SASAmemo それぞれが果たしてきた責任、そして、残された責任を果たすための戦いへ-ザスパクサツ群馬

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ホーム最終戦となった岩手戦。

城和隼颯は、勝利とJ2残留を決めた喜びに沸くゴール裏のサポーターのもとに挨拶に行った際、背番号「2」のユニフォームが1年前よりも遥かに増えたことが、「うれしかった」という。

ルーキーイヤーは出場6試合にとどまったが、大卒2年目の今シーズンは、開幕スタメンを勝ち取ると、CBのレギュラーとして試合出場を重ねた。41節を終えて、36試合に出場し、出場時間はチーム4位の3120分を記録した。

ここまでを振り返り、城和は、「シーズンの目標で言うと、残留ではなく、勝ち点50、16位以内だったので、たくさん試合に出させてもらったシーズンだったのに達成できず申し訳ない。」とレギュラーとしてチーム目標を達成できなかったことに責任を感じている。

シーズン当初は、2020年に、同じCBのポジション、大卒2年目で活躍し、J1札幌へとステップアップした岡村大八の名前をあげ、自身も同じように活躍する姿を思い描き、強い思いをもってシーズンのスタートを切った。だが、思い通りに行かない展開、自分のミスで失点、大事な試合を落とすなど苦しい時間も過ごしてきた。

それでも、周囲に支えられ、自らを奮い立たせ、大一番の岩手戦では、強力な相手外国人選手を抑え、粘り強い守備で勝利に貢献した。チーム目標は達成できなかったが、シーズンが進む中で、城和に対するサポーターの期待は日増しに大きくなり、いい時も、上手くいかない時も、城和が、課せられた責任を果たすために奮闘してくれたことをサポーターは知っている。それが、背番号「2」のユニフォームが増えた表れでもあると思う。

支えてくれたサポーターの願いは、最終戦の勝利、北関東ダービー連覇だ。

城和は、「今シーズンのベストパフォーマンスを見せたいし、何より結果が大切なので勝利のために頑張りたい。」と今年最後の責任を果たすため、闘志を燃やしている。

 

8月。高木友也は、勝ち点を積み重ねられず、苦しむザスパにやってきた。

夏の移籍期間に加入する選手は、チーム浮上のために「違い」を見せ、目に見える「結果」を出す責任が求められる。迎え入れる側は、そうした、大きな期待を持つが、高木は、J2に降格したチームで、思うように出場機会を掴めず、自信を失っていたという。

だが、加入直後から「違い」を見せる高木は、出場可能な11試合すべてで左SHとしてスタメン出場を果たし、ゴールへ向かう推進力、突破力、そして、左足からの正確なクロスを武器に、ザスパのJ2残留に大きく貢献してくれた。

高木は、「このチームを残留させるために来たし、去年は、横浜FCを降格させて、責任を感じたこともあった。ザスパもJ3に落ちたら、選手生命、自分たちの将来にもかかわる事になるので、最低限のミッションを果たせてホッとした。自分自身も、ザスパで自信を取り戻させてもらえた。」と、ここまでのザスパでの時間を振り返った。

ザスパでの戦いはラスト1試合となる。

高木は、「ザスパに来て、4勝4敗(3分)とイーブンの成績なので、勝ち越して終わりたい。今シーズン支えてもらったサポーターに恩返しできるようにしっかり勝ってダービー連覇したいと思う。」と残された責任を果たす覚悟だ。

 

高木同様、夏の移籍でザスパにやってきた長倉幹樹は、その当時、悩んでいた。

長倉が所属していた東京ユナイテッドFCは大事なシーズン終盤に入っていて、自らはチームのエースとしてプレーしていた。その最中に舞い込んだザスパへの移籍話し。Jリーガーへの憧れとともに、頭によぎるのは、自らがチームを出ることで与える影響。だが、東京ユナイテッドFCは長倉を快く送り出してくれた。長倉にはその恩義に応えたいという思いが常に胸にある。

移籍直後の横浜FC戦でスタメンデビューを果たすと、翌、仙台戦でJ初ゴールを挙げ、勝利に貢献した。地域リーグ出身でもやれる、東京ユナイテッドFC出身だからできる、長倉は、それを証明した。

だが、その後、コンディションを落とし、メンバーから外れる時間が続いた。それでも、「焦りよりも、早く戻るという気持ちで頑張っていた。」と話す様に、その時に向け準備していたという。

そんな復帰ゲームは、J2残留をかけた大一番・岩手戦でのスタメン出場だった。2‐0から1点返された直後、右サイドをするすると抜けだすと、鮮やかなループシュートでゴールを決めた。長倉は、「点を取られて、2-0から逆転というのはよくあるので、自分の中で得点は狙っていた、それが失点直後で、チームの流れも悪い方向に行かずによかった。」と喜んだ。

それとともに、長倉は、「僕には、東京ユナイテッドFCからザスパに入ってきた責任と抜けた責任を持ってやってきたし、それで残留を決められてよかった。」と振り返った。

大一番で自らに託された責任、そして、古巣を代表して結果を出し続ける責任。長倉が、その責任を果たし続ける事で、ザスパと東京ユナイテッドFC、そして、自らの価値をより高めることになる。

今季はラスト1試合だ。長倉は、「最後の試合勝って、チームも、個人も、良い形で終わりたい。」と、シーズンの締めくくり、そして、北関東ダービーという必勝が求められるゲームに向け、責任を果たしに行く。

 

2022シーズン。ザスパは、目標に掲げた「勝ち点50、16位以内」という目標は果たすことができなかった。それでも、選手それぞれが抱き、背負う「責任」を果たしながら戦い抜いてきた。ダービーは、必勝が求められる戦いだ。ザスパの選手として、そして、我々はサポーターとして、北関東ダービーで勝利する「責任」がある。理屈はいらない、今はただ、勝利のために戦うのみだ。

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