SASAnote 「ここからチームがいい方向に行けるよう、自分が先頭に立ってやっていきたい。」-ザスパクサツ群馬 細貝萌キャプテンが復帰

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キャプテンが帰ってきた。

3/6 J2第3節仙台戦で負傷退場し、左足関節脱臼骨折で、全治6ヶ月と診断された我らがキャプテン・細貝萌選手。W杯の関係で、例年よりもリーグ期間が短くなり、「今期中の復帰は、難しいのではないか?」との見方にも一部にはあったが、驚異的な回復力を見せ、ケガから4か月後の7/10 J2第26節町田戦でメンバー入りし、途中交代で復帰を果たすと、7/16 J2第27節大分戦では、スタメン、フル出場を果たしたのだ。

「ここからチームがいい方向に行けるよう、自分が先頭に立ってやっていきたい。」

シンプルでも、キャプテンの言葉は、いつも力がこもっていて、強い責任感が伝わってくる。

ザスパは、第28節山形戦で、12試合ぶりに勝利し、残留圏に戻ったが、決して楽観できる状況にはない。それでも、私は、不思議と自信と安心感に包まれている。「細貝萌キャプテンとともに戦えるなら怖いものなどなにもない。あるのは、未来を切り開くチャレンジだけなのだから。」そう、思えているからだ。細貝キャプテンとともに戦えるなら大丈夫。今の困難を乗り越え、「Beyond THESPA」を成し遂げるのみだ。

復帰について、細貝キャプテンは、「当初、復帰は9月中旬くらいと言われていた。だが、それよりも早く復帰できることになった。復帰のために、リハビリだったり、時間を使ってきてよかったと思っている。」と、早期の復帰のために、これまで努力してきたことが報われたことを喜んだ。

他方、状態も気になる。「試合後、腫れも出たりするが、骨はプレートが支えてくれているので大丈夫。それに、あと2か月待てるかというとそういう状況でもない。サッカーができるなら、自分としては『やりたい』という所で、監督も判断し、最終的に選んでくれている。」と、今の状態、復帰に向けた思いを教えてくれた。

3月のケガで負傷し、手術した後も、細貝キャプテンは、常に、近い所でチームを見守り、サポートを続けてきた。術後、すぐのタイミングにもかかわらず、松葉杖をつきながらスタジアムに駆けつける姿があった、練習場では、リハビリをしていても、全体練習に気を配り、時に大きな声で仲間を鼓舞する姿もあった。復帰に向け、自分に向き合いながらも、常にチームの事を気に掛ける、キャプテンとしての役割を忘れることなど一瞬たりともなかったのだ。

苦しい戦いを強いられている今、細貝キャプテンはチームの現状について、「外から見ていたのと、ピッチに入るのとでは、チームの見方も変わる。ポジティブな面で言えば、試合は、まだ残っている。そこで勝ち点を重ねていくという事。それとチームの方向性で言えば、去年より、チームの形があるし、試合でも、ノーチャンスということもない。あと一歩、二歩という所だと思う。しかも、監督がやろうとしている形でサッカーができているということに関してはポジティブだ。」と前向きにとらえている。一方で、「とはいえ、結果が重要だし、球際、情熱が勝敗を分けると思うのでそこは足りない。」と、『いいサッカー』で終わらず、望む結果を掴むために必要なことも教えてくれた。

今の状況を考えれば、力があり、経験があり、キャプテンという大黒柱が戻ってきてくれたことが、閉塞感のある現状を打破する、何よりも大きな力になると考える。

大槻毅監督も、細貝選手の復帰について、「精神的な部分の安定感はあるし、リーダーシップをとってくれる。彼のあの年齢、今の状態で、ああやって戦う姿勢を見せてくれるのは間違いなくチームにプラスになる。」と話す。

ただ、「キャプテン頼み」では、何も変わらないことを大槻監督は口にする。

「彼が、周りの能力を引き出したり、自分の能力を出すことは絶対にやってくれる。だから、それに周りが共鳴したり、シンクロしたり、リンクして、いろんな事が出来たらいいなぁと思う。そのためには彼だけの努力だけでなく、周りの皆も、イメージやタイミングを共有しないといけない。ただ、彼もグループの一員、彼だけが特化されるのではなく、彼も含めたグループでのシンクロというか、やっていくことができるといいなと思っている。」と、細貝キャプテンの能力にも期待しつつ、これまで通り、「誰かだけに頼る」のではなく、チームとして戦う事、その上で、個々の能力を組み合わせて大きな力を発揮し、ゴール、勝利につなげることが大切なのだ。

勝負の世界は、常に厳しく、非情でもある。エモーショナルな思いだけで乗り越えられるほど甘くはない。ただ、目指すものに対する強い思いがなければ、苦しい中を駆け抜けることはできない。

開幕前、細貝キャプテンは、「チームを背中で引っ張っていけるような、チームが少しでもいい方向に向かっていけるよう、チームスローガンの『Beyond THESPA』なので、今までのザスパを超えていく覚悟で前進したい。」と今シーズンへの思いを語っている。

今のザスパは、苦しい時間を過ごしている。ただ、キャプテンとして、覚悟をもって今シーズンのスタートを切った細貝キャプテンが戻ってきてくれた。チームのために、仲間のために、応援してくれるすべての人のために、全力を出して戦ってくれる頼もしいキャプテンだ。

「結果が出ていないので、言われるのは当然だが、その中でも力強く押して欲しいし、サポートして欲しい」

細貝キャプテンの願いは、チームだけでなく、応援してくれるみんなも含め、ザスパファミリーがひとつになって戦うことだ。キャプテンの思いに応えるためにも、私たち、県民、ファン、サポーターも、さらに結束し、より強い思いで戦わなければいけない。ここからの残り試合、我々が目指すべきは、残留ではない。これまでのザスパを超える、「Beyond THESPA」なのだから。

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