秋田と対戦した開幕戦をスコアレスドローとしたザスパは、アウェイで行われる次節の町田戦に向け準備を進めている。
秋田戦を振り返ると、多くの時間で、秋田の攻撃に耐え、厳しいプレッシャーに耐え続ける結果になった。秋田のスタイルについては、明確に前を意識したサッカーと表現されることは多いが、徹底されたコンセプトは、人が変わってもしっかりと遂行されていたし、チームとしての一体感、局面での強さなども、90分間、落ち込むことはなかった。
一方で、ザスパは、そうした明確なものに対して、十分な対応ができなかった。ボールを保持しても、プレッシャーで思うようにリズムを作れなかったり、作りの1本目のパスがミスになるシーンも多く、ほとんどの時間で、やりたい事どころか、そのきっかけを作り出す事すらできなかった。
後半、途中出場した天笠泰輝は、「みんなで目指していた勝利に届かず、引き分けに終わり、納得いっていない。チームは、自分たちのサッカーができていなかったし、僕自身は、溶け込めず、プレーができなかった。チーム、個人としても悔しかった。」と振り返った。
攻撃では、時折、サイドを起点に、秋田ゴール前に攻め入るシーンもあったが、仕留めきれない、やり切れないという昨シーズンからの課題もクリアできなかった。
左SHでスタメン出場した川本梨誉は、「個人としては全然ダメ、自分としては0点に近い。どんな状況下でも自分たちのサッカーがしたいと考えた時には、突き詰めなければいけない。」と悔しさを口にした。
相手の前に、自分たちだ。自分たちのスタイル、ベースをしっかりと確立した上で戦えなければ、ゴール、勝利は遠いままだ。
この日の練習も、大槻毅監督の大きな声が飛ぶ。時折、プレーを止めながら、やりたいこと、選択肢の提示、そして、選手たちの戦う気持ちをさらに刺激する。選手間でも活発なコミュニケーションが図られ、意思疎通を深めようとしている。
一方で、開幕戦のもどかしさからか、ピッチ上は、ピリピリとした雰囲気に包まれる瞬間も多々あった様に感じた。そうした雰囲気も、選手たちにプラスに働くならばいい事だ。
開幕戦は、相手のミスもあって無失点に終わったが、失点してもおかしくないシーンは少なくなかった。次節の相手、町田は、ゴール前の精度もより高くなる。
開幕スタメン、Jデビューとなった中田湧大は、「監督の求めていることを表現しつつ、求めている事のプラスアルファが大事。」と話す。
秋田戦を「悔しかった。」だけで終わらせず、チームとしてやるべきことを整理しつつ、最後は、個人の部分になる。個々の特徴、思いも、しっかり表現しながら、ザスパスタイルを徹底したい。相手は関係ない、自分たちのサッカーを出し切り、アウェイの地で今シーズンの初勝利を掴もう!