群馬グリーンウイングスが、待望のSVリーグ初勝利を挙げた。
大同生命・SVリーグ女子の群馬グリーンウイングスは、16日、ホームでクインシーズ刈谷と対戦し、セットカウント3-0(25-23、25-17、25-19)でストレート勝ちを収めた。グリーンウイングスは、今季からトップリーグ初参戦となり、リーグ開幕から勝利を挙げる事ができず、悔しい日々が続いていたが、開幕から36試合目で、ついに勝利を掴むことに成功した。
また、クラブ、チームの歴史にとっても、節目の大きな1日となった。1975年に誕生した9人制の名門チームが、2015年に6人制に転向し、当時のVリーグ参入を表明。以降、3部相当のカテゴリーからトップカテゴリーを目指して戦ってきたが、その時から10年目となる今シーズン、SVリーグ生まれ変わったトップリーグに参入し、そして、この日、トップカテゴリーでついに勝利を掴んだのだ。
きょうの試合は、攻撃面で各選手が持ち味を発揮するとともに、守備面でも、ボールに食らいつく、粘り強いレシーブ力を見せ、流れを失うことなく、終始、グリーンウイングスペースの展開となった。
第1セットでは、終盤まで競り合ったが、マルティニューク・アリョーナや林田愛佳の得点でこのセットをものにした。
第2セットは、序盤の競り合う場面で、髙相みな実、マルティニュークのアタック、道下ひなのサービスエースなどでリードし、その後も、流れを失わず、2セット連取に成功した。
第3セットも、髙相やマルティニューク、藤井寧々などが得点を重ね、相手を突き放し、リードすると、最後は、24-19の局面から林田が決め、セットカウント3-0のストレートで、SVリーグ初勝利を手にした。
スタッツで振り返ると、攻撃では、マルティニュークが躍動、アタックでチーム最多となる17得点、決定率44.7%と高い数字を記録し、チームを引っ張った。
また、ミドルブロッカーの林田、道下も存在感を見せ、林田は、アタックで10得点(決定率55.6%)、ブロックで3得点、サーブで1得点を記録、道下は、チーム2番目のサーブ本数となる13本を打ち、1得点を挙げ、サーブ効果率15.4%を記録するなど、チームに流れを呼び込む活躍を見せた。
チームのエースである髙相も、アタックで、バックアタック3得点を含む、13得点を記録するなど持ち味を存分に発揮した。
こうした攻撃陣をキャプテンの角谷未波が巧みなトスワークで操り、効果的に得点を重ねていった。その角谷も、おしゃれなツーアタックを披露したほか、サーブでも1得点、サーブ効果率11.7%を記録し、気持ちよくバレーができている様子だった。
一方、守備面では、前日からミドルブロッカーのローテーションを変え、ブロックとレシーブの関係を見直した。レセプションやディグなど、粘り強く拾い、繋ぐシーンが多かった。また、フロアに落ちてもおかしくないボールにどんどん食らいつき、懸命のレシーブで繋ぐ場面も多く、気持ちを前面に出したプレーが印象的だった。
齋藤真由美監督
「やっと勝つことができた。今日は最初から高い集中力をもって、自分のやるべき役割を全うしたからこその1勝だと思う。私たちを温かく応援してくださる皆さまが、今日もたくさん集まってくれて、その応援の力が何よりも選手の支えで、なんとか皆さんに喜んでもらえるようなプレーをしようと、今日も懸命に頑張ってくれた。ホームの運営に携わってくれる皆さん、審判の皆さんも涙してくれる姿を見て、胸が熱くなった。ただ、この1勝に浮かれず、気を引き締め、ハードワークをしていきたいと勝った瞬間に思った。」
角谷未波キャプテン
「今まで苦しい試合が続いていたが、初勝利を挙げられた。自分たちがやりたい事、やるべき事をやり、選手全員が勝ちたいという思いと、スタッフと一体感を持って臨めた所が良かった。今まで落ちていたボールが今日は繋がって、思いを込めて、最後、スパイカーが決めきってくれたところが勝因だと思う。嬉しいのひと言だ。今日、勝ったことによって、トスの配分、トス回しで、いい経験、勉強になった2日間だった。こういう流れで、ここにトスが上がれば決まるんだというのを試合の中で感じた。次週に向け、良い所は伸ばしつつ、課題は伸びしろとして捉えたい。次の2連戦は勝った後の試合になるので、モチベーションが高まった状態で臨める2戦だと思う。気持ちを引き締めていけるように全員で頑張りたい。」
マルティニューク・アリョーナ選手
「バレーボールはチームスポーツ。今日は、すべての部品が上手くはまって、上手くプレーできたので勝てたと思う。ここまで長い時間がかかったけれど、私も含めチームみんなが一生懸命練習してきた。今日、勝って、みんな泣いていたが、私は泣かなかった。なぜなら、今日は、勝つ予感があって、その通りになったからだ。」
髙相みな実選手
「勝った時に、チームメイトも含め、会場中が涙を流す光景を目の当たりにして、本当に素晴らしいチームだなと改めて思った。自分たちの勝ちパターンが何かと言うのを全員で模索してきたが、自分たちの良さが再確認できた試合だった。この1勝で今後どういう戦いをすれば、自分たちのパターンで勝ちに持っていけるか、こういう事をしたら負けてしまうというのを全員が認識できたと思う。そういう所が、今日の勝ちの大きなところだと思う。」
林田愛佳選手
「苦しい時間がすごく長かったが、その期間を、選手、スタッフ、ファンの方々全員で諦めずに頑張ってきた成果がこの1勝だと思う。この勝利に満足せず、また次に向けて頑張りたいと思う。本当に今日は良い1日になったと思う。2日間、自分がやってきたことを出し切るという気持ちと、頑張るというよりも試合を楽しむという気持ちで臨み、それができたと思う。そして、ひとりじゃなくて、全員に支えてもらっているなと感じた2日間だった。」
道下ひなの選手
「移籍してきて、トップカテゴリーでみんなと勝利を掴みたいという自分の思い描いていたものがやっと届いた。本当にうれしい。辛い事の方が多いけど、この瞬間のために、この36試合を積み重ねてきて本当に良かった瞬間だった。あと少ししかこのメンバーではできない。今シーズン、何ができるかと言えば、残りの試合、全部勝つつもりで挑む事だし、それぞれ選手が、残りの試合、コートで何をできるかをしっかり体現しないといけないと思う。今は、この1勝で、嬉しさ、満足はあるかもしれないが、全員が、2勝目、3勝目に向けてやっていくことが必要だと思うので、日ごろの練習から頑張りたい。」
白岩蘭奈副キャプテン
「ホームゲームで勝てたという事が意味のある1勝だったと思う。前日の試合から『勝ち目があるな』という手ごたえを全員が感じていたと思う。そういった所をチーム全員が役割を全う出来た結果だと思う。ただ、今シーズン入った時に、『1勝する』というのが目標ではなかったと思うし、ゴールではない。でも、このタイミングで1勝を挙げられたというのは、本当に意味がある事だと思うし、次につながる1勝だと思う。この後の戦い方を自分たちがどういう戦い方をするのかというのが、残りの試合で大事になると思う。ここがゴールではないという事をチーム全員が満足することなく次の試合の準備をしっかりやっていきたい。」
リーグは残り8試合となる。次戦は、3月22日土曜、23日日曜に山形県天童市の山形県総合運動公園総合体育館で行われるアランマーレ山形との2連戦だ。V2時代からのライバルを相手に、前回対戦はホームで2連敗と悔しい思いをしている。初勝利に満足することなく、引き続き、1試合、1試合を積み重ね、前回のリベンジを果たすべく、2勝目、3勝目を目指すのみだ。引き続き、チーム、ファン、一体となり勝利を積み重ねていこう!
<今後の試合予定>
3月22日土曜 14:05、23日日曜 13:05 アランマーレ山形(山形県天童市・山形県総合運動公園総合体育館)
3月29日土曜 13:05、30日日曜 13:05 Astemoリヴァーレ茨城(茨城県ひたちなか市・ひたちなか市総合運動公園総合体育館)
4月5日土曜 14:05、6日日曜 14:05 岡山シーガルズ戦(前橋市・ヤマト市民体育館前橋)
4月12日土曜 13:05、13日日曜 13:05 岡山シーガルズ戦(岡山県岡山市・ジップアリーナ岡山)