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SASAmemo 高まる期待、求められる結果 大槻毅監督、続投決定!-ザスパクサツ群馬

サッカーJ2・ザスパクサツ群馬は、きょう(1日)、大槻毅監督が、2023シーズンも続投すると発表した。

また、今季、J2仙台でコーチを務めていた吉田賢太郎氏が新たにコーチに就く事も発表した。

多くのサポーターが待ちわびていた大槻監督の続投決定の知らせが、大槻監督の50歳の誕生日に届けられた。大槻監督が続投することで、来シーズンへの期待は高まるばかりだ。

大槻監督の魅力は、指導の面で言えば、分析力、育成力、そして、周囲をプラスの方向へ向かせるモチベーターという所だ。また、パーソナルな部分で言えば、その知名度であり、強いメッセージからくるカリスマ性という事になるだろう。

今シーズンを振り返れば、オフの時点から明確なサッカースタイルを打ち出し、それを短期間で落とし込んだ。戦術を落とし込むだけでなく、選手たちに自信や手ごたえを掴ませると、開幕前の選手たちからは、自信がみなぎる、前向きなコメントが多く聞かれ、見事、開幕・山形戦で1‐0と勝利に導くことに成功した。評判通りの指導力、そして、開幕戦の勝利で、あっという間に、選手、サポーターの信頼を勝ち取った。

また、開幕からこれまで試合出場の多くなかった、いわゆる若手選手も積極的に起用し、城和隼颯、山中惇希、岡本一真、天笠泰輝、奥村晃司など、彼らの成長を促すとともに、結果にもつなげる努力を続け、将来もにらみながら、チーム力の底上げにも力を入れた。

パーソナルな部分でも、当初は、「組長」というこれまでのキャラクターイメージが先行していたが、ザスパでは封印。一方で、浦和時代同様、感情豊かに立ち振る舞う姿、選手を第一に共に戦う姿勢、さらに、時にサポーターに応援を求めるアクションなど、人間味あふれる大槻監督の姿に、多くの人が引き込まれていくことになった。

シーズン終盤は、苦しい残留争いを強いられたが、チーム、サポーターが一体感を失わず、ともに戦い抜いて、残留をつかみ取れたのは、大槻監督の人間性、求心力によるところが大きかったのは言うまでもない。

こうした指導力やパーソナルな部分への期待は大きく、間違いなく来シーズンへのプラスとなるだろう。また、大槻監督は、継続や積み上げを大切にする指導者であり、苦しみながらも今シーズン積み上げてきたサッカーのベースを来シーズンに活かせることは大きなアドバンテージになるだろう。クラブの体力として大きなものを持たないザスパにおいて、積み上げ、継続は財産であり、武器である。来シーズンへ、大槻監督が継続した事のメリットを最大限に生かしていかなければいけない。

一方で、来シーズンは、結果が求められるシーズンにもなる。

ザスパは、J2復帰の2020年以降、「勝ち点50、16位以内」という目標を掲げながら、達成することができていない。

今シーズンで言えば、開幕10試合で、リーグ4位と好スタートを見せたが、以降は失速した。得点力不足、チャンス創出の少なさ、勝負所での脆さ、ゲームコントロールの不味さなど、ほころび始めたチームは、勝利、勝ち点が遠ざかり、泥沼へと陥ってしまった。

ザスパが掲げている「勝ち点50、16位以内」というのは、これまで達成したことがない数字である。ただ、越えられない数字でもないし、越えなければいけない数字だ。今季で言えば、ちょうど16位山口(勝ち点50)の位置であり、ザスパにとっては、勝ち点で8pt届かなかった位置でもある。目標必達には、およそ1勝1分1敗ペースが必要だ。連勝よりも、連敗しない事、引き分けも含め、勝ち点を積み重ねるサッカーで目標を達成することができる数字だ。

コロナやケガもあり、難しいチーム運営はあったが、リーグ中盤で、もう少し勝ち点が拾えるサッカーができていれば、こんなにも苦しい残留争いにはならなかったろう。クラブに余裕があるチームであれば、ある程度、目をつむり、理想を追求することもできるが、ザスパは、より現実を直視しなければいけないクラブだ。そのさじ加減はとても難しいが、降格してしまっては元も子もない。来シーズンは、停滞した時に、いかに早く回復軌道に乗せられるか。大槻監督はもちろん、スタッフ、強化はじめ、結果につながる行動を求めたい。

新シーズンに向けた編成はこれからだが、大槻監督続投となれば、より監督が表現したいサッカーに合致する編成を整えることになる。とは言え、クラブ予算の小さいザスパでは、劇的な変化は望めないかもしれないが、大槻監督も「メリハリをつける」事の大切さを口にしている。まんべんなくの補強ではなく、よりピンポイントに、大胆に、得点力のある選手、大槻スタイルを表現するに必要な能力を持つ選手を中心に、できる限りの編成をしたい。

懸案の得点力向上で言えば、新たなコーチとして加わった吉田賢太郎コーチにも期待したい。直近は、J2仙台でヘッドコーチ格として指導に当たっていた。今季、リーグ2番目の得点力を誇る仙台でのノウハウをザスパに落とし込み、攻撃面でのテコ入れ、そして、得点力アップを実現してもらいたい。

また、1年後には、ザスパ待望の専有練習場とクラブハウスが完成する。トップチームで見ても、練習環境の大幅な改善が期待されるし、これまでできなかったクラブとチームのより連携した取り組み、アカデミーの整備、強化もやりやすくなるだろう。単に施設ができるだけでなく、様々な面で、大きな転換点になる、しなければいけないタイミングが控えている。そのタイミングで、J3降格は許されない。下ではなく、より上を意識した、今後への弾みとなるような成績を収めたいシーズンでもあるのだ。

ネガティブなことを言えばキリがない。ザスパというクラブはまだそういう状態だ。だからこそ、ポジティブなものを少しずつでも積み上げて、それを大きな力に変えていきたい。それは、大槻監督だけでもなく、選手たちだけでもなく、我々、県民、ファン、サポーター、ザスパファミリーのみんなでやっていかなければいけない事だ。

大槻監督は、2023シーズンも、ザスパで戦うことを決断してくれた。その決断に応えるサポート、応援をして、ともにザスパの歴史に新たな1ページを刻みたい。

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