SASAmemo 22‐23シーズン 個人記録振り返り-群馬銀行グリーンウイングス

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27日のファイナルをもって、今シーズンの全日程が終了したV2女子。リーグ終了をもって、今シーズンの各賞が確定し、群馬銀行グリーンウイングスからは、キャプテンの松尾奈津子選手が、敢闘賞を受賞した。

V2女子・準優勝となったグリーンウイングスは、この後、V1・岡山シーガルズとの入替戦に臨むが、リーグとしての個人賞は、技術部門の個人賞がレギュラーラウンド終了時点の成績、その他の個人賞はファイナル終了をもって確定する。

各部門ごとに集計方法は異なるが、前提条件として、チーム全試合数の70%以上の出場数とチーム全セット数の67%以上の出場セット数をクリアすることが必要になる。グリーンウイングスで言えば、14試合以上、51セット以上に出場した選手が対象になる。

今シーズン、グリーンウイングスの個人賞は、松尾選手のみとなったが、チーム内での個人記録を見ながら、今シーズンを振り返りたい。

<総得点(得点王)>

チーム内での総得点トップは、ハンタヴァ・エヴァンゲリア選手で、204得点を記録、リーグでは22位となる。エヴァ選手に続くのは、菊地実結選手で180得点(28位)、藤井寧々選手が169得点(31位)と大卒ルーキーのふたりが続いた。

個人記録としてはリーグ上位に入ることはなかったが、チームとしての総得点は、1138得点でリーグトップだ。この辺りは、レギュラーを固定せず、多様な選手を起用するスタイルが反映されたと言えるだろう。今シーズンのグリーンウイングスは、得点の部分でも、誰かだけに頼らず、各選手が力を発揮してくれたチームだった。

<アタック決定率(スパイク賞)>

アタックで高い決定率を残したのが菊地選手で、リーグ3位となる40.9%を記録した。ミドルブロッカーだけでなく、オポジット、セッターと多様なポジションで活躍でき、高い決定率でチームの攻撃を支えるとともに、チームの戦いに幅を持たせてくれた。

また、高卒2年目の小林知加選手も、38.7%でリーグ8位の好成績を記録した。昨シーズンは、リリーフサーバーでの起用が中心だったが、今シーズンはコートに立つ時間も格段に増え、確かな成長を数字でも示してくれた。

アタック決定率の中でも、バックアタックの決定率に限ると、エヴァ選手が、32.3%というリーグトップの高い数字を残し、存在感を見せてくれた。この後の入替戦でも、彼女の特徴であるバックアタックを効果的に使い、チームとして厚みのある攻撃で挑みたい。

<セット当たりブロック決定本数(ブロック賞)>

ブロックでの活躍を示す、セット当たりブロック決定本数では、清水愛選手が、0.55本を記録し、リーグ7位になった。清水選手は、ブロックだけでなく、アタック決定率でもリーグ20位の39.6%を記録、総得点では131得点で、チーム5番目にもなった。小林選手同様、高卒2年目の清水選手も、出場機会を増やすとともに、その期待に応える活躍を見せてくれた。

また、規定には達していないが、伊藤寿奈選手も、0.59本、24得点を記録し、高いパフォーマンスを見せてくれた。

<サーブ効果率(サーブ賞)>

サーブでの貢献を示すサーブ効果率では、田中瑠奈選手が、12.5%でリーグ3位になった。田中選手は、昨シーズンも、サーブ賞を受賞するなど、リーグを代表するサーブ力のある選手だ。田中選手の力を考えれば、今シーズンの数字も、当然のものであり、むしろ、2シーズン続けての受賞を逃した悔しさがあるかもしれない。この後の入替戦でも強力な武器であり、田中選手の活躍に期待したい。

ただ、チームとしてみると、サーブ効果率はリーグ6番目の7.7%で、昨シーズンよりも数字が悪化している。田中選手以外では、規定到達外になるが、道下ひなの選手(11.0%)、藤原愛選手(10.9%)が高い数字を残している。

また、サービスエースの本数では、菊地選手、藤井選手のふたりが、10得点でチームトップの数字を記録している。サーブ力のある選手を軸に、各選手の更なるレベルアップで、チームとしても底上げをしていきたい。

<サーブレシーブ成功率(レシーブ賞)>

サーブレシーブ成功率は、チームで見ると54.8%でリーグ最下位となってしまった。チームとしては苦しんだ部分だが、その中で、副キャプテンで、リベロの栗栖留生選手が、64.2%で、リーグ9位を記録するなどチームを支えてくれた。

また、受け数は少なく、規定到達外になるが、吉岡みなみ選手も、サーブレシーブ成功率64.7%を記録した。チームとしても、レセプションとディグでリベロを使い分ける試合などもあり、戦術面、コンディション面も見ながら、引き続き、チームとして効果的な方法を模索していきたい。

サーブレシーブは、ターゲットになるアタッカー陣の受け数が多くなるが、チーム2番目にサーブレシーブを受けている白岩蘭奈選手は、昨シーズンの53.4%から55.2%と数字が向上した。もちろん、チーム事情、受け数の違いなど、一概に比較はできないが、目に見えてわかる数字の部分での向上を、さらなる自信に変え、レベルアップにつなげて欲しい。

サーブレシーブは、個人技術の面だけでなく、チームとしてどう守るか、拾うか、そして、如何に自分たちの攻撃につなげるかという戦術的部分も大きい。そうした事も含め、個人の技術向上、そして、チームとしての改善を期待したい。この後の入替戦、そして、来シーズンに向けての重要テーマだ。

今シーズンは、レギュラーを固定せず、多様な選手起用で戦ったこともあり、個人賞には反映されにくい部分もあったが、それでも、選手たちが、自らの特徴を出しながら力を発揮し、チームの準優勝、そして、4シーズン連続の入れ替え戦進出へと力を尽くしてくれた。選手たちも、常々、「個人よりもチーム」と口にするが、まさにチームのために力を合わせて戦ったシーズンだった。

リーグは終了したが、V1入替戦という大一番が控えている。試合に向けて、時間が限られていることもあるが、やるべきことは特別な事ではなく、今シーズン貫いた、仲間とチームのために力を尽くすバレーボールだ。今シーズンの締めくくりへ、最後の最後まで、グリーンウイングスらしく戦うのみだ。

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