SASAmemo ザスパの精神的支柱・渡辺広大選手が契約満了-ザスパクサツ群馬

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サッカーJ2・ザスパクサツ群馬は、26日、渡辺広大選手と今シーズン限りで契約満了したと発表した。

渡辺選手は、ザスパがJ3で2シーズン目を迎えた2019年に、J2レノファ山口FCから期限付き移籍で加入、高校時代の恩師で、当時、ザスパの監督を務めていた布啓一郎監督のもと、34試合にフル出場、J2復帰がかかる最終節・福島ユナイテッドFC戦では、貴重な先制ゴールを決めるなど、チームの中心的存在として活躍し、J2復帰に大きく貢献した。

2020年からは、ザスパに完全移籍し、キャプテンに就任。2021年は、コンディションに苦しむ時期もあったが、シーズン終盤の熾烈な残留争いにフル出場で体を張り、チームをJ2残留に導いた。

副キャプテンに就任した今シーズンは、ケガやコンディションが上がらない時期が続き、リーグ戦9試合の出場にとどまったが、精神的支柱としてチームメイトを支える役割や、高い発信力でチームとサポーターをつなげるなど、できる最大限の役割を果たし、J2残留のためにザスパをまとめ上げた。

自身は、クラブを通じてサポーターにメッセージを届けるとともに、SNSを更新し、現役続行への思いを感じさせる前向きなメッセージを綴っている。

29日土曜に予定されているファン感謝祭では、イベントMCを担当予定、また、11月6日日曜に放送予定のFM GUNMAザスパ特番でも、番組MCを担当する予定で、本人の肉声でのメッセージを待ちたい。

「ザスパで群馬を盛り上げたい!」

渡辺選手がザスパにやってきて最初に掲げたのがこの言葉だった。当時、ザスパは1年でのJ2復帰に失敗し、希望を失いかけていた矢先だった。そんな中で、恩師の布監督のもと、ザスパにやってきた。

若手やJ2での試合出場があまり多くない選手が中心のチームにおいて、高いリーダーシップを発揮するとともに、常にサポーターや応援してくれる人を意識した表現、発信に努め、サッカーの結果はもちろん、それ以外の部分でも「魅せる」という所を常に意識していたのが印象的で、これぞプロフェッショナルという姿を伝えてくれた。

練習に行けば、誰よりも声を出し、誰よりも盛り上げ、誰よりも全力で、誰よりも仲間の事を思い、そして、誰よりもザスパの勝利を熱望した選手だった。

そんな彼の姿にサポーターは引き付けられ、苦しく、厳しい状況が続いても、チームとサポーターの結束は乱れることなく、J2残留を掴むことに成功したのだと思う。

今シーズンは、若手の台頭などもあり、また、自身のコンディションも思うように上げることができず、出場記録だけ見れば、ポジションを奪われたと見ざるを得ないだろう。ただ、やはり渡辺広大という選手は、そうした数字だけでは推し量れない魅力と存在感、ザスパの様な規模の小さなクラブには重要な選手なのだと思う。それだけに、契約満了という現実は悲しく、受け止めきれるものではない。

他方、ザスパはギリギリの経営状況で戦っている現実がある。クラブや強化も、サポーターと同じように、渡辺選手の重要さは理解しているはずだが、そうした選手であっても残すことのできないのが今のザスパの実情なのだろう。

2017年にJ2最下位となり、J3降格。そこからのJ2復帰までの道のりを「復活期」と位置付けるならば、渡辺広大という選手は、間違いなくザスパの歴史において語り継がれていかなければいけないレジェンド選手だ。

2002年に草津温泉に誕生したザスパは、多くの選手たちによって歴史が紡がれてきた。そして、その中でも特に大きな役割を果たしてきた選手たちがいる。彼もまたそのひとりである。そして、渡辺選手が力を尽くして作り上げてくれたザスパを、残る選手とともに、サポーター、ファン、県民、すべてのザスパファミリーがさらに大きなものへと作り上げていかなければならない。

渡辺選手は、クラブを通じたメッセージで、「魅力的なクラブを作ってください。全国に自慢できる、ザスパクサツ群馬を作ってください!いつかJ1で戦っているザスパが見たいな!」と語ってくれている。

また選手として、もしくは、指導者としてだろうか、ザスパで、渡辺広大とともに歩むことができるその日を信じて進んでいこう。

渡辺広大選手、4シーズン、本当にありがとうございました!

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