SASAmemo フロックではない、ラスト5試合を信じてやれるか-ザスパクサツ群馬公開練習フォトレポ

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「僕たちは、今までの流れを自分たちの力と信じてやれるかどうかが今後、大事になる。それは、次の試合も含めて。フロックではない、しっかりやればいいと思う。」

ザスパクサツ群馬を率いる大槻毅監督は、メディアが欲しがるような、耳障りのいい言葉を発する指揮官ではない。PO争いと周囲が騒いでも、あくまでも目の前のひと試合に集中する事、そして、それを積み重ねることを大事にする。ただ、ここからの5試合が、ザスパというクラブにとって如何に重要だという事も理解している。シーズン最終盤の今、この位置で戦えること、そして、クラブの未来につながるここからの重要な戦いを勝ち抜くために、これまで同様、皆とともにやってきたひと試合に集中し、一致団結し、「ザスパだからできる」という事に全力で挑めるかどうか。それも、選手たちだけでなく、我々、サポーターにも求めている。

クラブ初のPO争いを続けるザスパだが、ホーム3連戦を3引き分けとし、大きく勝ち点を伸ばすことができないもどかしい時間が続いている。幸いというべきか、PO入りを争うライバルたちも一進一退の状況が続いており、順位こそ10位のザスパだが、6位長崎とは勝ち点4pt差とチャンスを残している。未消化試合の関係で、ライバル勢よりも1試合多い5試合を残す状況で、逆転でのPO入りを目指し、次節・藤枝戦に挑む。

万年、残留争いのクラブが、一転、PO争いをしている。選手たちに聞いても、上を見て、緊張感のある中で戦えることに喜びを感じているという声も多く聞こえてくる。

大槻監督も、「去年は下でヒリヒリしたが、上でヒリヒリするのは良いんじゃない?ドキドキするし、ワクワクするし。」と選手たちの気持ちに理解を示すが、一方で、「落ち着いてやればいいと思っている。高ぶりすぎて、普段からのものが欠けていくより、充実したものをちょっとずつちょっとずつ積み上げていく方が良いんじゃないかと思う。」と冷静さを失わない。

そうした中、9月に入ってからの7試合で、1勝4分2敗という成績だ。勝ち点は取れている、連敗もしていない、しかし、勝ちに繋がらない。理由は明白で、得点力不足という事になる。7試合で3得点、ひと試合平均0.4点では勝ちにはつながらない。得点力アップは急務だ。

大槻監督は、「うちは先に点が取れればカチッとしたことができるので、そういう事ができるかどうか。点を取りたいことは取りたいが、できないこともある、それが今、来ているのかもしれない。残り5試合でそれをひっくり返すようなことにトライする事を喜びとしたい。頑張ってやっていきたい。」と巻き返しを誓う。

そんな中、明るい話題は、副キャプテンの岡本一真の復帰だ。7月5日の第21節・熊本戦のHTで退いて以来、実に3カ月ぶりの復帰となった。

岡本の復帰について、大槻監督は、「(岡山戦は)誰が見ても良かった。年齢が若いが質は良い選手、誰もが認める存在。ただ、コンディションについては分からないところもある。」と評価する。さらに、「プレー、トレーニングの姿勢など、言葉にしなくても周りから認められる存在だし、人間性がある。彼は口下手だけど、みんなにいい影響を与えてくれると思うし、期待している。」と話す。

岡本自身は、「決定力と攻撃の部分で相手を打開できるプレーをチーム全体で意識して、点を取ることを意識したい。個人としても、ワンプレー、ツープレーでチームの流れを変え、勝ちにもっていけるようなプレーをしたい。」と意気込んでいる。期待しよう。

シーズンは最終盤だ。いつもと違う位置での戦いに誰もが様々なことを思いめぐらし、どこかフワフワと地に足がつかない部分もあるだろう。そんな中でも、大槻監督は変わらない。

「サポーターに勝ち点3(勝利)を届けるのが時間がかかっているので、(藤枝戦は)それをやり遂げたい。藤枝のスタジアムは、サポーターの顔をしっかり見える。サポーターの皆さんに喜んでもらえるよう何としても勝ち点3を取りたい。いろいろあるけれど、そこが一番のモチベーションです。」と話す。

大槻ザスパのスタイルは変わらない。ひとつひとつの積み重ねでしかない、そして、我々は、この位置で戦える強さを身に付けたからこそ、シーズン最終盤の今、PO争いをすることができているのだ。チーム、選手が、目の前のひと試合に全力で向き合っているならば、応援する我々も、ザスパと共に、気持ちをひとつに、藤枝戦でのゴール、勝利に向かって、ひとつひとつ全力で戦うのみだ。

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