SASAmemo 反撃の夏へ。持てる力を出し切るのみ!ーザスパクサツ群馬後半戦考察

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日曜日にアウェイで徳島に0‐1で敗れたザスパ。これで7試合勝ち無し、順位は19位まで落ち込み、降格圏の20位大宮とは勝ち点差1と厳しい状況に陥っている。

流れを失った大型連休入りの11節秋田戦からで見れば13試合で1勝3分9敗、勝ち点はわずかに6pt、1試合平均で見れば0.46ptしか取れない深刻な状況だ。開幕戦に勝利し、一時は4位まで浮上した序盤戦を考えると、ここまでの落ち込みは想像できず、ショックは大きい。

ただ、いつまでも打ちひしがれているわけにはいかない。大切なのはこれからの18試合で如何に勝ち点を上積みできるかということだ。

前節、徳島戦を終えて、6勝5分12敗 勝ち点23で19位のザスパ。今シーズン、「Beyond Thespa!」をスローガンに、勝ち点50、16位以内を掲げたチームが、その目標を達成するためには、残り試合で27ptの勝ち点が必要だ。単純計算で1勝1分1敗ペースでも、24ptしか取れず、目標必達には、連勝を含め、シーズン序盤の様な勢いが必要だ。

他方、残留を考えれば、10勝、または、勝ち点40がボーダーラインになる。そのラインで考えれば、10勝には残り4勝、勝ち点40には13ptが必要になる。残り試合数、対戦相手を考えれば4勝は不可能ではない。また、勝ち点で見ても2分1敗ペースでも12pt取ることができ、およそ目標数値に到達できる見込みだ。残留だけを考えるなら、まだまだ悲観する必要はない。だが、低い目標をターゲットにすることは、状況をより難しくする。

大槻毅監督になり、攻守に一体感を持ち、誰かに頼ることのない全体サッカーを目指すスタイルは一貫している。例年と比べれば守備面の改善は図られ、失点数を抑えることには成功しているが、リーグワースト2位の得点力不足を改善しなければ状況は好転しない。シュート総数は、リーグワーストの139本と、とにかく得点以前に、シュート機会、チャンスを創出することができていないのが現状だ。

積極的な守備からショートカウンターで得点を狙うスタイルはあるが、攻撃バリエーションの少なさ、また、プレーの積極性、精度の面で思い通りの結果につなげられていない。

また、負けた12試合のうち、1点差は10試合。「惜しい」で終わらず、僅差のゲームを引き分けに持ち込み、とにかく勝ち点を拾うしぶとさ、執念、ゲームコントロールが求められる。

状況、そして、課題は明確だ。あとは、如何にその状況を改善するかということだけだ。

難しい状況になっている理由はいくつかあるが、まずは、シーズンを通じて、けが人が多い事だ。長期離脱者もいるが、誰かが治ると、誰かがけがをする状況が続いており、毎試合、ベストの布陣を模索するのに選択肢が限られている。特に、ボランチではキャプテンの細貝萌が序盤に離脱、新加入の風間宏希も一時戦列を離れ、岩上祐三に負担がのしかかった。誰かに頼ることはないとはいえ、やはり力のある選手であり、序盤の快進撃をけん引したのは間違いない。そんな岩上に頼る部分が多くなり、連戦も重なり、やりくりが難しくなった。徳島戦はメンバー外となったが、岩上が十分なパフォーマンスを出せる状況、負担減のためにも、チーム全体でどうカバーできるかの答えを出したい。幸いにも、風間は早めに戦列に復帰し、シーズン中の復帰は難しいかと思われた細貝も驚異的な回復力を見せ、夏場の復帰が期待される状況だ。中盤力の回復で、再び流れを呼び戻したい。

また、この後、7月になると移籍市場が動き出すが、現状、明るい話は聞こえていない。J2でもワーストレベルの経営状況では、状況を一気に好転させる猛者を迎え入れるのは難しい状況だ。とはいえ、強化部は、すべての選択肢を排除しておらず、テコ入れがある可能性も否定できない。特に攻撃で言えば運べる選手は多いので、やはり得点力のあるストライカーを加えることで、選択肢を増やすとともに、チーム内の競争を生み出し、課題解決につなげたいところだ。

そして、今後の対戦日程だ。夏場は、上位勢との対戦が多く、秋以降は、中団以下、ザスパと順位の近いチームとの対戦が続く日程になっている。対戦相手の順位で、勝てる、勝てないの皮算用をするつもりはないが、暑さ厳しい夏場の戦いで、上位勢からどれだけ勝ち点を重ねられるか。その頑張りがアドバンテージとなり、終盤、順位の近いチームとの戦いで、試合の中でも、順位の争いでも優位な状況で迎えられるか、よりシビアな、難しい緊張感を持ちながらの戦いになるか大きく変わるだろう。

4チームが降格する厳しい残留争いを勝ち抜いた昨シーズン。ザスパは夏場に監督交代を決断し、より勝ち点を拾うスタイルにシフトし、ライバル勢よりも優位な状況でシーズン最終盤を迎えた。最終節に敗れたものの、多くの残留条件を持つことで、J2に踏みとどまることができた。今シーズンの終盤にどの位置にいるかはわからないが、それでも夏場の戦いで、勝ち点を積み重ねていくことで、昨シーズン同様、優位な状況で、心理的にも自分たちの力をより発揮しやすい状況で重要局面を迎えることができるだろう。

ザスパはビッククラブではない。むしろ、一部のJ3クラブにも経営規模を上回られてしまうような小規模クラブだ。高望みなどできず、できることは限られる。となればやるべきことは明確で、自分たちの良さ、特徴をどれだけ出せるか、そして、J2サッカーのベースともいえる、走る、戦うという部分を対戦相手よりも出し切れるかに尽きるのだ。そして、シーズン序盤は、ザスパに関わる皆が、良さ、特徴を十二分に発揮し、戦えること、結果を出せることを証明した。J2でも戦える力のあるチームなのだ。

言わずもがなだが、強化部は、大槻毅監督とともに戦い抜くことを確認している。選手たちも、もどかしさを感じつつも、手ごたえを感じながら、あと少しで掴めそうなゴール、勝利に向かってトレーニングを重ねている。今必要なのは雑音ではなく、より大きな応援であり、結束だ。次節の相手、新潟もタフな相手だが、反撃の夏へ。できる最大限の力を出し、みんなで、ゴール、勝ち点、勝利を掴もう!

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