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SASAmemo 「どんな状況でも、チームに勢いを与えられる存在に」-群馬銀行グリーンウイングス 目黒愛梨選手

群馬銀行グリーンウイングスの内定選手である目黒愛梨が、1月14日に行われた千葉エンゼルクロス戦でコートに立ち、Vリーグデビューを果たした。

だが、デビューを家族に報告したものの、そのプレーはまだ見せていないという。

目黒は、「家族に報告したら、『すごいね、よかったね、どんな感じだった?』というメッセージがあったが、自分のプレーに納得できず、まだまだだなぁ、という事で見せられていない。今度は、いいプレーをして家族に見せたい。」と、その理由を教えてくれた。

出番は、第1セット途中、リリーフサーバーとして投入されたが、そのサーブがミスになった。その後、コートに立ち続け、初得点を挙げたが、自分のプレーには満足していない。

目黒は、「拮抗した場面で出番が来て、内定選手だからとかではなく、いち選手として責任があったと思うがサーブミスをしてしまった。より厳しく練習していかなければいけないと思ったし、得点シーンも、一度、止められてしまった。それにもかかわらず、セッターやコートにいる仲間がリピートしてくれた(もう一度、トスを上げてくれた)のを見て、仲間の気持ちにしっかりと応えなければいけないという思いで打った。」と振り返った。

お客さんとして来たのではない。V2優勝、V1昇格を目指す一員として、すでにしっかりと自覚を持ち合わせ、コートに立ったからこそ、喜びよりも、悔しさや、責任が前面に出るのだ。

もちろん、デビューできたことへの喜びもある。

目黒は、「デビューさせてもらったことを、自分以上に、周りが喜んでくれた。チームメイト、スタッフ、家族、大学の友人など、自分が想像している以上に多くの方が喜んでくれた。そして、ファンの皆さんも取り上げてくれたりするのを見て、ようやくスタートしたんだなという身の引き締まる思いだった。」と振り返った。

目黒にとっては、うれしさ、悔しさ、次への思い、そして、新たなスタートと様々なものが入り混じったデビュー戦だったようだ。

目黒は、日本体育大学の4年生で、先日、来春のチーム加入が発表されている。だが、Vリーグ特有の「内定選手」制度により、リーグへの選手登録を済ませることで、年明けからリーグ戦にも出場できるようになった。チームには、12月27日に合流し、今は、グリーンウイングスの一員としてトレーニングを重ねている。

合流して1カ月ほどだが、グリーンウイングスの印象を聞くと、第一印象は、「バレーに対して全員が向き合っているチーム」だという。そして、チームの雰囲気はポジティブで、ミスがあっても、いいチャレンジをした上でのミスであれば、単にミスとして終わらせず、『今の挑戦、良かったよ!』と自然と声が出るのも印象的だったという。

ポジティブな声掛けの大切さについて目黒は、「もちろん、自分で、指摘された事の意味や言葉を咀嚼して次の行動に移さなければならないが、選手として、ネガティブに気持ちになる所で、周りからポジティブな声掛けがあることで、上手くいかない時、どうしたらいいかわからない時に変わってくると思う。」と教えてくれた。

 

前向きにバレーボールができる環境の中で、さらに心強いのは、大学の先輩である、栗栖留生、菊地実結がいることだ。2学年先輩の栗栖は、「『がんばろうな!』といい意味で巻き込んで、目標に向けてくれる存在で、今も大学時代と変わらない」そうで、1学年先輩の菊地は、「真面目な話も、そうじゃない話もでき、趣味も合うし、考え方も素敵な先輩。そういう所も吸収して、いろいろ相談もさせてもらっている。」と、どちらも、昔と変わらず頼もしく、また、新たな環境にも入りやすくしてくれる存在だ。

そして、ふたりだけでなく、「元々、グリーンウイングスに加入するのを決めたのも、雰囲気が良く、選手が受け入れてくれる、入りやすい環境があったから。みんな優しい先輩たちで、入ってからも溶け込みやすかった。」と目黒は話している。

コート内では、前向きな声をかけ合いながらバレーボールに熱中し、コートを離れれば、話題のK-POPやアイドルの推しトークで盛り上がり、他愛もない話で笑い声が響くチーム。目黒も、そんなグリーンウイングスのメンバーとして充実した時間を過ごせているようだ。

リーグは、後半戦に入り、グリーンウイングスにとっては、V2女王奪還、そして、悲願のV1昇格へ、大事な試合が続いていく。その目標を達成するためにも、目黒の力、役割が重要になってくる。

ここからの戦いについて目黒は、「自分らしさは何かを再確認してアピールし、常にベストな状態でプレーする事がチームに求められていると思う。ベストな状態を探しつつ、自分の良さをコートの中で出したい。」と話す。また、「グリーンウイングスの戦法がすごく柔軟で、メンバーも変わりながらというのをずっと続けている。それによって、ひとつのプレーだけでなく、どんなプレーにも柔軟に対応しなければならないが、それができるのも自分の強さだと思っている。」と話す。登録はミドルだが、いろいろなポジション、役割ができるのも目黒の強みだ。チームスタイルにもマッチするし、リーグ終盤の戦いで、自身が話す様に大きな武器となってくれるだろう。

また、目黒は、「自分は勢いがあるプレースタイルなので、どんな状況でも、チームに勢いを与えられる存在になりたい。それを試合の中で出したい。」と意気込む。

今シーズンの群馬銀行グリーンウイングスは、全員がチームの力であり、まさに「全員バレー」でいつもとは違うシーズンを進んでいる。そんなチームが、目黒愛梨という心強い仲間を迎えて、さらに勢いを加速させようとしている。内定選手だからと甘く見てもらっては困る。悲願達成へ、彼女はきっと大きな役割を果たしてくれるはずだ。

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