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SASAnote それぞれの未来のために、結果に繋げたいラスト2試合-ザスパ群馬 公開練習フォトレポ

ザスパ群馬は、残り3試合という段階で早々とホーム最終戦を迎え、残すはアウェイの2試合のみとなった。チームはオフを挟んで、次節・大分戦に向けトレーニングをスタートした。

先週に続き、この日も、リーグ戦に出場した選手、それと、翌日の練習試合に出場した選手に分かれ、それぞれに調整を行った。

ふと、この所、練習試合の機会が増えたように感じたので、武藤覚監督に伺うと、「これまでもやりたかったが、夏場だったことや、こちらでできる場所も限られるし、アウェイの後では、どこかに試合に行くのも時間がかかるのでできなかった。」と言う。

それが、ザスパークができたことで、対戦相手を迎えて、練習試合も組めるようになり、機会が増えているのだという。

先日は、大学チームを迎えての練習試合だったが、武藤監督に手ごたえを聞くと、「モチベーションが難しい中、正直、ゲームへの姿勢が出ない選手がいてもおかしくない状況でも、選手たちは良くやってくれている。点も取ったし、試合にも勝った。選手たちは、もがきながらも、良いものを出そうとしている。」とポジティブなものがつかめた様だ。

J3降格が決まり、今季の最下位も確定した。リーグ戦に勝っても、何も変わらない状況下に、将来性のある若い選手を起用して、来季につながるような戦いをした方が良いのではないか?という考えもある。

だが、武藤監督は、「勝ち点も、ゴールも取れていないので、何かを変えないといけないが、ゲームに向かう姿勢は変えない。ちゃんとトレーニングをして、いい準備をして、ゲームでパワーを発揮してくれそうな選手を使いたい。」「試合では年齢に関係なく、良い選手を使っているだけ。そういった選手たちを超えなければ使われないし、その基準を変えたらゲームに勝てない。」と考え方を教えてくれた。

だからこそ、控えやメンバー外の選手たちにとっては、日々の練習とともに、練習試合が意味を持つ。武藤監督は、「みんな頑張っているからチャンスをあげたい。そのために、練習試合の出場時間を長くするなどしている。」と話す。

残り2試合ではあるが、練習試合を通じて、メンバー入りを掴み、ゴール、勝利に貢献してくれる選手が現れることを信じて、待ちたい。

全体練習が終わり、多くの選手が、個別練習を終えて練習場を後にする中、黙々とシュート練習に励む選手の姿があった。瀬畠義成だった。

大卒2年目の今シーズンは、長崎から、夏に、期限付き移籍で加入した。23節・愛媛戦に途中出場でザスパデビューを果たし、その後も、起用が続いている。契約の関係で出場できなかった長崎戦を除き、現在、11試合連続でスタメンフル出場だ。ただ、ザスパでは、本職のボランチではなく、センターバックで起用されている。

それなので、「守備の選手が、シュート練習?」と思い、練習後に聞いてみると。

「CBもそうだし、ボランチでも、いらないスキルはない。ボランチならなおさら何でもできないといけないのがスタンダードだと思っている。」「きょうは、シュート練習だったが、先週は、背後対応やヘディング練習もやっていた。ひとりのサッカー選手として能力を上げていかないといけない。どの監督であっても、個の力は求められるから徹底的に積み上げないといけない。」と理由を教えてくれた。

今シーズン、長崎では、カップ戦でこそ先発出場が多くあったが、リーグ戦では途中がほとんどで、出場機会も限定的だった。ザスパへは、出場機会を求め、自分の価値を見出すためにやってきている。

そんな瀬畠は、「ボランチをやっていたので、ボランチをやれればというのはあるけれど、一番は試合に出て、チームの勝ちに貢献する事。それに、自分のサイズを考えるとCBできないといけない。これからのサッカー人生を広げる可能性を見出す事ができると思う。」と試合出場を最優先に、前向きな姿勢で取り組んでいる。

CBでコンビを組む、小柳達司に聞いても、「彼は、サッカーに取り組む姿勢や人間的にまじめな選手。大卒2年目で試合に出始めて、今度は、出続けているからこその悩みもあると思う。チーム状況もあり、いつものポジションとは違うけれど、彼の経験になると思う。」「DFなので僕らはゴールを背負っていて、結果に責任を感じる部分がある。彼も、そうした立場で戦ってくれている。あと2試合でつかめるものがあったら嬉しい。」と姿勢を評価し、サッカー人の先輩として成長を期待している。

来季の事は何もわからないが、瀬畠義成にとっても、この環境、このチームでの戦いは、あと2試合だ。

「いい準備して、勝ち点を取りたい。ファン、サポーターの皆さんも、降格が決まっても、スタジアムに足を運んでくれ、あれだけの応援してくれる。そんな環境はなかなかないし、期待してくれているのだから、我々、選手も応えないといけない。結果を出せるように、自分も、チームも向き合っていきたい。」と話す。

直向きな取り組みを続ける彼にとって、素晴らしい残り2試合になって欲しいし、それが、我々、ファン、サポーターにとっても喜びになるのだと思う。

ザスパは、J3降格、リーグ最下位が確定した。しかし、これからの全てが終わったわけではない。選手も、スタッフも、クラブも、サポーターも、それぞれにこれからの時間が続いていく。だからこそ、今、頑張ることが、未来に繋がっていくのだ。一方で、このチームでの戦いはあと2試合しかない。今シーズンは、何度も、何度も、ザスパを信じてきたが、試合の度に打ちのめされてきた。それでも、私たちがやるべきことは、次の試合に向けて、できる準備を尽くし、試合に臨む、それしかない。ザスパに関わる、みんなの未来のためにも、今度こそ、今度こそは、勝利を掴みたい。

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