群馬グリーンウイングスは、11月29日、30日の2日間、太田市のオープンハウスアリーナ太田で、東レアローズ滋賀と対戦し、いずれの試合も勝利を収めた。グリーンウイングスは、6連勝で、今シーズン10勝目。順位も5位に浮上した。
30日日曜のGAME2は、第1セット、第2セットと、2セット連取し、第3セットもリードしながら最終局面を迎えたが、東レ滋賀が粘りを見せ、デュースに持ち込まれると28-30で落した。それでも、相手に流れを渡さず、第4セットを25-19で取り、セットカウント3-1で勝利した。
勝利を重ね続けるチームに、勢い、強さを感じるが、セッターの山下遥香は、難しい試合だったと振り返る。
「なかなか、いい状態で攻撃に持っていけなかった。決定打が出ず、相手に切り返されてしまった。相手の事よりも、自分たちのコート内が上手くいかなかった。」
「チームとして自分たちの強みを生かす展開や流れはできているが、終盤、相手が迫ってきた時に脆さが出たり、コミュニケーションが足らず、もったいない失点がある。そこは詰めていかないといけない。」
もちろん、得点源であるオリビア・ロジャンスキはじめ、ナシア・ディミトロヴァ、ジャン・ティ・タン・トウイーの3人の外国人選手が、好調・グリーンウイングスの原動力になっているのは間違いない。ただ、彼女たちだけでなく、他の日本人選手たちも、それぞれの持ち味、良さ、役割を果たしながら貢献し、チームとして戦えているのが、勝利数を増やせている要因だ。
副キャプテンの道下ひなのも、自らの役割を意識しながら、仲間とともに一体感を持って戦えている事を強調する。
「自分が、副キャプテンとして何かやれているかと考えた時、髙相キャプテンが引っ張っているので、私は、くじけそうな時に手を差し伸べられたらと思う。コートに立った時に、皆が同じ方向を向けるよう意識している。」
「今シーズンは、外国人選手が素晴らしく、得点源でいてくれる。そして、周りの選手も素晴らしい。だから、自分は『整える係』なので、外国人選手がより良くプレーできるように細かい所を意識してやっている。」
「ミドルブロッカーだけど、攻撃の本数が多い方ではないので、サーブからのディグという所で、自分がどれだけブレイクを取れるかどうかが勝利につながると思っている。きょうは、3セット目取れそうなところで取れず、チームとしてよくない雰囲気になったが、絶対4セット目で終わらせるという覚悟で入った。」
チームの一体感は、山下も感じているところだ。
「難しい場面でも、コート内外、声掛けなど全員で助け合えたのが良かった。私自身のパフォーマンスは良くなかったが、レシーブで1本目を上げてくれて、スパイカーがカバーしてくれた。コートの外からもたくさん声を掛けてもらって、チームの皆に助けられたと思う。まだまだ、これから試合を重ねるごとにチームの完成度を高めたいと思う。」
6連勝の対戦相手で見れば、アランマーレ山形、岡山シーガルズ、東レアローズ滋賀と、今シーズン、リーグ下位で苦しんでいるチームだ。
ただ、この連勝の中には、フルセットにもつれ込む難しい展開の試合もあった。それでも、そうした試合をしっかりとモノにできていることも大きい。
さらに、坂本将康ヘッドコーチは、自分たちのバレーボールで戦い、勝利を積み重ねていることに意味を感じている。
「いろんなメンバーが加わり、自分たちのバレーを構築している途中なので、良くなるしかないと思う。6連勝で得たものがあるとしたら、勝ちにつながる得点パターンを得たことによる自信。そこに持っていけば、点を積み上げられるという自信を得たと思う。勝ち方のサンプルが多い、そこにエッセンスが加わればさらに良くなるという拠り所は得たと思う。」
「(攻撃パターンはもともとあったが、)精度が上がっている。それは、阿吽の呼吸のようなもので、予測と現実が合致する確率が高い。もちろん、ズレることもあり、チグハグすることもあるが、そこはコミュニケーションの数が大事になる。」
ただ、坂本ヘッドコーチは、勝ちが増えることで、難しさが生まれることも危惧している。
「選手たちは、『勝たなきゃいけない』と思い始めているかもしれない。チャレンジすることから、受けてしまうことも起きるかもしれない。それも、6連勝したから生まれるものかもしれない。相手を見てしまいがちだが、そうじゃないのが、グリーンウイングスだとありたい。」
連勝していても、向上する気持ちをしっかりと持ち続けたい。もちろん、今のグリーンウイングスにそうした気持ちの緩みはない。その部分は、坂本ヘッドコーチも感じている。
「何も成し遂げていない状況。選手たちには、一戦必勝で、次の高みを目指すというのが本能で染みついているので、緩みは心配していない。ただ、疲れで、パフォーマンスが落ちてしまう事は心配している。そういう時に、今、出ていない選手たちの活躍が必要だ。チャンスがあればコートに立ってもらいたいし、チーム全体として補うのが、チームスポーツのメンバーだと思う。」
シーズン中は、土日を中心に連戦でタフな戦いが続くSVリーグ。グリーンウイングスも6連勝はしているが、フルセットマッチも少なくなく、コート内の選手たちからも疲労の色を感じるのも確かだ。また、12月は、攻撃のキープレイヤーでもある、ジャンが、ベトナム代表の活動のため一時離脱する。勝利のために、さらにグリーンウイングスの総力を挙げた戦いが必要だ。
そして、次節は、今シーズンのリーグ優勝候補のひとつで、日本代表メンバーを数多く擁する3位のヴィクトリーナ姫路とのアウェイ2連戦だ。好調なグリーンウイングスと言えども、ハードな戦いが求められるのは明らかだ。
そんな試合でも、坂本ヘッドコーチは、自分たちの形を強調する。
「姫路は、うちとやって2位なわけじゃない。そういう時こそチャレンジが必要、相手じゃなく、自分たちがどうやりたいか、自分たちのやってきたことに、どれだけハメられるかというチャレンジだ。ガムシャラでなく、意図のある、ロジカルな形で戦いたい。」
「こっちも、向こうも、勝ち方を知っている。将棋の対局で、勝負の一手となるような、向こうも思っていなかった一手を生み出すことができるか。それまでは、五分で進めていくことも大事だろう。」
今シーズン、ここまでのグリーンウイングスは、アタック決定率41.1%でリーグ2位、バックアタック決定率49.1%、アタック決定本数977本はともにリーグ1位、さらに、サーブ効果率も11.8%でリーグ3位と攻撃的なバレーで勝利を重ねている。6連勝も、5位という順位も、たまたまではない。自分たちのバレーでつかみ取った結果なのだ。自信を持っていい。
次節・姫路戦は、周囲も含め、注目される一戦だ。グリーンウイングスのバレーを出し切り、勝利を掴み、さらに飛躍するゲームにしよう。




