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SASAnote Vol.1 経験豊かな選手たちの存在感~J2第38節 ザスパvs松本

今年ラストのFM GUNMAザスパ中継にもなったザスパと松本のゲームは、終了間際の岩上祐三選手のゴールでザスパが1-0の勝利。ホームでは10/21第28節甲府戦(○1-0)以来の勝利。引き分けをはさまない連勝は、9/13第19節東京V戦(○3-0)、9/20第20節愛媛戦(○1-0)以来となった。それだけに、寒い中、正田スタに駆けつけてくれたサポーターにとっても大きな勝利となったろう。

ゲームを実況していて感じたのは、経験値の高い選手がゲームを引き締め、チームを勝利に導いてくれている、核になってくれているという頼もしさだ。

決勝点の岩上は、ゴールも素晴らしかったが、この日も、中盤でチームのかじ取り役として主導権を握るゲイムメイクを見せた。また、キャプテンの渡辺広大は最終ラインで体を張り、チームを支え、右サイドに入った舩津徹也は積極的な上がりとタフなディフェンスを見せた、最前線では大前元紀がゴールこそなかったが違いを見せるとともに、献身的にボールを受けに降り、攻撃のリズムを作った。内田達也もセカンドボールへの対応、ボールの回収で汗をかいてくれた。途中出場の宮阪政樹は、後半、少しペースダウンしたチームをよみがえらせる攻撃面での貢献が光っていたし、前節、移籍初ゴールの林陵平も、相手ゴール前で躍動する姿を見せてくれた。ボールを握り、サイドを使い、ゴールを奪う。奥野ザスパが目指す今年のザスパのサッカーに欠かせないプレーをしっかりと表現してくれたのだ。

ここ最近のザスパは、若手の成長、台頭がチームの起爆剤になっていて、チームにゴールと勝利をもたらしてきた。今シーズンも、田中稔也や岡村大八と言った20代前半の成長、活躍もあるが、そうした若い力だけでなく、Jの中で戦い抜いてきた多くの経験を持つ選手がいるのも特徴だ。だが、ここまでそうした選手たちがなかなか力を発揮することができていなかった。

新監督、新チーム、コロナ禍の中でのチーム作りは、思っていたよりも時間がかかってしまった。シーズン序盤は、ザスパのサッカーにモヤモヤするものが残り、当然、結果にもつながらなかった。経験ある選手たちにとっても、「ここまで勝てなかったシーズンはない。」と口にするほど、苦々しいシーズンを過ごしてきた。だが、練習では若手たちの手本となり、アドバイスを送り、よき先輩、兄貴分として立ち振る舞ってきたし、結果が出ない中でも、ひとつひとつできる事を積み上げ、あと少し、もうちょっとという手応えを確かなものにしてきていた。結果が出ず、チームが行き先を見失ってしまいそうになっても、そうならなかったのはこうした選手たちがいたからだと感じている。そして、チームの成長とともに、選手たちも、より質の高いプレーを見せてくれるようになったのだ。

もちろん、チームとして改善、向上しなければいけない部分はまだまだ多い。守備から攻撃へ移った時のパス精度、サイドとゴール前の選手の関係、形、シュート意識など。だが、そんな課題もひっくるめて、奥野監督率いるザスパクサツ群馬が、「今季の最終形」へと、しっかりと進んでくれているのを感じられた試合だった。

シーズンはラスト4試合、そして、ホームゲームはわずか1試合。限られた試合の中で、どんな最終形を見せてくれるのか、そして、来季への期待を与えてくれるのか、楽しみだ。

文末になりますが、今シーズンも、FM GUNMAザスパ中継で、計7試合、実況担当でお世話になりました。中継を聞いてくださった皆様、FM GUNMAの皆様、解説の植木さん、高田さん、リポーターの揚妻アナ、本当にありがとうございました。

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