は良くなっていくだろう。

一方、昨シーズンから出ている改善すべき部分も散見された。

攻撃では、どのセットでも開始早々から押し込み、何度か決定機のチャンスを生み出したが、決めきれないシーンがあった。昨シーズンも、先にチャンスを掴みながら得点できず、その後、失点してしまい、ゲームを落とした試合が何度もあった。いい形で崩しても、ラストパスの精度を欠き、ゴールに繋がらないシーンもあった。選手のスキルアップとともに、前述した関係性の向上で、チャンスを逃さないチームにならなければならない。

また、浮上のためには、総失点リーグワースト4位からの大幅な改善も求められるが、昨シーズンの失点パターンにもなっていた、サイドからの突破を止めきれず、クロスに対してもルーズになってしまう場面がこの試合でもあった。回数が多かったわけではないが、相手のファーストチャンスが、あっさりと失点に繋がる事は、大きな課題でもあった。守備の仕方については、チームとしての明確なものを持っているが、局面、状況での強さ、ゴール前の粘り強さはさらに増していかなければいけない。

そして、何より、勝てなかったという結果の部分だ。格上相手に、自分たちのサッカーで、取るべき人たちがゴールを奪い、複数得点は素晴らしいが、勝ち切る事ができなかった。勝ち点3を取り切るチームになるために、勝負強さも身に付けたい。

継続路線のチームにおいて、戦い方だけでなく、選手の起用法についても、ある程度、想定内のものであったが、役割という意味では、昨シーズンと違ったり、新たなチャレンジをしている選手もいた。自らが輝くために、チャンスを掴むとともに、百年構想リーグだけでなく、その先、J2復帰へ、チームの力となる活躍を期待する。

個々、選手たちのプレーで見ていくと、昨シーズン、多く試合に出た選手や実績ある選手たちは、それぞれに安定感のあるパフォーマンスを見せてくれていた。一方、昨シーズン、出場機会などで悔しい思いをした選手たち、そして、ルーキー選手のプレーが印象的だった。

この日、ゴールを決めたFW田中翔太は思い切りよい振り抜きからゴールネットを揺らした。昨シーズン、ザスパに加入も、27試合で2得点にとどまり、不本意なシーズンとなったが、今シーズンは、ゴールへの意欲をさらに強くし、しっかりと結果でアピールしてくれた。前線は、特徴ある若き才能を多く迎え、活気づいているが、得点感覚に優れる田中も、レギュラー奪取に燃えている。

GK志賀一允は、何度か訪れた1対1のピンチの場面で、至近距離のシュートを止める好セーブを披露した。昨シーズン途中にザスパに加入、Jリーグの世界に飛び込んだが、リーグ戦出場には至らなかった。近藤壱成、キム・ジェヒと素晴らしい二人もいるが、「俺も忘れるな!」とアピールするに十分なシュートストップ能力が印象的だった。

ルーキーイヤーは、ケガに悩まされたDF秋元琉星は、闘争心溢れるプレーで、完全復活を印象付けた。さらに、この日は、大学時代以来となるキャプテンマークを巻いてプレー。大きな声でチームメイトを鼓舞しつづけ、リーダーとして支える、引っ張るという秋元らしさを見せてくれた。失点減には、チーム全体の取り組みとともに、前述の通り、局面での強さ、責任を持ったプレーが欠かせない。彼にはそんな役割を期待したい。

ルーキーでは、FC東京U18出身の古賀竣が印象的だった。左足の精度の高いキックはもちろんだが、常に、前を意識したプレー、積極的な関り、物怖じしない姿勢など頼もしさを見せてくれた。フィジカル面の成長をはじめ、ひとつひとつ積み重ねていく事で、プロデビューの日も早くやってくるのではないかと期待する。

列記した選手以外にも、各選手が、チームサッカーとともに、個々の特徴、強さを出していこうというのが頼もしかった。

今シーズンは、リーグの移行に伴う、1年半の特別シーズンだ。ザスパにとっては、J2復帰を掛けた8月からの26/27シーズンのJ3が本当の勝負になるが、各選手たちは、昇降格がないリーグとは言え、もうすぐに迫る百年構想リーグの開幕からスタメン奪取、メンバー入りに向けて熱い取り組みを続けてくれている。

継続、積み上げ、成長、進化。「挑戦の先へ。」

ザスパが掲げる「超・攻撃的サッカー」で掴むJ3優勝、J2復帰へ。選手、チームは、宮崎の地で頼もしい取り組みを続けてくれている事を感じることができた。

宮崎キャンプも最終盤、トレーニングマッチはあと1試合残っている。ケガなく、更なるアピールを続けてもらい、まずは、ともに百年構想リーグの開幕へ向かおう。

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